週刊『前進』10頁(2534号2面3)(2012/04/30)
“処分はねのけ闘うぞ”
大阪市立学校教員 不起立で橋下おいつめる
4月19日、大阪市教委は市立小中学校の3月卒業式で「君が代」斉唱時に不起立した教育労働者2人を戒告、1人を文書訓告とした。大阪府下ではすでに、今春の卒業式で起立しなかった府立学校などの教員32人が戒告処分とされた。4月の府立学校の入学式で・・・
2012年4月30日発行 第2534号
“処分はねのけ闘うぞ”
大阪市立学校教員 不起立で橋下おいつめる
4月19日、大阪市教委は市立小中学校の3月卒業式で「君が代」斉唱時に不起立した教育労働者2人を戒告、1人を文書訓告とした。大阪府下ではすでに、今春の卒業式で起立しなかった府立学校などの教員32人が戒告処分とされた。4月の府立学校の入学式で・・・
不起立で戒告処分を受けた大阪市立小学校の教育労働者は、職場分会で討論し、みんなの怒りを背景に不起立を貫いて、橋下の攻撃に絶対反対の声を上げた。
この教育労働者は訴えている。「入学式では私を式場に入れないために『職員室での電話応対』という職務命令を出し、当日は監視して職員室に缶詰にした。橋下や市教委は『絶対反対』の闘いを本当に恐れている。私への処分は橋下の首切り攻撃の切っ先です。そして今狙われている学校選択制、学力テストの公表、学校の統廃合は、教育の民営化、教育労働者の首切り、非正規化に直結する攻撃です。既成の労組幹部は『君が代』強制と闘わないばかりか、管理職と一体となって『不起立をやるな』と押しとどめにかかった。闘わない労組幹部に存在意義はありません。自分の職場から階級的団結をつくり、新自由主義攻撃と真っ向から闘う労働組合をよみがえらせます」
大阪の教育労働者は卒・入学式攻防をとおして、道州制、教育の民営化=教育公務員全員解雇という新自由主義攻撃への決定的な反撃を始めた。全国でも道州制、「復興特区」、原発再稼働、外注化・非正規職化攻撃への労働者の怒りが噴き出し、闘う拠点が打ち立てられている。反撃すれば新自由主義は破産する。職務命令の乱発でしか現場の怒りを抑えつけることができない橋下に生き延びる道はない。
関西労組交流センター教育労働者部会は処分発令前日の4月18日、大阪市役所前で「『君が代』不起立処分を許さない。橋下の教育民営化=全員解雇攻撃に反撃しよう」と訴えるビラを配り、大阪市職の労働者にともに闘おうと呼びかけた。
2012年4月16日発行 第2532号
大阪・教育2条例と徹底対決を
橋下による教育の民営化と全員解雇攻撃を打ち破ろう
革共同教育労働者委員会
3月23日、大阪府議会で教育2条例(教育行政基本条例、府立学校条例)、職員基本条例、関係条例整備条例の4条例が可決・成立した。市議会では「君が代」起立・斉唱条例が成立したが、教育2条例・職員基本条例は継続審議となり、5月市議会で修正協議が・・・
教育行政基本条例と府立学校条例は、教育の「独立性・政治的中立性」、教育委員会の「指導助言原則」など戦後教育行政の理念を跡形もなく一掃し、市場・競争原理と強権的官僚統制が一体化した新自由主義の教育管理システムを目指すものだ。知事−教育委員会−校長−教職員の上命下服の目標管理システムを構築し、人事評価と処分・免職の脅しで教育労働者を分断し競争させ支配しようとしている。
首長は、教育目標を含む教育振興計画の策定を主導し、目標達成に努めない教育委員には罷免権を行使する。校長を公募制・任期制にして、首長に忠誠を誓わせる。教育委員会は基本計画に基づく学校運営指針を定め、校長に指示し、校長は指針を踏まえて教育目標を含む学校経営計画を定める。教職員は、評価・育成システムにより校長の学校経営計画に沿った個人目標を設定させられ、その達成度で校長が教職員を評価する。教職員にも適用される分限条例は、2年連続D評価で分限免職と定める。
両条例には、いわゆる「指導力不足教員」に対する「改善研修」「免職等の措置」がことさらに書き込まれ、校長の意向で選ばれる保護者からなる学校協議会に、教員の授業を調査し「指導力不足教員」申請の意見を述べる権限を与えている。
職員基本条例では、職務命令への服従を「倫理原則」にまで祭り上げ、同一の職務命令違反3回で分限免職と規定していいる。職務命令違反に対しては指導研修を行い、懲戒条例は、「非違行為を反省させ、今後行わないことを誓約させる」とする。
昨年6月に「君が代」起立・斉唱条例を先行して成立させ、不起立教員の処分条例として教育基本条例案が策定された経緯は、「君が代」を踏み絵とする闘う教育労働者の排除が労組破壊と職場支配権解体の突破口として位置づけられていることを示すものだ。
こうした目標管理と命令服従のシステムを通じて推進しようとしているのが、学校間の学力向上競争であり、これをテコとした統廃合・民営化である。
府立学校条例は高校の学区を廃止し、3年連続して定員割れした学校を再編整備の対象とするとしている。維新案に明記されていたように、「再編整備」とは「統廃合」と「学校法人化」であり、いずれの場合にも、地公法28条1項4号の「廃職又は過員による分限免職」が発動される。分限条例によれば、統廃合の場合には校長の評価で対象者が選定され、公設民営化の場合には全員免職の上、譲渡・移管先による選別が行われることになる。
橋下は大阪府知事時代には、私立高校への助成を3割カットする一方、国から支給される私学の就学支援金に上乗せする形で年収610万円以下の家庭は授業料負担をゼロにする「私学無償化」を導入した(朝鮮高級学校は除外)。私学助成の配分基準も、集めた生徒の人数分だけ補助金を出す仕組みに変更した。
これによって、公立私立全体の生徒獲得競争が一挙に激化した。私立高では収容人員を無視して生徒を詰め込み、非正規職教員を増やして人件費削減に走った。府立高は160校中49校が定員割れする事態となり、高校入学者の公私比率は10年度の73対27から11年度68対32へと劇的に変化した。保護者からは歓迎の声も高かった「私学無償化」だが、これは事実上のバウチャー(クーポン券)制度の導入だった。
橋下は大阪市では、小中学校の統廃合・民営化を進めようとしている。市の戦略会議は、3万8千人いる職員を4年間で半分の1万9千人にする方針を決定、地下鉄・市バス、病院、水道・下水道、ごみ収集・焼却、保育園・幼稚園を民営化の対象にあげている。市立小学校は、全297校の3分の1にあたる101校を14年度末をメドに統廃合する再編プランが打ち出されている。橋下が「保護者の選別にさらして自然に統廃合を促す手法」と露骨に言うように、学校選択制の導入と学力テストの学校別結果の公表がそのテコとして位置づけられている。
橋下は府立高校10校の「進学指導特色校」化、旧「同和推進校」の小中一貫「スーパー特進校」化など、「グローバル人材育成」のためのエリート教育に予算を集中する一方、学力テストの成績で学校を序列化し、困難校から廃校・民営化していこうとしている。貧困や差別ゆえの低学力を教員の資質や指導力の問題にすり替え、公教育や教職員組合をバッシングするのはそのための手口なのだ。維新の会の条例案の作成者と言われる坂井大阪市議は「私は格差を生んでいいと思っている。まずは格差を受け入れてでも、秀でた者を育てる必要がある」とあけすけに狙いを語っていた。教育2条例は、1%が肥え太るために99%を切り捨てる攻撃だ。
02年にブッシュ政権は、全米の小中学生に数学と国語の一斉テストを義務づけ、成績の改善しない学校に教員入れ替え、廃校、民営化などの制裁措置を科す落ちこぼれゼロ法(NCLB法)を制定した。これにより教育活動はテストのための教育に変質し、学校の成績を上げるために不正が横行し、名前とは裏腹に貧困家庭やマイノリティの子どもたちが排除されていった。ニューヨーク市では1750校中150校が廃校になり、教職員の4分の3が強制配転や激務によるうつで退職に追い込まれた。
就任当初は法改正を公約していたオバマ政権だったが、今では生徒の成績の給与反映や廃校・民営化の拡大を連邦資金を餌に州政府に競わせている。民間主体が行政当局と契約を結んで公費で運営するチャータースクールが激増し、優遇税制も受けられるとあって、学校が金融機関の「優良」な投資先と化している。
教育労働者は解雇され、貧困家庭の子どもたちは公教育から排除され、軍に勧誘されてアフガニスタン・イラクに送られ、教育ビジネスだけが繁盛する。これがNCLB法の帰結だった。それは「政策の失敗」というよりも、これこそが、もはや社会を社会として成り立たせることもできなくなった最末期の資本主義としての新自由主義の本質と言うべきだ。今こそ労働組合が社会の根底的変革の主体として登場する時だ。
新自由主義の極致と言うべき橋下教育改革だが、その地ならしは着々と進んできていた。教育振興基本計画を通じた教育統制は06年教育基本法改悪で導入されたものであり、「教育委員会を廃止し、教育行政を首長に移管する」とは、民主党がマニフェストで掲げていた教育政策だった。
01年の義務標準法改定で、正規教員を1日4時間の非正規教員2人に振り替えることが可能となった。さらに06年度からの教員給与の国庫負担金削減で正規教員定数が非正規教員へと振り替えられてきた。給食、用務、司書など少数職種は次々と民間委託されている。
教育の民営化をめぐっては小泉政権時代に総合規制改革会議が株式会社の学校経営への参入や公設民営化(包括的管理委託)を強く要求し、一部風穴が開けられてきた。株式会社・NPO法人による学校設置が解禁され、株式会社立の大学・通信制高校も生まれた。
公設民営化については04年の中教審答申「今後の学校の管理運営のあり方について」が設置者管理主義の例外として幼稚園と高校の公設民営化を容認し、指定管理者制度にならった委託先指定手続きの法制化に言及している。しかし文科省は委託契約方式は認めず、自治体が土地建物を提供して民間主体が学校法人を設立する「公私協力学校」方式に限定し、私学助成をつけないこともネックとなり、この方式も広がってこなかった。
“教育基本条例案は法に抵触する”という文科省見解を歯牙(しが)にもかけない橋下は、こうした制約をいとも簡単に踏み越えつつある。関西同友会が出した道州制提言は「国・地方の公務員のうち360万人をいったん解雇する。教育公務員等126万人の現業公務員は、国立・公立学校を私学化するなど組織を公設民営化した上で再雇用の機会を与える」としていた。教育2条例・職員基本条例はその突破口としてつくられている。
維新の会が発表した「船中八策」では、教育・職員基本条例の法制化や公務員労組の政治活動規制、教職員組合の「適正化」を掲げている。維新の会の国政進出の動きで、大阪型の民営化・首切り攻撃、教育の民営化攻撃が全国に波及し、被災地の復興特区とあいまって道州制攻撃が加速化することは必至だ。新自由主義の民営化、非正規化攻撃と真っ向から対決し、「教育の民営化絶対反対」を鮮明に掲げて、全国で闘いを開始しよう。
橋下の「2人に1人」の民営化・首切り攻撃とどう闘うか。動労千葉は1980年代の国鉄分割・民営化攻撃に対して、全組合員が首をかけて2波のストライキに決起し、28人の解雇者を出しながら、階級的団結を守り抜いた。そして今、第2の分割・民営化攻撃である検修外注化攻撃を阻止し続け、組織拡大をかちとり、青年労働者の総反乱を切り開いている。「民営化絶対反対」の団結こそが勝利を切り開くことができる。
橋下に早々と最敬礼して謝罪した労組幹部をのりこえて、現場組合員の反撃が始まっている。職務命令を振りかざした「労使関係アンケート」拒否の闘いが現場から巻き起こり、凍結・廃棄へと追い込んだ。「不起立3回で分限免職」の恫喝を打ち破って、卒業式では府立高校で29人、橋下のおひざ元の大阪市立学校で3人、大阪市以外の市町村を合わせて総計35人の教育労働者が不起立を貫いた。その抵抗は入学式でもさらに継続されている。
現場組合員によって不屈に闘い続けられてきた「日の丸・君が代」闘争は、新自由主義の民営化・首切り攻撃との闘いの最前線に押し上げられている。「君が代」処分・解雇粉砕を現場組合員の全国連帯で闘おう。職場の仲間が怒り、苦しんでいる問題のすべては新自由主義攻撃が元凶であり、分会会議の議題、職場闘争の課題だ。職場から階級的団結をつくり出し、闘う労働組合をよみがえらせることこそが最大の反撃だ。
11月全国労働者総決起集会に結集するロサンゼルス統一教組(UTLA)は今、9500人の解雇攻撃と果敢に闘っている。新自由主義による教育の民営化・首切り攻撃と闘いぬいて、日米教育労働者のランク&ファイル(現場組合員)の国際連帯を発展させよう。
橋下教育改革への怒りを解き放ち、新自由主義と対決する教育労働運動を職場からつくり出し、国鉄闘争全国運動に合流していこう。必死に生き闘いぬく福島県教組と固く連帯して、原発再稼働阻止・全原発の廃炉へ闘いぬこう。
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(項目)、アメリカ・落ちこぼれゼロ法、橋下大阪市長の教育改革
(1)
学力テスト
州統一テスト参加を学校に、全米テストへの参加を地方当局に義務づけ。大半の州が学校別ランキングを公表
府知事時代に全国学テの市町村別結果を公表。府独自学テを実施、大阪市は学校別結果を公表
(2)
学校選択制・バウチャー制度
学力向上目標を達成できない学校から転校する権利を付与、塾や家庭教師に使えるバウチャーを支給。大半の州でチャータースクールを含む指定校以外の公立学校選択制度を導入
府立高校は学区を廃止、大阪市は学校選択制を導入。私学授業料を無償化、府立高校の定員割れを意図的につくり出す
(3)
学校に対する制裁措置
目標を達成できないと転校者が増え、生徒の頭数で配分される学校予算が削減され、教育条件低下の悪循環となる。4年連続で教員総入れ替え、5年連続で民営化か廃校
