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経労委報告と対決を 14春闘で反撃し労組拠点建設へ

週刊『前進』06頁(2620号02面05)(2014/02/17)


 経労委報告と対決を
 全面的な労働規制の撤廃で総非正規職化・過労死を強制
 14春闘で反撃し労組拠点建設へ


 舛添要一の東京都知事選当選に際し、米倉弘昌経団連会長はオリンピックの成功と原発再稼働の加速を求め、長谷川閑史(やすちか)経済同友会代表幹事は「障害になる規制は国家戦略特区を活用して突破を」と訴えた。2月12日、都庁に初登庁した舛添は改革の断行を宣言した。安倍・自民と公明、そして連合東京が推した舛添こそ、経団連の2014年版「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)を体現した人物だ。大恐慌と大失業、戦争と革命の情勢下の14春闘はこれとの大激突となった。階級的労働運動の新時代を開いた都知事選決戦を引き継ぎ、国鉄最高裁決戦を基軸に確信も固く闘いぬこう。

 原発再稼働と解雇自由化、超長時間労働

 経労委報告は、安倍政権の異次元の経済政策を賛美し、成長戦略のために「あらゆる事業分野にわたる不必要な規制について、早期かつ大胆に見直すべき」と強調した。労働規制撤廃こそ全体を貫く最大の主張である。
 報告は、電力価格の抑制・安定供給の確保を掲げて、原発再稼働プロセスの加速化を求めた。「原発事故の風評被害」を問題としながら放射能汚染、被曝労働についてまったく触れることなく経営の大規模化、6次産業化(農業・水産業の商業化)をうたった。福島を切り捨て、「復興」を掲げて被災地を巨大資本の食い物とするショック・ドクトリンそのものだ。JR東日本による常磐線延伸と被曝労働の強制はその重大な攻撃だ。
 報告は、「雇用・労働市場の改革」を叫んでいる。「正規雇用、非正規雇用の二極化論から早期に脱却すべき」として非正規職の増加を問題とすること自体に反対した。正規職の一掃と総非正規職化こそ攻撃の核心だ。
 報告は、安倍政権が13年6月に閣議決定した日本再興戦略の「行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換」を引用して、「再び大きな景気後退に見舞われた際に迅速かつ柔軟な対応ができる」と出向・転籍を強調した。JRや自治体で大激突している子会社への出向・転籍攻撃を全面化し、いくらでも労働者の首を切れるようにするということだ。
 その最たるものが「限定正社員の活用」だ。限定正社員が普及すれば有期契約より安定した雇用機会が広がるなどとうそぶきつつ、“解雇権乱用法理は正社員と同列に扱わない”と言い切った。
 さらに報告は「現行の労働基準法は、明治時代にできた工場法の流れをくむ」などと言いなし、「法律で画一的に律するのではなく、労使自治を重視した労働時間法制に見直すべき」として「労働時間・深夜労働の規制の適用を除外する制度を創設すべき」と主張した。現状ですら、過労死に行き着く超長時間労働の強制が横行している。労働時間規制の撤廃は、労働者派遣法の大改悪とともに、それを極限まで推し進めるものだ。絶対に許してはならない。
 経労委報告をよく読めば、マスコミが描く「経団連が賃上げ容認」が、まったくのうそであることが明らかとなる。

 「賃上げ容認」どころか昇給制度さえ解体

 報告は、ごく一部の「業績が好調な」大企業の正社員について基本給とは異なる所定外賃金を中心に個別労使協議を行うとするだけで、中小企業は「慎重な議論」を、非正規労働者の処遇は総額人件費の問題として「自社に適した対応」を求めている。ごく一部の例外を除いて賃上げなどないということだ。
 それどころか、年金支給年齢の引き上げに伴う高齢者雇用を問題にして「賃金制度そのものの多様化」を論じ、昇給制度の解体を言い出した。最低賃金制の「抜本的見直し」=解体すら主張し、極限まで低賃金化させるということだ。安倍政権が狙う「公務員賃金制度の総合的見直し」とは、賃金制度そのものの「岩盤を崩す」全労働者に対する攻撃である。
 今次報告は、「社会保障給付の重点化・効率化」「高齢者医療制度の見直し」を何度も強調している。“消費増税が行われても社会保障給付の増加に追い付けず、保険料負担は上昇し、企業の成長を阻害する。社会保障は切り捨てろ、高齢者からもっとむしり取れ”という主張だ。
 経労委報告は、怒りなしに読めない。これに対して労働者は必ず闘いに立ち上がる。新自由主義の大破綻に行き着いた資本家どもは、革命の恐怖に打ち震えている。

 労働者の反乱恐れ御用労組にすがりつく

 だから報告は、昨年9月以降5回にわたって行われた「政労使会議」の意義や「労使パートナーシップ対話」の重要性を言い立て、体制内労組幹部の役割を必死で説いている。春闘不要論を取り上げ、“競争力をいかに強化するかを労資で話し合う建設的な討議の場として、重要性は高まっている”と強調した。御用労組幹部が協力するなら、現場の闘いを封じ、労基法違反も不当労働行為も自由にやれるということだ。
 しかしそんなもくろみは、もろくも崩れ去るものでしかない。すでに動労千葉鉄建公団訴訟は東京地裁・高裁で国家的不当労働行為を認めさせる決定的な勝利をかちとっている。さらに都知事選決戦として労働者の怒りの火の手が上がった。連合や社民、日共スターリン主義のくびきを破り、階級的労働運動の前進をもって安倍やファシストと激突する30年代型階級闘争が始まったのだ。
 労働者階級の反乱に対する資本家どもの恐怖がいかに深いものであるか。それはこの間、日本企業を中心に数百万人の規模で爆発しているインドネシアのゼネストを「海外労使紛争の現状と課題」として取り上げ、「未然防止と事後対応」に必死になっていることからも明らかだ。
 14春闘は、大恐慌下の巨大な階級攻防となった。都知事選決戦で掲げられた「貧困・過労死ゆるさない」闘いとして、青年労働者の「生きさせろ!」の決起と労組建設が急速に広がっている。
 国鉄解雇撤回をかちとる最高裁決戦とJR外注化阻止・非正規職撤廃闘争の爆発が全情勢を開く。国鉄・公務員決戦を闘い、全国・全産別・全職場で14春闘を闘いぬこう。階級的労組拠点建設・労組権力奪取をかちとろう。 (大迫達志)