3年連続定員割れで統廃合、学校法人化
(4)
教員評価と給与反映、身分保障
学テ成績の伸び率でランク付け、ネット等で実名公表、2年連続下位で解雇可能に(NY市)
評価の昇給・勤勉手当への反映はすでに実施。2年連続Dで分限免職。保護者の申立で「指導力不適切教員」に改善研修、免職
(5)
教育委員会制度
教育局長を市長の直接雇用に変更、教育委員会は執行機関から助言機関・事務機関に(NY市)。市長直属の教育長官を新設(シカゴ市)
首長が主導して教育目標を含む教育振興計画を決定、目標達成に努めない教育委員の罷免も
※米国欄は特に州や都市名を記載していないものは、落ちこぼれゼロ法に基づく全国的制度。大阪欄は教育2条例のほか、維新案、橋下市長の発言等による。
東京「日の丸・君が代」闘争 再発防止研修に抗議
“不起立に恥じるものない”
(写真 「都教委は不当処分をやめろ!」研修に臨む不起立被処分者を激励【4月5日 東京・水道橋】) 東京都教育委員会は、都立校の卒業式において「日の丸・君が代」強制に反対して不起立した教育労働者3人に対して、3月2・・・
(写真 「都教委は不当処分をやめろ!」研修に臨む不起立被処分者を激励【4月5日 東京・水道橋】)
東京都教育委員会は、都立校の卒業式において「日の丸・君が代」強制に反対して不起立した教育労働者3人に対して、3月29日に戒告処分を発令したのに続いて、4月5日に「服務事故再発防止研修」を実施した。当日、研修会場である水道橋駅前の東京都教職員研修センター前では、年休を取ってかけつけた教育労働者を先頭に抗議・弾劾行動がたたきつけられた。
2003年「10・23都教委通達」から9年目の卒業式でも教育労働者が断固として不起立闘争を継続することに追い詰められた都教委は、事前に、今年から再発防止研修を中身・回数ともにエスカレートすると発表して恫喝した。
従来は「地方公務員法(服務規律)について」と題していた研修を「教育における国旗掲揚及び国歌斉唱の意義と教育者としての責務について」という内容に変更。実施時期も、従来の夏休み期間中から、入学式を前にした4月5日に変更した。これまで95分間だった教職員研修センターでの研修は195分間に延長され、全体研修の後に、一人ひとりを別室に分断して行う個別研修も加えられた。さらに6月まで2カ月、それぞれの学校において校内研修を行い、その後、再び研修センターでの研修を行うというのだ。
しかし、このような不当研修を被処分者は意気軒高と迎え撃ち、完全に都教委の策動を打ち破った。
研修開始を前にして、8時半過ぎから「不当処分を撤回しろ」「都教委は再発防止研修をやめろ」というシュプレヒコールを繰り返したたきつけた。
12時半過ぎ、研修を受講し終えた被処分者が会場前に戻ってきた。被処分者は、「研修の中で反省を迫られたり、誓約書に署名させられるというようなことはなかった。しかしそもそも私の不起立は恥じるものではない。ここで反省や、なんらかの思想の変更を迫られるようなことがらではない」「およそ研修と呼ぶにふさわしくない内容で、非常につまらない授業を受けさせられたようなものだった。全体研修の後、個別研修に移動する際は、逃亡防止のためにいたるところに職員が配置され、トイレの中まで入り込んできて監視された。独房に連れて行かれるような感覚だった」と都教委の対応を弾劾した。研修をもって被処分者を転向させることなど、絶対にできないのだ。
今年の卒業式は、大阪市長・橋下による「君が代」強制条例、職員基本条例・教育2条例を最先端攻防とする教育の民営化、教育労働者の大量首切り攻撃と対決する闘いだった。大阪の教育労働者と固く団結して東京・広島を始め全国各地で教育労働者の闘いが打ち抜かれた。
この闘いをさらに押し広げ、新自由主義攻撃と対決する教育労働者の団結をつくり出そう!
2012年4月 9日発行 第2531号
“橋下に大反撃したぞ”
関西交流センター 卒業式闘争の勝利集会
(写真 職場に団結をつくり出して不起立を貫徹した卒業式闘争の勝利を確認し、4月以降の闘いに向けて団結ガンバロー【3月31日 大阪市】) 橋下・維新の会の新自由主義攻撃・教育の民営化を打ち破る卒業式闘争が勝利しまし・・・
(写真 職場に団結をつくり出して不起立を貫徹した卒業式闘争の勝利を確認し、4月以降の闘いに向けて団結ガンバロー【3月31日 大阪市】)
橋下・維新の会の新自由主義攻撃・教育の民営化を打ち破る卒業式闘争が勝利しました。卒業式闘争の歴史的勝利を打ち固め、4月からの闘いに攻勢的に打って出るために、関西労組交流センターは3月31日、大阪市内で緊急集会を開催しました。労働者・学生60人が結集し、勝利感と解放感があふれて大成功しました。
基調報告をした教育労働者は、1〜3月の勝利を「新自由主義に対して絶対反対で闘い、階級的団結の拡大を実現して、責任勢力への飛躍を成し遂げ、圧倒的な勝利を切り開いた。階級闘争の焦点において権力や体制内指導部の弾圧や制動・分断を打ち破って前進し、それぞれの仲間が自らの職場で新自由主義との闘いの具体的実践を開始した」と鮮明に提起しました。そして橋下・道州制攻撃直下の大阪で、卒業式での不起立を貫いた教育労働者の闘いを「渾身(こんしん)の決起が、ただちに歴史を動かす新しい情勢を生み、巨大な情勢を切り開くことを、目の当たりにさせてくれた」と総括しました。
卒業式を不起立で闘った大阪の教育労働者4人が、確信に満ちた報告を行いました。「不起立をどういうものとして闘うのか、仲間と討議して決起した。それは学校選択制・統廃合・首切りと続く、教育破壊・労働組合破壊攻撃との激突だ。新自由主義と闘う労働組合をつくる。その意義を確信して分会での討論を軸に闘った。『勝った!』と実感している」「『職場が混乱する』『これまで守ってきた既得権が脅かされる』などの意見も出たが、『嵐が過ぎ去るのを頭を下げてやり過ごしてもだめ。これはみんなの問題だ』と訴えて絶対反対で闘った」「体制内執行部はなりふり構わず『不起立やめろ』の悲鳴を上げたが、職員会議で『不起立するな』と大合唱して断念させようとした管理職や体制内執行部の思惑を吹き飛ばした」「『教育破壊、労働組合破壊とどう闘うのか?』という提起に職場の仲間が共感してくれた」と勝利感に満ちてにこやかに報告しました。
大阪と奈良の自治体青年労働者、八尾北医療センター労組の末光道正さん、関西合同労組、全学連が職場・地域での闘いを報告しました。
橋下・道州制攻撃は教育労働者・自治体労働者に対する数千人・数万人規模の処分・解雇攻撃です。国鉄分割・民営化型の大量処分・解雇攻撃が襲いかかっています。3月卒業式ではこの数万人の労働者の怒りと結合し、日教組をよみがえらせる画期的な地平をつくり出しました。この最先頭に労組交流センターの労働者が立ちました。処分・解雇を絶対に許さずともに闘おう!
(関西・I)
東京「日の丸・君が代」闘争
根絶攻撃を打ち破って 9年目の不起立貫く
東京では、卒・入学式の「君が代」斉唱時に起立と斉唱を命じた2003年「10・23都教委通達」から9年目の卒業式で教育労働者の堂々たる不起立闘争が貫かれた。 東京都教育委員会は3月29日、卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対し不起立した教育・・・
都教委は減給や停職を出せなくなったので、僕らを研修攻めでいじめようとしています。しかしその程度だったらどうぞご自由にって感じです。
職場の人には「どうして立たないの?」と聞かれます。私は両親から戦争体験や戦後の食糧難の話を聞いて育った。教員の先輩たちも憲法と教育基本法を大事にして、戦争を繰り返さないために頑張ってきた。国家に忠誠を誓わせる「君が代」起立・斉唱はやりたくない。それで処分されても、研修ぐらいなら、食糧難や徴兵よりははるかに軽い。「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを引き継ぎ、できることをやっていきたい。
職場の人から「起立できないなら、式場外の仕事にするように校長に持ちかけようか」と言われたが、「不起立することは私自身の大切な教育活動。私の教育の機会を奪わないでください」と話して、式場に入って不起立しました。
不起立したことで、卒業生の親や同僚、また在校生からも「ありがとう」という声が届きました。うれしかった。
「日の丸・君が代」反対の闘いを支援してくれる人は少なくないと感じられて、都教委が減給処分を出せなかったことと合わせて、大きな希望の光だと思っています。
2012年3月26日発行 第2529号
“反原発闘争の先頭に”
日教組臨大 労組交流センターが訴え
3月22日、日教組第100回臨時大会が東京・日本教育会館で開催された。原発再稼働へ突き進む野田政権の打倒へ総力を挙げて闘うべき時を迎えた今、まったく逆に、日教組本部は民主党幹事長の輿石東(こしいしあずま)を来賓に招き、野田政権との・・・
3月22日、日教組第100回臨時大会が東京・日本教育会館で開催された。原発再稼働へ突き進む野田政権の打倒へ総力を挙げて闘うべき時を迎えた今、まったく逆に、日教組本部は民主党幹事長の輿石東(こしいしあずま)を来賓に招き、野田政権との蜜月ぶりをアピールする始末だった。
全国労組交流センター教育労働者部会は会場前に登場し(写真)「反原発闘争の先頭に立ち新自由主義と対決する教育労働運動を! 民営化と労働組合つぶしの先兵、橋下を倒そう」と訴えた。
2012年2月13日発行 第2523号
福島県教組と団結し全国の教育労働者は3・11福島へ
闘う日教組運動を奪い返そう
革共同教育労働者委員会
2012年、日教組運動を現場組合員の手に奪い返す重大な決戦の時が到来した。最大の焦点は、再稼働を許さず全原発の廃炉を実現する反原発闘争と、教育労働者の首切り・賃下げ・教育の民営化攻撃を全面的に推し進めようとする大阪維新の会・橋下との闘いで・・・
世界大恐慌はアメリカ帝国主義の没落、EUの解体、日本帝国主義の脱落、中国バブル経済の瓦解(がかい)へと進展している。1974〜75年恐慌以後、利潤追求をすべてに優先させる新自由主義が登場した。そして1980年代以来の新自由主義の満展開で蓄積した矛盾を大恐慌として爆発させ破産した。脱落帝国主義となった日本帝国主義は、「復興特区」・原発再稼働・輸出攻撃など、なんの勝算もない破産した新自由主義に突進している。
大阪市長・橋下と大阪維新の会は「関西広域連合・大阪都構想」という道州制・民営化を掲げて登場した。危機にのたうつ資本家階級の最後の延命策=新自由主義攻撃の先兵だ。だがその新自由主義はすでに破産しているのだ。橋下・維新の会は、民主党・野田政権となんら変わらない資本家階級の利害の代弁者だ!
9割の労働者を非正規化し、低賃金で「解雇のやりたい放題」にする。こんなことが許せるか! 労働者は生き抜くために競争・分断を拒否し、階級的に団結してこの攻撃に立ち向かう。だから新自由主義攻撃の中心に労働組合つぶしと労働者の団結破壊がある。核心は労働組合をめぐる階級決戦だ。
資本家階級は、80年代の国鉄分割・民営化攻撃で国鉄労働運動を根絶しようとした。この大攻撃に対して、国労本部は闘わずに嵐の過ぎ去るのを待とうとした。その結果、20万人の国鉄労働者が職場を去り、200人もが自殺に追い込まれた。しかし動労千葉が組織の存亡をかけてストライキで闘ったことによって、国労も残り、1047名の労働者が解雇撤回闘争に立ち上がった。そして動労千葉の闘いは今、世界中の新自由主義と闘う労働組合の国際連帯の軸になっている。
労働者階級は総評・連合の労組幹部の屈服をのりこえて、新自由主義の労組破壊攻撃と闘い抜いてきた。資本主義社会は労働組合を根絶できないまま世界大恐慌に突入した。エジプトでは労働者階級が労働組合を軸として革命を起こした。ギリシャでは公務員労働者を中心としてゼネストが起こり、政権が崩壊した。資本主義の崩壊、国家財政の破綻に資本家階級はどうしようもない危機を迎えている。
昨年12月に「事故収束」を宣言した野田政権は、原発再稼働・原発輸出へと突進している。原子力安全・保安院は大飯原発3・4号機のストレステストを妥当と判断、4月に稼働原発がゼロとなる前に1基でも動かそうと躍起となっている。
何が事故収束か。高濃度汚染水が連日のように漏れ出し、2号機の原子炉の温度が急上昇している。にもかかわらず野田政権は4月から年20㍉シーベルト未満の地域の避難区域指定を解除し、高線量の汚染地域で小・中学校を再開して子どもたちに帰還を促そうとしている。まさに国家による殺人行為以外の何物でもない。
こうした中で福島県教組は、深刻な放射線被曝の現実やデタラメな人事異動に立ち向かいながら、原発即時停止・廃止の闘いの先頭に立っている。1月28日から富山市で開催された日教組全国教研集会では、全分科会にレポーターを送り、フクシマの怒りを無視し、原発を正当化する政府・文科省弾劾を訴えた。全体会での中村委員長あいさつには「反原発」の一言もなかった。しかしほとんどの分科会で”福島県教組と連帯して放射能から子どもたちを守ろう”ということが共通のテーマとなった。さらに闘う日教組にこそ誇りと希望を見いだし、本部の制動をはねのけて決起する青年労働者が登場している。
「放射能安全」教育を拒否し、子どもたちを放射能から守る闘いを職場からつくり出し、反原発闘争に総決起しよう。ここにこそ、闘う労働組合を甦(よみがえ)らせる闘いの環がある。
「原発いらない!3・11福島県民大集会」に全国から総結集しよう。郡山市の開成山球場を林立する組合旗で埋め尽くそう。
大阪の「『君が代』起立条例」「職員基本条例」「教育基本条例」がいかに狡猾(こうかつ)で激しく見えようと、危機にのたうち回っているのは資本家階級であり、野田政権であり、関西財界=橋下・維新の会の側なのだ。このことに圧倒的な確信を持とう!
橋下は、地下鉄・バス、清掃、幼稚園、保育所などの民営化攻撃を矢継ぎ早に繰り出してきている。「公の施設で政治活動をしているのは問題だ」として、市庁舎からの労組事務所の退去を通告した。体制内労組幹部がどんなに腰をかがめて屈服しても、労組破壊・解雇と非正規化・民営化を進めるということだ。
橋下に群がるブレーンたちは、「教育特区」「教育バウチャー制度」などによって、教育も全面的に民営化しようとしている。かつての「同和教育推進校」2校を小中一貫の「スーパー特進校」として、大阪市全域から通学できるようにし、教育の民営化の突破口にしようとしている。その発想は西郡で地区内の桂小・中学校を統廃合し更地化する特区攻撃とまったく同じで、教育労働運動・解放運動つぶしの狙いに貫かれている。
アメリカでは教育の民営化により何が起こってきたのか? 民営化に群がる教育産業が利潤追求のために公教育を破壊してきたのだ。
05年夏にアメリカ南東部を襲ったハリケーン・カトリーナの被災地では、「復興特区」の名のもとに公立学校が次々民営化され、7千人もの教育労働者が解雇された。
こうした攻撃に対しカリフォルニア州の教職員組合・UTLA(ロサンゼルス統一教組)は、財政破綻の責任を労働者に転嫁することを許さず、名指しの教員たたきに団結して反撃し、組合つぶしに立ち向かっている。
日本でも「自由化」「多様化」の美名のもとに教育の民営化が進められてきた。現場労働者とりわけ青年労働者の多忙化は耐え難いものとなり、病気・過労死が続出しているではないか。
学校選択制、教育バウチャー制、評価システムは教育民営化の柱だ。橋下は、公立学校の定員割れを意図的につくり出し、統廃合、民営化を進め、「組織改廃による分限免職」=公務員整理解雇を進めようとしているのだ。
現場労働者は、組合ダラ幹のぶざまな姿に腹の底から怒っている。橋下は教育の民営化を推進するために「私立小・中学校に子どもを通わせている市職員や教員の割合を調べるように」と市教委に求めた。なんとその翌日に現場の管理職は学校職場の教育労働者に報告を命じて、調査をしようとした。しかし現場労働者は黙っていなかった。「こんなものに応じてられるか!」がその返事だった。ちなみに、攻撃の材料にしようという橋下の想定は”はずれた”と報道されている。
職場は闘いの機運に満ちている。橋下よ、労働者を甘く見るな! 労働者階級が団結した力のすさまじさを思い知るがいい!
教育労働者が動労千葉のような闘いに立ち上がる時がついに来たのだ。労働現場を動かしているのは労働者だ! それが橋下・維新の会の道州制・民営化攻撃と闘って勝利できる最深の根拠だ。問題は「労働者が分断をはね返して階級的に団結できるのか?」「職場から闘いを開始し労働組合を甦らせることができるのか?」にかかっている。
今困っていること、腹の立つこと、現場で起こっていることすべてが新自由主義攻撃だ。一人の抵抗が職場の労働者の団結をつくり出し、団結を守り抜いた時、新自由主義の攻撃は破産する。
職場からの反撃こそが橋下を打倒する力なのだ。闘いは力強く開始されている!
一つひとつの闘いを総括し、討論して、新自由主義攻撃の本質を見据え、職場・分会で討論を始めよう。討論の開始は闘いの始まりだ。分会会議を定例化させ、職場分会を甦らせよう。抵抗・反撃をとおして職場で階級的団結をつくり出そう。
私たち教育労働者は1999年の「国旗・国歌法」の制定以来、卒・入学式における「日の丸・君が代」不起立闘争を全力で闘いぬいてきた。東京の不起立闘争は、03年「10・23都教委通達」以来、8年にわたって不屈に継続されている。
1月16日に出された最高裁判決は、団結破壊のための分断・圧殺攻撃だ。これを受けて橋下は「ルールを守らない公務員が処分されるのは当然と決めていただいた。職場の規律を乱す公務員を処分するのは当然」と加重処分を開き直った。不起立者に「指導研修」を強制し、反省しなければ現場復帰を認めないというのだ。
「『君が代』起立条例」「職員基本条例」「教育基本条例」の核心も、職場の団結と抵抗の解体、労組破壊にある。だが、転向強要研修も累積加重による免職も、根津さんを先頭とする東京の不起立闘争の爆発によって打ち破られてきたものだ。最高裁判決は、職場における闘いの爆発への恐怖の表れである。
2月3日に大阪市で開かれた「八尾北・西郡決戦勝利!道州制粉砕・橋下打倒!2・3集会」で、教育労働者は意気高く「不起立を貫く」と宣言した。不起立闘争は新自由主義との最先端の闘い・階級的団結の軸として力を発揮する時が来た。今こそ労働組合を甦らせるために闘おう。
橋下の登場は、労働者階級を先頭に新自由主義攻撃と全面的・根底的に対決して勝利していく闘いの構図をいよいよ鮮明にした。
大阪では、八尾北医療センターへの民営化攻撃と部落解放運動の拠点・西郡に対する住宅明け渡し攻撃が、激突局面に突入している。
国鉄分割・民営化攻撃と同じ時期に、部落解放闘争を根絶するための地対協路線が登場し、その攻撃が八尾北と西郡にかけられた。医療センター民営化・住宅明け渡し・更地化の攻撃は、労働者階級にかけられた国鉄分割・民営化攻撃と一体の新自由主義攻撃なのである。
八尾北医療センターには民営化・明け渡し攻撃に立ち向かう労働組合の団結がある。部落解放を闘ってきた西郡支部と団結して闘い、その中でつくりあげてきた階級的団結がある。西郡支部には、住宅明け渡し・更地化(=特区攻撃)を拒否して闘い続けてきた住民の団結がある。八尾北・西郡は新自由主義攻撃と闘い抜いてきた階級的拠点だ。この闘いを通して青年の決起が始まっている。
八尾北・西郡の闘いこそ橋下・維新の会の道州制・民営化、労組破壊攻撃との最大の闘いである。「復興特区」攻撃と対決する被災地の闘いと並ぶ新自由主義・道州制攻撃との決戦場である。国鉄闘争、八尾北・西郡闘争、被災地の闘いは、新自由主義を打ち破り、階級的労働運動を甦らせる最前線なのだ。われわれはかけがえのない革命の拠点をすでに手中にしている。
私たち教育労働者委員会は、地区党と一体となった産別委員会での討論によって、職場で起こるあらゆる問題を新自由主義の攻撃ととらえ、闘いを開始する。その闘いの中で、現場指導部、何よりも青年労働者指導部を建設し、労組拠点を築いていくのだ。
あくまでも職場での闘いにこだわり、職場・分会で階級的団結を奪い返す闘いを貫こう。今こそ拠点建設と組合権力の奪取に向かって真っ向から闘う時だ。
こうした闘いを全国の職場で開始することが福島県教組と連帯する道だ。労働者が階級的団結を奪い返して、資本家どもを打倒しなければならない。そのためにも、分会の団結を土台にして「日の丸・君が代」不起立闘争に全力で立ち上がろう。
2・15国鉄闘争全国運動集会に集まろう! 3・18八尾北・西郡決戦に全国から駆けつけよう! 3・11に結集し、復興特区攻撃粉砕、全原発の廃炉・再稼働阻止へ、福島県教組と固く団結して闘っていこう!
東京「君が代」不起立闘争 1・16最高裁判決弾劾する
新自由主義攻撃と対決し福島県教組と連帯し闘う
全国労組交流センター・教育労働者部会
全国労組交流センター教育労働者部会が2月4日、東京「君が代」不起立闘争に対する1・16最高裁判決を弾劾する声明を発した。さらに職場から闘いを継続・拡大しよう。(編集局)●1・16最高裁判決は政治的な分断攻撃だ 最高裁は1月16日、東京の「・・・
2012年2月 6日発行 第2522号
教研集会 “福島県教組と連帯”
教育労働者部会が訴え
(写真 「福島県教組と連帯し3・11郡山へ」の横断幕を掲げビラまき【1月28日 富山市】) 日教組第61次教育研究全国集会が1月28〜30日、富山市で開催された。今次教研集会は、野田政権の原発再稼働と対決し、日教・・・
(写真 「福島県教組と連帯し3・11郡山へ」の横断幕を掲げビラまき【1月28日 富山市】)
日教組第61次教育研究全国集会が1月28〜30日、富山市で開催された。今次教研集会は、野田政権の原発再稼働と対決し、日教組本部の制動を突き破って現場から3・11福島現地闘争への総決起をつくりだしていく決定的な場となった。
福島県教組は3・11福島集会へ全力だ。昨年12月には、文科省の放射線副読本を「フクシマの苦しみを無視し原発を正当化している」と断罪する見解を表明、教研集会でも各分科会で原発事故に関する報告を行った。
この決起と連帯して、全国労組交流センター教育労働者部会は富山現地で3・11福島集会への結集を呼びかけた。
日教組本部は、警察権力とともに全体会場をフェンスで囲み、IDカードを持っていない組合員を排除し反原発のビラもまかせない暴挙に出た。
だが、こうした本部の妨害をはねのけ28日早朝、吹雪の中、宿舎から全体会場に向かうバス乗り場で、3・11福島集会と橋下打倒を訴えるビラを次々と手渡した。
午後からの分科会会場前でも、横断幕を掲げビラをまき、反原発の署名を集め、福島県教組の組合員とも交歓、3・11集会での再会を約束した。
分科会は726本のうち77本が大震災と原発事故関連の報告であった。子どもたちを放射能から守るという思いがほとばしる熱い議論も交わされた。「原発も基地も職場の多忙化攻撃も同じ問題だ」と福島との連帯についても語られた。
しかし、全体会の中村譲委員長のあいさつには3・11福島集会もなければ、文科省の「放射線安全教育」への批判もない。橋下大阪市長への言及もゼロ。全体会では平野文科相の祝辞も読み上げられ、大雪で到着できなかったが原発推進の古賀連合会長を来賓に呼ぶありさまだ。日教組本部は職場と子どもたちを守るのではなく野田政権と連合を守っているのだ。
現場から闘う日教組をよみがえらせ、3・11福島集会に総結集しよう。
「フクシマの子どもたちを放射能から守れ!」が最大のテーマとして押し上げられていた。
討論を進めていくと、福島原発事故後の教育とはいかにあるべきかという課題にストレートに突き当たってくる。子どもたちにいったい何を教えるのか、子どもたちといかなる関係を築き上げていくのか----教育の根本的な課題が、すべての実践から始まる討議の中で出てくるのだ!
ある教育労働者が言った。「福島から避難した生徒の前で原発の事故や放射能の危険性を言うのはつらい」。すると別の教育労働者が言う。「本当に子どもたちを守りたい! この数カ月間、そのために頑張ってきた」。さらに発言が続く。「福島県教組とさらに強く団結しよう! 私たち日教組ができることは何だってしよう!」
全国から集まった教育労働者が思いを一つにした瞬間だった。団結とはこういうことなのだ!
このような思いを決議・方針化し、運動したい。
2012年1月23日発行 第2520号
「君が代」処分最高裁判決 分断判決を弾劾する
不起立闘争つぶしを許すな
(写真 報告集会で不当な分断判決を弾劾する根津さん。左端は河原井さん【1月16日 社会文化会館】) 根津さん上告棄却 最高裁で1月16日、「日の丸・君が代」不起立闘争を闘いぬいた東京の教育労働者171人に対す・・・
(写真 報告集会で不当な分断判決を弾劾する根津さん。左端は河原井さん【1月16日 社会文化会館】)
最高裁で1月16日、「日の丸・君が代」不起立闘争を闘いぬいた東京の教育労働者171人に対する反動判決が下された。06年3月卒業式の不起立を理由に根津公子さんが停職3カ月、河原井純子さんが停職1カ月の処分を受けた件と、03年度周年行事・04年3〜4月の卒・入学式で小・中・都立校の教育労働者169人が不起立・不伴奏で処分された件(うち1人は減給1カ月、残りは戒告)で、処分取り消しと損害賠償を求めた訴訟の上告審判決である。
最高裁は昨年5〜7月、03年「10・23都教委通達」、起立・斉唱を命じた職務命令、嘱託不合格などをすべて合憲とする判断を下している。今回はその合憲判決を前提に、戒告・減給・停職と累積加重される処分が都教委の裁量権を超えるかどうかという点に限って判断を下したものだ。
判決は、不起立で戒告処分を受けた168人については処分を取り消した高裁判決を破棄して容認。他方、河原井さんの停職1カ月、1人の減給1カ月については「裁量権を超えて違法」とし、処分を取り消した。ところが根津さんの停職3カ月については上告を棄却して処分を容認した。許しがたい分断攻撃だ。
なぜ根津さんの停職処分は取り消されなかったのか。根津さんが過去に不起立以外にも処分を受けていることを列挙し、これらが「積極的に式典や研修の進行を妨害する行為にかかるものである」ことがその理由だ。
判決が非難した根津さんの行為は教育への不当な支配に抗した職場闘争だ。また05年の不起立で処分された後、同年7月の「再発防止研修」という名の被処分者に転向を迫る研修に対して、他の被処分者とともに抗議のゼッケンをつけて臨んだ件だ。いずれも教育労働者として絶対に譲れない当然の行動ばかりだ。
根津さんは累積処分で「最後は解雇」という恫喝をも突き破って「絶対反対」を貫いて不起立闘争の先頭で闘ってきた。そのことで全国の教育労働者の闘いを牽引(けんいん)し、階級的団結を拡大する闘いの中心に立ってきた。今回の判決の核心は、この闘いへの支配階級の憎悪と恐怖である。
他方で判決は停職・減給取り消しの理由として不起立を「積極的に式典の進行を妨害する内容の非違行為」でないと記した。”裁判所が許容する枠内にとどまれ”とする反動的意図に満ちた判決に、被処分者から「不起立闘争の意義をおとしめるものだ」という怒りの声も上がっている。
また、戒告処分を取り消した東京高裁判決を覆したことも絶対に許せない。そもそも不起立を理由とした処分自体が絶対許されないものである。
判決後、「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」の報告集会が社会文化会館で行われた。根津さん、河原井さんが発言し(要旨別掲)、今後も闘いぬく決意を述べた。
不起立闘争の勝敗は法廷では決まらない。実際、大阪市長・橋下は今回の判決を受けてなお、「不起立3回で免職」とする教育基本条例案を転向強要研修を付け加えて制定しようとしている。東京で転向強要研修を打ち破ったのも「君が代」解雇を阻んだのも職場からの実力闘争だ。勝負は職場だ。原発絶対反対、子どもの命を守る闘いと一体で今春卒・入学式でも不起立を拡大しよう。その力ですべての処分撤回、10・23通達撤回をかちとろう。大阪の教育基本条例をうち砕こう。
■根津公子さん
まさに政治的判決です。でも私がターゲットにされたことにより、「いくらなんでも停職はだめ」という原則がつくられた。ここまで不起立を続ける人がいなかったら、停職処分は取り消されませんでした。
私の上告棄却の理由は「お前はこれまでもいくつも処分を受けて、反省してない」ということ。しかしその何件ものことも「君が代」不起立も、教員として子どもたちに対してどうあるべきか、その一点においての行為です。私にとってはまったく同じことです。
都教委は04年に「不起立3回でクビ」と言っていた。私は08年には「確実にクビにされる」と思っていた。しかし結局私をクビにできなかった。今日の判決もその中で出たものだと思います。
■河原井純子さん
判決の旗出しは、絶対開きたくなかった「分断判決弾劾」の旗になってしまいました。しかし「停職は違法」という判決が、現場の教員にどれだけ勇気を与え、背中を押したことか。大阪の教育基本条例への歯止めにもなると思います。
分断判決は許せませんが、どんな全面敗訴も、私たちが学校現場や地域で抵抗を絶やさなければ怖くない。逆に全面勝訴も、現場・地域で具現化しなければただの紙切れです。これからも私は「頑張らない、あきらめない、楽しみたい、つながりたい」で行きます。
2011年12月19日発行 第2517号
非正規職の激増許すな
教育の民営化と対決して第2の動労千葉をつくる
2011年3・11は情勢を一変させた。労働者が生きぬくこと、そして子どもたちの命を守ることが革命の要求となった。労働組合がこの闘いの中軸に座った時、革命が必ずや手繰り寄せられる。革共同教育労働者委員会は、その巨大な飛躍に向けて、11・6全・・・
国鉄1047名解雇撤回闘争の絶滅を狙った昨年4・9「政治和解」、「復興」運動に労働組合を丸ごと取り込む大攻撃の中で、われわれは職場から闘う労働組合をよみがえらせ、階級的労働運動の生きた姿を登場させようと挑戦してきた。
「外注化阻止・偽装請負弾劾」の闘いで外注化を阻む動労千葉、被曝労働をストライキで粉砕した動労水戸の決起を先頭に、全国の職場生産点でこれに続く闘いを始めたことが決定的だ。
また福島県教組を先頭に全国の教労職場で文科省「20㍉シーベルト基準」撤回の闘いを切り開いてきた。そして9・19の6万人決起を福島県教組の仲間と一つになって闘いぬき、9月23日の「フクシマと全国をむすぶ教育労働者全国交流集会」で団結を固め、2012年への巨大な可能性を切り開いた。
福島の怒りをわがものとし、動労千葉の反合・運転保安闘争に学び、具体的な職場闘争と団結をつくり出すことこそ教育労働運動の再生の道だ。
それは絶対にできる! 関西A教組の「講師解雇撤回・試験制度撤廃」闘争は、教労産別における「外注化阻止、非正規職撤廃闘争」だ。新自由主義と対決する時代認識と路線を、組合内の激しい討論を経て労働組合の現場方針にまで高めた時、国鉄闘争全国運動、11・6集会への合流がかちとられていった。非正規職撤廃の長期強靭(きょうじん)な闘いが、ついに現場労働者の階級性をみなぎらせた決起をも引き出している。これが生きたマルクス主義だ。最大の原動力は中央委員会と労働者細胞、地方委員会・地区党・産別委員会と現場細胞の徹底した路線的一致であった。
この闘いは、労働者が労働組合のもとに団結して資本・当局との非和解的闘いを開始した時、一人ひとりの労働者の素晴らしい力と可能性を引き出し、闘いが団結を生み出し、団結が闘いを生み出すことを、実践を通じて示した。
2012年、この闘いを全国で展開し、職場(分会)・単組権力に挑戦し、階級的労働運動路線を体現する拠点建設へと本格的に踏みだそう。
大阪ダブル選挙は「維新の会」の圧勝となり、橋下が府・市の権力を掌握した。橋下は破綻した新自由主義の絶望的凶暴化の先兵であり、「大阪都構想」は、「府市統合」と現業部門の全面民営化によって公務員労働運動の解体を狙う道州制—360万人首切り攻撃の突破口だ。「職員基本条例・教育基本条例」の最大の狙いは民営化による公務員「整理解雇」の合法化にある。
橋下は私学助成を大幅カットして私学の非正規化を促進する一方、私立高校の授業料を無償化して府立高校の定員割れを意図的につくり出してきた。教育基本条例は「学力テストの結果公表」「学校区制度の撤廃」「定員割れした高校の統廃合・民営化」「組織改廃に伴う分限免職」「民営化の際の選別再雇用」など、市場原理で教育の民営化と首切りを進める新自由主義教育改革の装置だ。「君が代」起立強制条例と一体の「職務命令違反3回でクビ」条項は、その切っ先に位置づけられている。
2012年は大阪の2条例との攻防を最大の焦点に「公務員制度改革」「教育の民営化」攻撃との決戦的激突の年となった。橋下への怒りを平松支持や教育委員の尻押し運動にねじ曲げる既成指導部をぶっ飛ばし、労働者の誇りにかけ階級の普遍的利害のために闘う労働組合を取り戻すことこそわれわれの回答だ。
支配階級への信用の完全な失墜と労働者階級の意識の大流動化は、職場から階級的労働運動をつくり出した時、資本主義を根底的に変革できることを示している。現在のために未来を売り渡す資本家階級に対して、現在の闘いから未来を主体的に奪い返そう。その主役こそ青年教育労働者だ。
新自由主義は学校と教育を根本的に破壊しながら、教育労働者への分断と支配を強めている。これらの攻撃の中で、非正規労働者には火のような怒りが沸きたっている。この怒りと結びつくならば非正規職撤廃・教育の民営化阻止の闘いを学校現場からつくり出せる時が来ている。
今こそ教育労働運動の誇りある全歴史を継承し、労働者としての誇りをかけて教育反動と真っ向から対決しよう。
福島でも解雇攻撃が始まろうとしている。福島県教委は大震災後の5月、早々と臨時的任用教員に任用継続見送りを通知する文書を発した。事実上の解雇通告だ。震災直後から非正規労働者も正規労働者とまったく同じように避難所の運営の先頭に立った。兼務発令も同等に行われた。しかし県教委は「兼務解消」と言いながら、非正規労働者の兼務は解消せず、県行政の矛盾を集中させ、揚げ句の果てに首を切ろうとしている。
今年3月に発表された文科省統計では、公立小中学校の教員のうち非正規教員は10万8985人で過去最多。文科省統計ですら6人に1人が非正規教員だ。現実には定数内非正規や自治体雇用の非正規教員も多く、実態はさらにすさまじい。
それだけではない。今や学校そのものが解体され尽くされようとしている。学校用務員、給食調理員、事務職員などの職種が全国で次々と外注化・民間委託化されている。神奈川県開成町ではNPO法人と契約を結び教員を派遣する”契約先生”の導入も始まった。それぞれの職種を非正規化し、3カ月などの短期雇用契約を繰り返した揚げ句、雇用契約を更新せず解雇するそのやり方は、悪徳資本・鈴コンとまったく同じだ。
国家公務員賃金の7・8%削減攻撃に続き、義務教育費国庫負担金の同率削減の動きも始まった。また被災児童・生徒の転校に伴う「定数加配」もそれぞれの自治体が非正規教員で対応している。04年の総額裁量制の導入を背景に、これらすべてが非正規化に向かう大攻撃だ。大震災すら非正規化のテコとする政府や文科省を許すな。病気休職の6割、病気退職の5割が精神疾患——こんな異様な職場がどこにある! 人事評価制度による職場の分断の上に、大量の非正規化で、未来を生み出すはずの教育労働者自身の命が奪われているのだ。今こそ、この怒りに火をつける時だ。
既成の価値観の根底的動揺の中で、教育政策や教育実践そのものが根本から問い直されなければならない。しかも新自由主義の最末期の教育政策は、子どもたちを見殺しにしてでも体制を維持しようとする。福島県下の36万人の子どもたちが未曽有の放射能被曝によって将来を奪われているこの時に、それが放置され、あろうことか「放射能は安全」という教育がまかり通っていいのか!
学校現場では今、ICT(情報通信技術)教育や、「学校の情報化」など教育過程と教職員管理へのコンピューター導入が進行している。これらは韓国のように児童・生徒の成績などを国家が一元管理することを狙い、新教育基本法体制のもとに教育労働者を支配し、労働組合を解体する大攻撃だ。
毎日新聞で大論争を起こした「原発は危険だと教えられたことはない」という子どもたちの声に真剣に向き合わなければならない。職場闘争と教育闘争を放棄した日教組本部は、ついに日々教え子を戦場に送っているのだ。教育労働運動の原点と「日の丸・君が代」闘争の全蓄積をかけた実践で日教組本部を打倒し、子どもたちを守りぬくために労働者と労働組合は立ち上がろう。
2012年を教育労働運動の大飛躍の年にしよう。全国の職場から「職場の団結こそ労働組合だ」という闘いをつくり出し、労組拠点を次々に打ち立てよう。
〔革共同教育労働者委員会〕
2011年11月 7日発行 第2511号
控訴審でも勝ったぞ
東京・大嶽さん 業績評価裁判
(写真 控訴審闘争で再び勝利判決をかちとった大嶽さん【中央】【10月26日 東京】) 世田谷区立小学校に勤める大嶽昇一さん(東京教組)が、不当な業績評価で定期昇給を延期されたとして、東京都と世田谷区を相手取った「・・・
(写真 控訴審闘争で再び勝利判決をかちとった大嶽さん【中央】【10月26日 東京】)
世田谷区立小学校に勤める大嶽昇一さん(東京教組)が、不当な業績評価で定期昇給を延期されたとして、東京都と世田谷区を相手取った「業績評価裁判」の控訴審で10月26日、一審に続いて勝訴しました。東京高裁はあらためて「公正評価義務違反」を認め、大嶽さんの不服申し立てを棄却した東京都人事委員会の判定を「裁量権の濫用又は逸脱の違法がある」として取り消しました。
大嶽さんは7年越しの闘いを振り返って次のように述べています。「最初は教師としての誇りを傷つけられたことへの個人的な怒りから始まった闘いでした。しかし世田谷区立三浦健康学園(2004年度まで大嶽さんが勤務。この04年度に不当にC評価を受けた)から世田谷区内の小学校に戻って痛感したことは、業績評価制度の導入が教育現場を一変させたということでした。仲間に支えられて闘う中で『私個人の問題ではない。子どもたちのために、そして現場で必死に働いている仲間、特に若い仲間が希望を持って生き生きと働けるために、自分の闘いをやり抜くことが必要なんだ』という確信をつかんでいきました」
控訴審の最終意見陳述では次のように訴えました。「①業績評価は働く者同士を分断する。教育現場の協働・共同と団結を破壊し、組合を解体し、殺伐とした教育環境をもたらした。とりわけ賃金にリンクさせられるようになって、ますます職場に競争原理がもたらされた。②業績評価は職階制度の導入とあいまって、教育現場にトップダウンの管理系統をもたらした。教育労働者を『ものが言えない』ようにさせ、戦後培われてきた民主的な教育現場を破壊した。教員の創造的な教育活動を破壊した。『差別選別教育』を有無を言わせず担わせる踏み絵の役割を果たしている」
区への苦情申し出が却下され、都人事委への措置要求も審査・説明もなく棄却され、訴訟を提訴したのが08年3月でした。当初は弁護士と支援の仲間わずか数人からの出発でした。
しかし多忙を極める現職教員でありながら裁判を闘う大嶽さんの強靱(きょうじん)さは確実に支援者をつかんでいきました。回を重ねるごとに傍聴者が増え、特に10年5月に一審で勝訴して以降、全国の教育労働者から連帯が寄せられ、多くの支援者が集まりました。控訴審の傍聴は毎回満席。判決公判には80人が駆けつけました。
特筆すべきは、20代の若い同僚たちが大嶽さんの存在と闘いに揺さぶられ、平日の昼間に休暇をとって傍聴に来るようになったことです。
大嶽さんは「この闘いをとおして『仲間と団結して闘えば勝てる』と確信しました。今後は勝利判決を最大限生かして現場の闘いを呼びかけ、業績評価制度の撤廃まで闘う決意です」と決意を固めています。大阪の教育基本条例案に示されるように、今や業績評価は賃金リンクを越えて首切りの選別基準にされようとしています。すべての労働者は大嶽さんとともに業績評価制度の撤廃へ闘おう。
(東京西部 S)
2011年10月24日発行 第2509号
分断される被災地の教育労働者
労働組合の団結よみがえらせ職場と子どもたち守りぬこう
11・6労働者集会は、反原発・非正規職撤廃を軸に、新自由主義に対するあらゆる怒りを一つに束ね、体制変革への突破口を押し開く闘いだ。10・10NAZENフクシマ結成集会は、労働組合を軸にして全人民の怒りを結集し、再稼働絶対反対・全原発廃炉へ・・・
3・11大震災—原発大事故以降、福島の教育現場は一変した。福島県では、小中学生だけで2万人近くの児童・生徒が県内外へ転校した。県外に避難・転校した小中学生は8753人、県内での転校は5217人に上る。これとは別に元の学校に籍を置きながら別の学校に通う区域外通学が5006人だ(8月中旬、福島県教委まとめ)。原発から20㌔圏内の警戒区域である富岡町では、事故前にいた約1400人の児童・生徒が、なんと700校にバラバラにされたのだ。
原発事故は子どもたちだけではなく、教育労働者の労働環境も徹底的に破壊した。4月、県教委は警戒区域や緊急時避難準備区域の学校を休業にし、そこで働いていた教育労働者に兼務発令(下注1)を強行した。これによって何が起きたか?
原発30㌔圏内に丸ごと入った福島県教組双葉支部の組合員は、150校もの学校にバラバラに配置された。県内各地に1人、あるいは2人だけポツンと配置され、職場の団結は完全に解体された。それだけではない。片道100㌔という超長距離通勤や、勤務のために家族と離れ離れになった教育労働者も少なくなかった。
さらに県教委は、30㌔圏内の高校のサテライト方針(下注2)を一方的に強行した。区域内にあった高校の教育労働者は南相馬市から会津へ避難し、そこからサテライト校のある福島市へ通勤している。片道80㌔だ。それだけではない。週2日の部活指導や会議のために、授業が終わってからサテライト本校が置かれている相馬まで通っている。1カ月の走行距離は5千㌔にもなるという。
こんな労働環境に教育労働者をたたき込んだのは、県教委の一方的な兼務発令、高校のサテライト方針である。その上、8月にはこれまた一方的な兼務解除と人事異動を強行し、サテライト校の集約化によって、教育現場を混乱させ、労働者へのさらなる労働強化を強制しようとしている。県教委の狙いは一貫している。職場そのものをなくすことで職場の団結、組合の団結を徹底的に解体することだ。
これが「福島県内は戦争状態」(福島県教組臨時中央委員会決議)でなくて何だろうか。起きていることは階級戦争そのものだ。福島県教組の仲間は「非常事態」を逆テコにした組合解体攻撃、極限的な労働強化と闘い、組合の団結、労働者の団結を守るために立ち向かってきた。過酷な勤務形態からの変更を県教委に要求し、職場と子どもたちを守るために「20㍉シーベルト基準」撤回を文科省に突きつけて闘ってきた。
宮城県では3・11大震災によって1万人を超える死者・行方不明者が出た。最も被害が甚大だった石巻市(死者・行方不明者が約4千人)では、182人の児童・生徒、12人の教育労働者が死亡・行方不明になった。悲劇の象徴となっている同市の大川小学校では、全児童の約7割にあたる74人が死亡・行方不明となり、教育労働者も1人は辛うじて助かったものの、それ以外の10人が亡くなった。
宮城県沖地震が99%の確率で予測され、県や市町村ごとに防災計画が立てられ、毎月のように避難訓練が行われていた。にもかかわらず大事故が起きた。なぜか。
石巻市内で津波が押し寄せた小中学校は28校だが、同市の防災ハザードマップでは、1校を除いた27校は津波時の避難場所として「利用可」としていた。大川小学校も「利用可」だった。
別の小学校でも、児童を地震直後には校庭に集め、それから体育館に移動し、「大津波警報が出ている」という住民からの通報で大急ぎで子どもたちを4階建ての校舎にに避難させた。津波は校舎1階の天井付近まで迫った。校舎への避難がもう少し遅かったら大惨事になっていた。
つまり、大川小学校のようなことは、どの学校でも起きる可能性があったのだ。マスコミやブルジョア学者たちは、避難マニュアルを作っていなかったり、対応が遅れたりした学校現場の問題について、教育労働者に一切の責任を押しつけようとしている。絶対に許せない。
これらの大惨事を生みだした一切の原因は、国鉄分割・民営化以来、とりわけ小泉構造改革以来、激しく推し進められてきた新自由主義だ。新自由主義のもとで「安全・安心」などと言いながら、その実、自然災害に対する備えは「非効率」として切り捨てられてきた。「津波は想定外」では断じてない。原発と同じように、資本の悪らつな利潤追求のために、あえて危険を想定しなかっただけなのだ。
こんな新自由主義をまかり通らせた責任は労働組合の幹部にある。労働者の命が危険にさらされる現場で、子どもたちの命が守れるはずがない。大川小学校で10人の仲間の命が奪われたにもかかわらず、体制内労組執行部は資本・政府の責任を追及するどころか、何の見解も出していない。唯一生き残った教育労働者は病気休職に追い込まれている。こんな労働組合ではだめだ。資本だけでなく、労働組合によって労働者の命が奪われることなど、あってはならない。
しかし現場には、多くの仲間の犠牲を生み出してしまったことへの悔しさ、やり切れなさと格闘しながら、“もう二度とこんな事故を起こしてはならない”という怒りが広範に渦巻いている。大川小学校事故の責任をあいまいにせず、政府・資本の責任を徹底的に追及し、闘う教育労働運動を甦らせよう。
野田政権は原発事故がまったく収束していないにもかかわらず、原発再稼働のためだけに9月30日をもって緊急時避難準備区域を解除した。原発再稼働のために子どもや労働者に被曝を強制するというのだ。断じて許してはならない。
政府の一方的な解除を口実にして、福島県教委は元「区域」の学校を再開しようとしている。南相馬市では元「区域」にある12の市立小中学校のうち5校を17日に再開したが、全校の児童・生徒の6割が元の学校に戻らないままだ。その一方で、8月には兼務を解除し人事異動を強行した。ある中学校では40人の生徒の転校先に4人の教育労働者が兼務発令されていたが、8月人事で3人の兼務が解除され、元の学校に戻された。残った1人で40人の生徒を担当しなければならなくなった。しかも、その1人は非常勤講師だ。
福島県教委は、児童・生徒が県外への転校によって減ったために、教育労働者が「過員」であるとして、来年度の新卒採用を中止した。同時に、現在1500人ほどいる非常勤講師(ほとんどが青年労働者だ!)に対して、来年度の雇い止めをちらつかせている。非正規の講師を兼務に残し、年度末をもって兼務解除=講師雇い止めを狙っていることは明白だ。絶対に許してはならない。
そもそも教育現場の崩壊は大震災によって始まったわけではない。ずっと以前から、新自由主義による教育の民営化が教育現場を崩壊させてきたのだ。その行き着いた破局的現実が大震災と原発事故にほかならない。にもかかわらず野田政権は「復興」の名でさらに徹底した新自由主義を強行しようとしているのだ。
もはや新自由主義のもとでは、労働者も農民も漁民も生きていくことはできない。破綻した新自由主義を推進する以外に延命できない資本主義を打倒すること、社会体制を変革することがわれわれの生き抜く唯一の道だ。核心は労働組合を甦らせることだ。フクシマを始め被災地の怒りと一つになり、日比谷一帯を占拠する11・6労働者集会大結集を実現しよう!
(注1)兼務発令 警戒区域などにあった48校の小中学校は、臨時休業に追い込まれた。県教委は4月1日、「8月に人事異動をする」こととともに、「自校の子どもが転入している学校に兼務を命ずる。子どものケアを行うため、全県的視野での配置とする」という兼務発令を行った。労働者の生活状況など関係なく一方的に兼任校が決められ、近くに避難している児童・生徒のいる学校ではなく、自宅から遠く離れた学校への兼務を強いられた。
(注2)高校のサテライト方針 原発事故による避難指示により授業ができなくなった10高校を、県教委はサテライト(衛星)方式で再開した。生徒がバラバラに避難しているため、サテライト校も全県にわたって開設されることになり、同時に教育労働者も各地のサテライト校への勤務となった。小高工高は県内5カ所に分散された。受け入れ先となっている相馬高には、合計4校が併設されるという状況となっている。
2011年10月17日発行 第2508号
福島と共に反原発・非正規職撤廃を闘い11・6大結集へ!
労働組合が歴史を動かす時
革共同教育労働者委員会
全国の教育労働者のみなさん。「反原発・反失業」を掲げる11・6全国労働者総決起集会に組合・職場・地域の仲間とともに参加することを訴えます。福島の教育労働者の闘いに連帯し、職場にあふれる原発への怒りを一つに束ねて、全原発を廃止する闘いの先頭・・・
9月19日、6万人が明治公園を埋め尽くし、道路にまであふれた。「原発なくそう! 子どもを守れ!」の大合唱が都心にとどろいた。巨万の大衆行動の時代が始まった。ヒロシマ、ナガサキに続きフクシマを体験した日本の労働者人民は、核と原発を全世界からなくすまでやむことのない闘いを始めたのだ。
労働組合員は動員指令をはるかに超え、職場から自主的に決起した。これにNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)数千人が合流した。労働組合が本気で闘いをつくり出せば世の中を変えることができることを示した。労働組合が底力を発揮し歴史を動かす時が来た。革命党の課題は原発と大失業と戦争に真っ向から対決する闘う労働組合を職場の労働者とともにつくり出すことだ。
11・6集会に向かって訴えたいことは第一に、経団連と連合、財務官僚を支柱とし、原発再稼働と大増税を策す超反動・野田民主党政権を打倒しようということだ。
政府や財界の言う「復興」とは、被災地丸ごとの民営化であり、被災地に道州制、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を先行実施し、法人税を免除し、労働法制を適用せず、アジア並みの超低賃金にする「復興特区」=”資本の別天地”をつくることだ。併せて「復興財源捻出のため」として公務員に大量首切り、大幅賃下げの攻撃が襲いかかろうとしている。
中川文科相は、福岡県教組出身の神本美恵子を文科政務官に据えて原子力開発を担当させ、日教組本部を原発再稼働の先兵にしようとしている。12年度概算要求では342億円のもんじゅ予算を維持する一方、児童生徒の放射線被曝防護はたったの15億円。「福島の再生なくして日本の再生なし」と言う野田政権がやっていることは、御用学者を総動員した「放射能安全」デマキャンペーンと自治体、住民を総動員した「除染運動」だ。
しかし次々と積み上げられる汚染土の中間処理施設は「県内に」というのが政府の方針だ。それは現実には「年間1㍉シーベルトは不可能」として、高線量被曝、内部被曝を福島県民と子どもたちに強制するものでしかない。福島県民を「モルモット」にするな!
被曝による健康被害に「しきい値」はない。とりわけ子どもたちをこれ以上被曝させてはならない。福島原発事故を引き起こしたのは、人間の命より経済活動、資本の利潤を優先する資本主義社会そのものだ。腐りきったこの社会を根本から変える以外に、フクシマの怒りに応え、原発をとめる道はない。
野田政権をはじめ原発再稼働・原発輸出に血道をあげる者たちと労働者階級人民との関係は絶対的に非和解だ。再稼働阻止! 野田政権打倒! 11・6集会と大デモの爆発で決着をつけよう。
訴えたいことは第二に、原発再稼働を阻止し子どもたちを放射能から守る反原発の闘いは、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃、反失業の闘いと一つだということだ。
被災地は非正規職しか働き口がない深刻な状況だ。多くの教え子が原発で働いている。7次、8次に及ぶ下請け構造の中で、非正規労働者が集中的に被曝させられ、使い捨てにされている。財界は「復興特区」の名のもと、残業規制や派遣・有期雇用規制の撤廃を要求し、福島県は雇用創出事業を派遣会社に丸投げするなど、非正規職化に拍車をかけている。
原発は被曝労働を前提にして初めて成り立ってきた。このことは原発の反労働者性を表している。ところが電力総連をはじめ労働組合は、被曝労働の外注化を要求することをとおして会社ぐるみで原発を推進し、被曝労働を押し隠してきた。これは労働組合と労働運動のあり方の問題性を私たちに突きつけている。
外注化・非正規職化の波はすでに学校現場にも及んでいる。給食・用務などの現業に始まり、授業まで受験塾に外注化され、総額裁量制や国庫負担金引き下げで非正規教員が激増している。
橋下・大阪府知事が率いる大阪維新の会が府議会・市議会に提出した教育基本条例案は「3年連続定員割れした学校は統廃合して教職員はクビ」「公立学校を民営化して教職員を選別解雇」「毎年D評価を5%出し、2年連続D評価でクビ」という許すことのできない内容だ。道州制と教育の民営化、大量首切り、労働組合根絶の攻撃との闘いは教育労働運動の最大の課題となっている。
外注化と非正規職化こそ新自由主義の労働者支配のテコであり、青年労働者をワーキングプアに突き落としてきた元凶だ。ストライキと職場闘争で外注化を阻んでいる動労千葉を先頭に、郵政非正規ユニオンの闘いに続いて、外注化を阻止し、非正規職を撤廃する闘いを学校現場からつくり出そう。
「新自由主義と闘う労働組合の全国ネットワークを」と呼びかけ、外注化阻止、非正規職撤廃を掲げる11・6集会の成功は決定的だ。
訴えたいことは第三に、体制内労組幹部の支配を打ち破って職場の怒りを組織し、職場闘争をつくり出し、その闘いの中で階級的団結を取り戻そうということだ。
支配体制内部に深々と組み込まれた労組幹部が「財政危機だから仕方がない」「闘っても勝てない」として職場労働者の怒りを抑え込み、さらには「財政危機への協力」と称して労働組合が「国家救済・自治体救済」政策へ組合員を積極的に動員している。しかし教育現場の我慢はすでに限界点を超えている。とりわけ青年教育労働者は怒りと不安にかられ、「どうにかしなければ」「どうしたらいいのか」という思いを募らせながら、闘いの方針を求めている。
福島県教組の闘いは、「戦争状態」のただ中で「教え子を戦場に送るな」を貫く闘いだ。文科省の殺人的な「20㍉シーベルト基準」を弾劾し、放射能被害から子どもたちを守るために闘い、反原発闘争の最先頭に立っている。兼務発令や不当な人事異動による教職員の生活破壊への怒りを結集して、県教委に立ち向かっているのだ。
とりわけ子どもの県外避難による「過員」を理由とした新規採用停止、講師の雇い止めは、絶対に許すことができない。情報隠しと安全デマで子どもたちに被曝を強制したのは誰なのか。家族とも友だちとも別れて避難を余儀なくさせたのは誰なのか。原発事故の張本人たちの責任を徹底的に追及し、雇用を保障させなければならない。
闘う全国の教育労働者は、「フクシマの現実」を共有し、その怒りをわがものとし、その苦闘にとことん学び、福島県教組と連帯する具体的な闘いに踏み出そう。
とりわけ、放射能から福島の子どもたちを守るために、臨時任用教員への雇い止め=解雇を絶対に許さないために、全国の教育労働者は団結して闘おう!
私たちが自分の組合・職場で、行政に除染要求を突きつけ、官製「放射能教育」と闘い、定数改善や正規職化をかちとること。何よりも教育労働者が職場の仲間と団結し、反原発・反失業闘争の最先頭に立つこと。これこそ怒りのフクシマと連帯し、職場に闘う労働組合を取り戻す道だ。
日教組の運動方針案に「20㍉シーベルト基準撤回」がない。福島の母親たちの文科省交渉に日教組の旗がない——この現実はなんとも悔しい限りではないか。この現実を変えることができるのはフクシマの怒りを共有する教育労働者だ。野田民主党政権を支える連合・日教組本部を打倒しなければ、教育労働者も生きていけない。福島県教組と団結し、闘う日教組を現場組合員の手に今こそ奪い返そう!
世界大恐慌の本格的爆発過程への突入、大失業と非正規職化、大増税の嵐の中で世界の労働者が立ち上がっている。ヨーロッパでは連日ストやデモが闘われ、アメリカでも「ウォール街を占拠せよ!」の合言葉で始まった青年の闘いが労働組合と合流し、階級的激突が新たな段階に入っている。世界中で新自由主義を打倒する階級的労働組合が台頭している。
9・19の空前の6万人の怒りをさらに大きくし、すべての原発をなくして資本主義社会を根底的に変革するための次の闘いの方針は何か。フクシマの怒りを体現した武藤類子さんの9・19アピールに応える道は何か!それは新自由主義と対決し、「反原発・反失業! 国鉄1047名解雇撤回!」を掲げて闘う労働者・労働組合の総結集の場、11・6集会に職場から総決起することだ。
9月23日、「フクシマと全国をむすぶ教育労働者全国交流集会」が福島現地で開催された。呼びかけ人としてあいさつした福島県教組の清野和彦元委員長は「国鉄問題と原発問題は同じです。差別の体系、無責任の体制とも言えるこの社会、資本主義社会を変革する以外にないと思うからです。そのためには労働者階級の闘いが決定的です」と全国の教育労働者に檄(げき)を飛ばした。フクシマの怒りに応え、11・6集会への1万人結集で階級的な力関係を変えよう!
すべての教育労働者は職場の怒りを束ねて11・6日比谷野音に総結集しよう。すべての闘う教育労働者は今こそ革共同教育労働者委員会に結集してともに闘おう。
2011年10月10日発行 第2507号
不起立解雇 米山さん裁判 控訴審がスタート
斉唱強制と原発は同じ
9月27日、東京教組の米山良江さんが戒告処分と解雇(非常勤教員合格取り消し)撤回を求めて闘っている裁判の控訴審が東京高裁で始まった。 米山さんは08年3月の卒業式の「日の丸・君が代」斉唱時の不起立を理由に戒告処分を下され、併せて定年退職後・・・
2011年9月19日発行 第2504号
沖縄・八重山教科書問題
育鵬社版不採択を決定
文科省の不当介入許すな
原発推進・戦争賛美の育鵬社版中学教科書の採択をめぐり、沖縄県八重山地区での激突が続いている。9月8日、八重山地区の石垣、与那国、竹富の3市町の全13教育委員が協議を行い、地区協議会が選定・答申した育鵬社版の公民教科書を多数決で不採択とし、・・・
本紙2502号の革共同沖縄県委員会論文でも提起したように、沖縄の労働運動と階級闘争の路線をめぐって、階級的原則を守り発展させていく階級的な労働運動の再生と発展が求められている。特に日本政府が石垣市に所属すると強弁している「尖閣諸島」(中国名・釣魚台)をめぐる領土問題については、祖国防衛主義を粉砕して労働者国際主義をよみがえらせていく中に勝利の展望があることを鮮明にして闘おう。
9・12付琉球新報は1面トップで9・11怒りのフクシマ大行動を報じた。「広がる『命守る闘い』」「原発問題、沖縄と同根」。フクシマの闘いは新自由主義との最先端の攻防だ。沖縄の労働者が福島の労働者・農民・漁民と連帯して闘うことが決定的な意味を持つ。「革命の火薬庫」と「フクシマ」との一体化こそ新自由主義と闘う労働者階級の革命戦略だ。
反原発・反失業の闘いと反基地の闘いは一体だ。「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」を掲げて、福島の労働者とともに11・6労働者集会へ攻め上ろう!
(沖縄 上原)
2011年9月12日発行 第2503号
職員・教育基本条例案粉砕を
公務員労働者の「首切り自由」ねらう橋下府知事(維新の会)を倒せ
大阪の教育労働者は訴える
怒りの大反撃が始まる 労働者をモノ扱いし何人殺しても資本の利益のみ追求する社会を根本から変えるプロレタリア革命以外に労働者は生きることができない! これが世界大恐慌下の3・11大震災が明らかにしたことです。3・11から半年の闘いは・・・
労働者をモノ扱いし何人殺しても資本の利益のみ追求する社会を根本から変えるプロレタリア革命以外に労働者は生きることができない! これが世界大恐慌下の3・11大震災が明らかにしたことです。3・11から半年の闘いは、被災地を軸に労働者が団結すれば社会を変えることができることを示しました。
大阪府の橋下知事と大阪維新の会が9月府議会に提案しようとしている「教育基本条例案」「職員基本条例案」は、こうした情勢下で、「条例」化してまで公務員労働者、とりわけ教育労働者の団結と教職員組合を根絶一掃する攻撃です。労働者の根源的決起が噴き出していることへの支配階級・資本家階級の恐怖と危機感の現れです。
しかし「条例案」は積もりに積もった教育労働者の怒りに火をつけました! 粉砕を呼びかけるビラは吸い込まれるように労働者の手に渡り、職場で怒りが噴出しています。大阪の教育労働者は条例案粉砕の2波の府庁前行動に立ち、反撃が始まりました。不屈に闘いぬいてきた不起立闘争や評価制度絶対反対の闘いがすべての教育労働者の怒りと結合し、職場から労働組合をよみがえらせる情勢が到来しました。
私たちは「条例案粉砕! 国鉄闘争勝利、反失業・反原発、非正規職撤廃!」を掲げ、闘わない組合幹部を打倒し、職場の団結・労働組合をよみがえらせるために全労働者の先頭で闘います。
全国の教育労働者のみなさん。9・11—19反原発闘争を闘い、9・23フクシマと全国をむすぶ教育労働者交流集会に結集しよう。そして11・6労働者集会に職場の仲間とともに結集しよう。
橋下知事と維新の会は6月に強行成立させた「君が代」起立強制条例に続き、9月府議会と大阪市議会、11月堺市議会に提案する「教育基本条例案」「職員基本条例案」の素案を8月22日に発表しました。両条例案を主要公約に掲げて11月27日予定の大阪府知事・大阪市長のダブル選挙で民意を問うた上で、採決・成立させ、来年4月施行を目指すとしています。
これは大阪府・大阪市を再編する大阪都構想と一体の道州制・民営化・非正規職化の攻撃であり、「生首をバサッと切れる法改正」をもくろむ公務員制度改革の全国に先駆けた条例化です。
「条例案」提案にあたって維新の会幹部は「公務員のクビは取れないかのような神話があったが、そうでないとはっきりさせた」「戦後、教職員組合と政治が闘争を繰り広げる中で、政治がきちんと仕事をしてこなかった。それを実行したまでだ」と語っています。
公務員労働者の首切りを「自由」にし、教育現場の支配権を最後的に現場労働者から奪い、教育を首長・国家の統制・支配のもとに置くということです。戦後の公務員制度、教育行政のあり方を根本的に転換するため、評価による処分・免職の不安で労働者を縛り競争させ、教職員組合を徹底的にたたきつぶす攻撃です。労働者が団結して反撃すれば勝てるのです!
教育基本条例案は、首長(知事や市長)が「愛国心にあふれ、国際競争に対応できる人材を育てる」教育目標を設定し、首長の教育方針を実現できなければ教育委員も罷免。校長は任期付きで民間から公募、教員採用・教科書採択に関与し、教員を評価します。その結果をもって校長は教育委員会に評価され処分・免職の対象にされます。教員はこの教育方針に「反する意思決定をしてはならない」「反する教員は処分・免職」と、何重にも首長・支配階級の意思を貫く仕組みをつくっています。
東大阪市で現場を排除して強行された育鵬社の公民教科書採択も「条例案」と一体の攻撃です。
大阪維新の会は、8月22日に発表した「教育基本条例案の提出について」と同条例素案で、「学校法人化や学校の統廃合による分限免職(整理解雇)をすることができる」「定員割れが続く、魅力に乏しい府立高校は、統廃合の対象に」すると明記しています。
橋下知事は「公立からこれだけの生徒を奪ってくれて、私立の皆さんには感謝している」(8月26日、私学との話し合い)と言い、公立高校と私立高校の授業料無償化によって公立高校の定員割れ(今年度4割)を意識的につくり出してきました。府立高校の通学区域を「府内全域」とし、府立高校を序列化し、定員割れの高校を意識的につくり出し、約10校のエリ−ト高校を残して廃校・民営化し、教育労働者は免職・整理解雇して非正規職化し、低賃金で首切り「自由」にする攻撃です。
小中学校でも、「子どもの減少」を理由とする学校の統廃合・クラス減で分限免職・整理解雇を行うということです。八尾市・西郡(にしごおり)の更地化と一体の桂中学校・桂小学校の廃校攻撃、福島県における「子どもの県外避難」を理由とする「講師解雇、新採ゼロ」攻撃、教員免許更新制による約600人の免許失効・失効前辞職も一体の攻撃です。
さらに職員基本条例案では「10人程度の事務所も含めた全民間企業の実態を反映」「民間と同水準の給与・勤務条件」と、国家公務員10%賃下げに続く賃下げ・非正規化を狙っています。
さらに教育基本条例案は処分・免職基準の明確化として、以下の「処分の例」をあげています。職務命令違反は、同じ命令に違反3回で免職(つまり不起立3回で免職)、5回の違反で免職。人事評価はD5%、C10%を義務づけ、2回連続最下位Dは免職。飲酒運転を行った者は免職または停職。心身の病気に対する免職など。
「日の丸・君が代」や原発推進教育など首長・校長の教育方針に従わない者に加えて、多忙化によるミスや健康破壊による病気、交通事故など、国家や資本の責任をすべて労働者に押し付け、次々と処分・免職にする。労働者を解雇し9割非正規化する全労働者にかけられた新自由主義攻撃そのものです。私たちはこんな処分や脅しに屈しない! 職場からわき出す怒りを団結に変えて、先頭で闘います。
国鉄分割・民営化により総評を解体して結成された連合は新自由主義の先兵であり、労働組合の名で下請け労働者に被曝労働を強要し原発を推進してきた原発事故の共犯者です。
山梨県教組出身の輿石東が党幹事長に、福岡県教組出身の神本美恵子が文部科学政務官に就任しました。原発再稼働と大増税の野田政権を全力で支える日教組本部は全国の教育労働者の敵です。
福島県教組は子どもたちを被曝から守る闘い、教育労働者への解雇や無茶苦茶な労働条件の強要への反撃など、子どもたちと労働者が生きぬくために必死で闘っています。大阪の二つの条例案粉砕の闘いは、福島県教組の闘いと同じく新自由主義と対決して、労働組合をよみがえらせ、労働者が生きぬく闘いです。
9月23日のフクシマと全国をむすぶ教育労働者交流集会を成功させ、福島県教組と団結して日教組をよみがえらせよう。条例案を粉砕し、11・6集会に教育労働者の大隊列を登場させよう。
〔革共同関西教育労働者委員会〕
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■基本理念に愛国心
・我が国及び郷土の伝統と文化を深く理 解し、愛国心及び郷土を愛する心にあふれる……人材を育てる
・国際競争に迅速的確に対応できる、世界標準で競争力の高い人材を育てる
■首長による教育支配
・首長の定めた教育目標を実現できない教育委員は罷免
・府立高校校長の公募制・年俸制・任期制を導入
・校長の経営方針への教員の服務義務
■教職員の分限免職
・職制・定数の改廃、予算の減少により廃職・過員を生じたときは、教員等の免職を行う
・5回目の職務命令違反又は同一の職務に対する3回目の違反を行った教員等は、直ちに分限免職とする
・教員の人事評価について「S5%/A20%/B60%/C10%/D5%」と明記。2年連続D評価なら分限免職
2011年9月 5日発行 第2502号
職員・教育基本条例阻め
大阪府庁前で連続行動
(写真 「職員の処分と解雇のための『職員基本条例』『教育基本条例』絶対反対」と訴えて第2波行動を行う教育労働者【8月26日 大阪府庁前】) (写真 「職場分会から労働組合をつくりかえよう」との機運みなぎる交流集会【8月27日 ・・・
(写真 「職員の処分と解雇のための『職員基本条例』『教育基本条例』絶対反対」と訴えて第2波行動を行う教育労働者【8月26日 大阪府庁前】)

(写真 「職場分会から労働組合をつくりかえよう」との機運みなぎる交流集会【8月27日 エルおおさか】)
6月大阪府議会で「君が代起立条例」が可決され、9月府議会(あわせて9月大阪市議会、11月堺市議会にも)に橋下知事・維新の会から「教育基本条例案」「職員基本条例案」が提出されようとしています。この二つの条例案によって攻撃の本質は明らかになりました。高校授業料の無償化−府立高校の定員割れ続出に続くものは、公立学校の統廃合、公務員労働者の分限免職=解雇であり、公務員360万人全員解雇・選別再雇用という道州制・民営化攻撃の本格的推進です。
関西労組交流センターに結集する教育労働者は大恐慌・財政破綻の危機にあえぐ日帝政権、橋下府政と真正面から対決し、この攻撃に反撃するための討論を続けてきました。職場から原則的に闘いを発展させ、団結と労働組合をよみがえらせることによって労働者階級の闘いの前進をかちとろう、そのために府庁前抗議行動を職場での具体的取り組みの結集点・出発点としよう、と決めました。
8月19日の第1波行動に続いて26日夕刻、第2波府庁前行動を行い、現場労働者が府庁に働く労働者に圧倒的な訴えを行いました。前回を上回るビラが配られ、労働者の共感と怒りが巻き起こっています。
翌27日には、この府庁前行動と職場での取り組みを相互発展的に進めようと、教育労働者交流集会をエルおおさかで開きました。府庁前行動を闘い抜き元気いっぱいの教育労働者、保育労働者など20人が集まりました。
基調報告は「3・11情勢を革命に転化する時が来た」と高らかに宣言し、これまで闘い抜いてきた不起立闘争が、職場から労働組合をよみがえらせる闘いと結びつき、核となる情勢が来たことを明らかにしました。
続いて現場から育鵬社教科書の採択に対する分会からの怒りを組織した闘い、非正規職講師の解雇と闘い抜き労働組合の団結の強化と拡大をかちとった取り組みなどが報告され、「よし、闘って職場分会から労働組合をつくり変えよう!」という機運がみなぎりました。さらに「職員基本条例案」「教育基本条例案」の内容をめぐる提案がされました。
職場で闘いを組織することに徹して、職場での闘いと一体で、9月府議会に向けて府庁前行動を続け、労働者の団結を強化し、二つの条例案を粉砕するために闘います。
9・11−19反原発闘争に総決起し、9月23日の福島での教育労働者交流集会に全力で参加し、11・6労働者集会1万人結集に向けて全力で闘うことを確認して元気よく集会を終えました。
(関西労組交流センター教育労働者部会)
2011年8月29日発行 第2501号
大阪 “首切り基本条例反対”
橋下府知事打倒の抗議行動
(写真 9月に府議会提出が狙われている「職員基本条例」「教育基本条例」を許さないと大阪府庁前で宣伝・抗議行動【8月19日】) 新自由主義攻撃の先兵である大阪府知事・橋下と大阪維新の会は、6月に可決した「君が代」起立条例に続き、9・・・
(写真 9月に府議会提出が狙われている「職員基本条例」「教育基本条例」を許さないと大阪府庁前で宣伝・抗議行動【8月19日】)
新自由主義攻撃の先兵である大阪府知事・橋下と大阪維新の会は、6月に可決した「君が代」起立条例に続き、9月府議会に「職員基本条例」「教育基本条例」を提出しようとしています。
8月19日夕刻、4人の教育労働者の呼びかけで大阪府庁前抗議行動を行いました。15人の仲間が府庁別館前に登場し、「絶対に許さないぞ!」という決意を込めて、横断幕を掲げて宣伝・抗議行動をしました。
前日の大阪府人権教育夏季研究会では「『条例案』絶対反対の声を職場・分会から上げよう」と訴えるビラを配りました。「これ、許されへんよね」という共感が寄せられ、千人以上の教育労働者がビラを受け取りました。労働者の圧倒的怒りを背景に、翌19日の行動を行ったのです。
府庁前行動では、東大阪市教委が現場労働者を排除して強行した育鵬社公民教科書の採択に対して「職場から激しい怒りが噴出し、撤回を求める分会決議を上げようという動きが起こっている」と報告されました。府庁で働く労働者もビラを見て「橋下打倒か!」と共感を表していました。
今回提出されようとしている職員基本条例、教育基本条例は、定員削減で分限免職にするというものです。民営化で「余剰人員」を無理矢理つくり出し、分限免職=整理解雇するものです。360万人全員解雇・選別再雇用の道州制攻撃を大阪府が率先して行うという悪辣(あくらつ)な本質を露骨に示しています。「橋下知事よ、よくぞ言った」。私たちは道州制による非正規化・解雇攻撃と正面から闘います。
関西の教育労働者はこの条例にどう立ち向かうかという討論を続けてきました。①大恐慌と3・11大震災・原発事故、エジプト革命という世界的激動の時代に、②国鉄闘争・反原発闘争を基軸に、③戦争、民営化・労組破壊の新自由主義=道州制攻撃と対決する。④それは職場分会から労働組合をよみがえらせる闘いに執着しきることで発展する、と考えました。
責任を持って具体的に府庁前行動から始めることにしました。そして職場に渦巻くあらゆる攻撃について現場労働者と討論し「分会決議や有志の意見として条例反対・橋下弾劾の声を上げよう」「府庁前行動や各職場の取り組みを職場・分会に環流し、労働組合をよみがえらせて反撃しよう」と討論は進みました。
8月27日には関西労組交流センター・教育労働者部会が教育労働者交流集会を開きます。東北の被災地の仲間、全国の労働者とともに、11・6労働者集会に向けて職場・分会で闘い抜こう!
動労千葉の外注化阻止闘争に続いて、新自由主義−外注化・非正規化反対で労働運動の反撃を組織していきます。絶対反対の団結で闘えば必ず勝利できる。国鉄決戦・反原発闘争で労働組合をよみがえらせよう。
(関西労組交流センター・教育労働者部会)
2011年8月15日発行 第2499号
教科書闘争 杉並で育鵬社採用阻む
教育労働者が怒りの声 各地の教育委で激突
(写真 「採択を阻止した」の報に手を取り合って勝利をかみしめた【8月10日 杉並区役所前】) 来春からの中学教科書採択が全国各地で行われ、「つくる会」系の育鵬社・自由社の歴史と公民教科書採用を阻むため、教育労働者や保護者が大奮闘・・・
(写真 「採択を阻止した」の報に手を取り合って勝利をかみしめた【8月10日 杉並区役所前】)
来春からの中学教科書採択が全国各地で行われ、「つくる会」系の育鵬社・自由社の歴史と公民教科書採用を阻むため、教育労働者や保護者が大奮闘している。東京では6年前から育鵬社版の前身・扶桑社版歴史教科書を使ってきた杉並区で採択を阻む画期的勝利をかちとった。他方、7月28日に都教委が都立中高一貫校で育鵬社の歴史・公民教科書を、特別支援学校で育鵬社の歴史教科書と自由社の公民教科書を採択。8月4日に大田区教委、5日に武蔵村山市教委が育鵬社の歴史・公民教科書を採択した。杉並、神奈川、東大阪から寄せられた報告を掲載します。(編集局)
「勝ったぞ!」。杉並区役所前で歓声が上がった。駆けつけた労働者市民は手を取り合い、抱き合って勝利をかみしめた。杉並区教育委員会は8月10日、歴史・公民ともに帝国書院の教科書を採択したのだ。
東京・西部ユニオンと反原発署名1千万署名運動・東京西部は、区役所前でビラを配り続けて、田中区長と杉並区教委を揺さぶった。採択当日は朝から300人以上が区役所を取り巻いた。右翼は30人ほどで登場したが、労働者市民は整然とアピールを続け、署名がどんどん集まった。1382筆の署名(第1次提出分と合わせ2012筆)を提出した。
教育委員会では大蔵委員長、宮坂委員が育鵬社支持の意見を述べたが、2年前に扶桑社版の採択を主導した井出教育長が「地理・歴史・公民は同じ会社がいい」と帝国書院を推し、PTA出身の委員2人は「杉並はほかの教科に比べて社会科の学力が低い」「今の教科書は使いづらいと教員が言っている」と表明。追い詰められた大蔵委員長が「帝国が多数なので、歴史も公民も帝国書院に決定します」と述べ、傍聴席から拍手がわいた。
違法・不当な採択から6年間、採択撤回を訴えてきた粘り強い闘いが、ついに勝利をもぎり取った。特に原発への怒りと結びついた反原発闘争の高揚と団結の勝利だ。
(東京西部・飯野依子)
横浜市教委は8月4日、育鵬社の歴史・公民教科書を採択した。来春から149校約2万7千人の中学生が使用する。7月28日には藤沢市教委が歴史と公民に、8月2日には神奈川県教委が県立中等教育学校平塚校の歴史に、それぞれ育鵬社を採択した。許せない。
神奈川労組交流センターととめよう戦争への道!百万人署名運動・神奈川県連絡会は、採択に先だって教組の分会と自治労教育支部の3ケタの職場を訪問し、怒りと阻止の意志を共有した。
採択当日は教育文化センターに浜教組、自治労横浜を始め労働者市民が700人以上集まった。
今田忠彦委員長は「過去の歴史を現代の視点から批判するのは一方的。若者が祖国に誇りを持てない。領土問題も扱いが小さい」と語り、別の委員は「育鵬社版の教科書で若者の意識を変えたい」と育鵬社版採択の目的をあらわにした。
教育労働者の団結と職場支配権がある限り、戦争教育を貫徹することはできない。労働者階級の国際的団結を発展させることこそ横浜市教委への回答だ。新たな闘いが始まった。
(神奈川・N)
東大阪市教育委員会は7月26日、育鵬社の公民教科書を採択しました。教育労働者、保護者、校長会からごうごうと非難の声が上がっています。
採択は通常、現場から3冊が選定され、その中から最終的に1冊が決まります。今回、3冊に育鵬社は入っていませんでした。ところが採択過程で4番目として育鵬社が入れられ、西村保教育長と長田守弘東大阪公立中学校社会科教育研究会会長が強引に押し切って採択したのです。しかも傍聴者を6人に限定した密室同然での採択です。
連合派の市教組執行部の屈服を突き破り、「『教え子を戦場に送る』教科書なんか1冊たりとも子どもたちに渡すものか」という怒りは燃え盛っています。
今回の採択は教育労働者の団結を破壊し、東大阪市教組をつぶす攻撃です。各学校で分会決議を上げ、教育労働者の団結を拡大し、白紙撤回まで闘いぬくぞ!
(東大阪市教組・A)
2011年7月25日発行 第2497号
教育労働者は8・6−8・9へ
原発絶対反対の先頭に立ち闘う日教組を奪い返そう!
革共同教育労働者委員会
(写真 今春卒・入学式の不起立で処分された教育労働者への再発防止研修に抗議して「不当処分を撤回しろ! 『10・23通達』撤回!」とシュプレヒコール【7月21日 水道橋・東京都教職員研修センター前】) 全国の労働者・学生は8・6ヒ・・・
(写真 今春卒・入学式の不起立で処分された教育労働者への再発防止研修に抗議して「不当処分を撤回しろ! 『10・23通達』撤回!」とシュプレヒコール【7月21日 水道橋・東京都教職員研修センター前】)
全国の労働者・学生は8・6ヒロシマ—8・9ナガサキに大結集し、熱い熱い反原発デモを実現しよう。6・5国鉄集会—6・11反原発100万人行動—6・19フクシマ大行動で切り開いた地平、動労水戸が主催した7・17いわき集会を引き継ぎ、被爆66年のヒロシマ・ナガサキに反原発・菅打倒の声をとどろかせよう。全国の教育労働者はその先頭で闘おう。
福島原発大事故をめぐり、人類史上始まって以来最悪の事態が広がっている。メルトダウンをひた隠しにして強制され続けた被曝の結果、3月下旬の時点で福島の子どもたちの45%が甲状腺を被曝していたことも明らかになった。国家・東電による絶対に許せない殺人行為だ。
被災地の住民は、日々命を削って闘い、生き抜いている。6・19福島集会で都路町から避難している住民は「もし経済が原子力に頼らなければ成り立たないとしたら、その経済はもはや人民を奴隷とし、人民の身も心も破壊してしまう魔物です」と訴えた。本当にそのとおり、この魔物こそ帝国主義・新自由主義だ。
こんな連中に殺されてたまるか! これ以上好き放題をやらせてなるものか! 私たちは一刻も早く新自由主義・資本主義を打倒しなければならない。そのために反原発闘争を徹底的に闘おう! 「戦場」で生き抜く被災地の労働者・農民・漁民・学生・子どもたちの怒りを共有し、8・6ヒロシマ—8・9ナガサキで怒りの反原発デモを打ち抜こう!
1980年代、当時の首相・中曽根康弘が原発政策を推進するためにやったことが、労働組合を御用組合にすることだった。国家的な不当労働行為を公然とやってのけて、国鉄労働者20万人の首を切り、200人を自殺に追い込んで、国鉄分割・民営化を強行した。そして当時の労組幹部はこの攻撃に震え上がって、総評解散—連合結成になだれ込んだ。
以降、東電労組を始めとする電力総連は、連合全体を原発推進に取り込むために、他労組幹部の高額接待、組合員の原発施設見学、労組幹部の民主党国会議員への送り込みなど何でもやって、原発推進の急先鋒(せんぽう)になっていった。
彼らは、被曝労働を非正規職労働者に押しつけることにも積極的に協力してきた。そして今も労組出身議員が、被曝労働基準の引き上げの責任者をやっているのだ。新自由主義はここまで労働組合幹部を腐敗させた。
福島原発事故は、これまで隠されてきたこれらすべてのことを白日のもとにさらした。新自由主義を支えたのが原発産業であり、連合労働運動だったのだ。
2001年に文部省と科学技術庁が統合されて文部科学省になり、経産省と並ぶ原子力政策推進官庁になった。文科省は核武装政策だけでなく、環境放射能検査や被曝放射線管理や原発事故の損害賠償を担い、実に悪辣(あくらつ)な役割を果たしてきた。
さらに文科省は02年から「原子力・エネルギー教育支援事業交付金」制度を創設し、原発PRの副読本の配布、原子力ポスターコンクールや原発関連施設への見学を通して、子どもたちに原発崇拝を刷り込んできた。
この文科省のパートナーとなってきたのが日教組幹部だ。予算要求の場でも、巨額の原子力予算をまったく問題にしてこなかった。日教組本部が3月16日に発した「『東日本大震災』にかかわる声明」には、原発反対・事故弾劾の一言もなかった。7月4日から開かれた日教組大会の運動方針は、「子どもの安全・健康権確立のとりくみ」と言いながら、文科省の「20㍉シーベルト通知」への批判や弾劾がまったくない。具体的な方針は「ボランティア」動員だけだ。
福島の保護者たちが必死の思いで上京し、文科省交渉に立ち上がっているのに、そこに日教組の旗がないのだ。これでは危機に立つ資本家階級の救済者ではないか!
今こそ教育労働者のすべての怒りを反原発で解き放ち、闘う日教組を甦(よみがえ)らせる時だ!
今、あらゆる勢力が「脱原発」「エネルギー政策の転換」を言い始めている。労働者階級の闘いが、革命に発展することを恐れての動きだ。グラグラの菅首相の「脱原発」発言は、オバマの一昨年の「プラハ演説」と同じだ。ウソとペテンで労働者をだましながら、絶対に原発を手放さないのが資本家階級だ!
「全原発を停止し、廃炉にせよ!」を貫いて闘うためには、「復興」イデオロギーとの対決が重要だ。それは資本家階級が延命するための国民総動員の攻撃だからだ。「日の丸・君が代」不起立闘争をめぐる一連の最高裁の「上告棄却」判決と大阪・橋下府知事の「君が代」起立条例制定は、完全にこれと一体の攻撃だ。
菅政権の復興政策の中身は、破産した新自由主義攻撃、民営化・外注化の一層の激化だ。農漁業を株式会社の食い物にし、膨大な労働者を非正規職に置き換え、復興特区の名のもとに法人税免除、労働法制解体を進めようとしている。また大震災を奇貨として、一気に公務員の大量首切りと賃下げ、道州制を推進しようとしているのだ。
すべては労働組合の闘いにかかっている。公務員連絡会は「復興財源のため」と組合員をたぶらかして、国家公務員の賃金1割削減に即座に合意した。原水禁の「脱原発」1000万署名は、反原発運動が資本家階級打倒へと発展することを抑え込むためのものだ。
1980年代半ば以来労働組合を無力な存在に落とし込めて延命してきた堕落した労組幹部から、いよいよ闘う労働組合を奪い返す時が来た。今こそ職場で「反原発」の論議を巻き起こし、団結を取り戻そう。復興政策に協力する「挙国一致」の連合労働運動と実践的に対決し、闘う団結をつくり出そう。被災地、そして福島からその闘いが始まった。
福島県教組は5月21日の中央委員会で三つの決議・声明を上げた。「原発被害を許さない/原発推進を許さない/子どもと県民の安心・安全を取り戻す決議」では、「現在、福島県内は『戦争状態』といっても過言ではありません。この違憲状態、国家的犯罪を早急に阻止しなければなりません。当然、福島県内10基の原子炉の完全廃止はもちろん、日本国内さらには全世界の原発推進など許すわけにはいきません。私たちは心の底から怒っています。この怒りは事態が収束を迎えても収まることはありません」と宣言している。さらに「県職員の生活破壊を引き起こした不当な兼務の発令に対する抗議声明」「次年度の教員採用及び講師の安定雇用を求める声明」では、非正規解雇、生活破壊、組合破壊との闘いを訴えている。
福島県教組の仲間の怒りを自らの怒りとし、「被災を理由にした教員削減を許すな」「原発を止めて子どもたちの未来を守ろう」という叫びを、すべての教育労働者のスローガンにしよう!
私たちはこの間ヒロシマ・フクシマ発の反原発1000万署名を全力で取り組み、反原発デモの先頭で闘ってきた。文科省「20㍉シーベルト」通知をめぐっては、各県教組・地区教組の大会で撤回に向けた一大論議を組織してきた。非正規職の撤廃を目指して、講師の解雇撤回闘争を闘い、組合員の拡大を実現してきた。また反原発教育への弾圧を当該労働者と現場労働者の団結で打ち破ってきた。
私たちは、新自由主義政策の最悪の犯罪=原発事故のただ中で、腐った組合幹部の手から労働組合を奪い返す具体的な闘いを各地で一斉に開始している。これこそが闘う労働組合を再生していく道だ! 福島県教組と一つになって、日教組運動の再生に突き進もう。
国労本部は1047名解雇撤回闘争を終わらせ、7月末の国労定期全国大会では、闘争団員から組合員資格を奪う規約改定を強行しようとしている。これは国労本部がJR大再編に向けた全面外注化・非正規職化の先兵になるという宣言だ。
私たちは昨年6月に「国鉄闘争の火を消すな」と国鉄闘争全国運動を立ち上げ、動労千葉はこの1年間、外注化阻止闘争の先頭に立ち、国労の闘う仲間とともに1047名解雇撤回闘争を守り抜いてきた。あらゆる産別で職場闘争を開始し、解雇された仲間を支え、それをとおして新自由主義攻撃に立ち向かう全国の労働者の階級的な団結を発展させてきた。新たに組合を立ち上げた郵政非正規ユニオンを先頭に、非正規職撤廃の闘いが猛然と開始されている。
国鉄闘争全国運動は、6・5集会の大結集で3・11大震災情勢に立ち向かう団結を打ち固め、6・19フクシマ大行動の闘いを大成功させた。
反原発・反失業闘争の前進は、国鉄闘争全国運動の発展と一体だ。この中に、労働者階級が生き抜き「ふるさとを奪い返す」道がある。
8・6をヒロシマ—ナガサキ—フクシマをつなぐ歴史的な反原発の世界大会にしよう! とりわけ青年労働者の怒りを組織し、教育労働者の大結集を実現しよう!
東京「日の丸・君が代」被処分者 不当研修に反撃
“恥ずべきことない”
東京都教育委員会は7月21日、今春の卒・入学式で「日の丸・君が代」強制に反対して不起立で闘った教育労働者3人に対する「服務事故再発防止研修」を強行した。研修会場の文京区の東京都教職員研修センター前では朝から昼過ぎまで、教育労働者を先頭に多・・・
杉並 「つくる会」採択阻止を
原発推進教科書を葬ろう
今夏、中学校の教科書採択が行われる。「新しい歴史教科書をつくる会」(自由社)、「教科書改善の会」(育鵬社)の歴史・公民教科書の採択を阻止しよう。 「つくる会」は「日本の歴史を肯定し、こどもたちに国を愛する心を持たせる」ためにこの教科書をつ・・・
最も決定的なことは原発についての記述だ。両社は原発推進、礼賛の立場だ。自由社の雑誌には東京電力が出資し、原発推進記事を掲載してきた。「つくる会」の藤岡信勝は東電労組の研修会に講師として招かれている。育鵬社の親会社であるフジサンケイグループは、今年4月、地球環境大賞の受賞者に東京電力を選んでいる。いまや全人民の怒りの的になっている原子力村の一角に「つくる会」と「改善の会」が巣くっているのだ。
育鵬社の公民教科書は、わざわざ1㌻を使って「国家規模の政策」として原発の開発について取り上げている。「原発を除くと日本のエネルギー自給率は4%」と危機感をあおり、「軍事保障などを総合的に考える必要がある」「国の将来を考え対立を合意に導く努力が求められる」「原発と共存を」と、国策に反対するな、従えと強要している。
九州電力の説明会での偽メール事件に象徴されるように、原発の建設は電力会社や国を挙げての買収と警察などの暴力、マスコミの宣伝、大学などの研究機関、裁判所、御用労働組合が結託して根強い反対運動を抑え込んで進められてきた。福島第一原発の事故で「安全・クリーン」の宣伝がウソだったことが暴かれた。原子力政策=核武装化政策を進めてきた癒着構造も暴かれた。
原発事故を契機に「未来を奪い返せ!」「社会を変えよう」と競争と分断を打ち破り青年が反原発の闘いの先頭に立ち、大きな団結をつくり始めた。
教育労働者は原発推進をあおる教科書で教えることなどできない。子どもたちも納得しない。教育労働者は第2次大戦後、「教え子を戦場に送るな!」と立ち上がった。それと同じように「福島の子どもたちを守れ!」という闘いが始まっている。反原発闘争のうねりを拡大し、原発推進教科書を葬り去ろう。@dan
2005年、山田宏・杉並区長(当時)は違法不法の限りを尽くして、教員の評価が最低だった「つくる会」の歴史教科書を採択した。しかし、教育労働者を先頭に採択撤回の激しい闘いが続けられた結果、採択以来6年たっても現場の教育労働者はこの教科書を認めていない。
現在、杉並区の教育委員5人の内、過半数の3人が2年前に「つくる会」を推進した教育委員である。ところが、今まで「つくる会」教科書に反対してきた社民(民主と合流)、生活ネット、福士派は「つくる会」教科書を推進してきた教育長の再任に賛成票を投じた。また、労働組合の中に「首長が代わったから闘わなくても大丈夫」と悪宣伝も振りまかれている。労働組合が問われている。闘う教育労働者や反原発の闘いと結び、採択阻止署名を拡大しよう。8・6広島−8・9長崎反戦反核・反原発闘争の高揚をかちとり、教育委員会での採択が予想される8月10日、杉並区役所を包囲する闘いを爆発させよう!
(東京・西部 飯野依子)
栃木・下野 育鵬社歴史教科書を否決
百万人署名・栃木が奮闘
栃木県下野(しもつけ)市で7月21日、「教科書改善の会」が執筆した育鵬社版歴史教科書の採択をひっくり返しました。大勝利です。 下野市教科書選定委員会は7月15日、歴史教科書に育鵬社を選定、21日の教育委員会で最終決定しようとしていました。・・・
大田原の採択弾劾
全国で反対運動起こそう
栃木県大田原市教育委員会は7月15日、来春から使う中学校の歴史と公民の教科書について育鵬社版の採択を強行した。大田原市は05年、09年と2回にわたり「新しい歴史教科書をつくる会」の扶桑社版の歴史・公民教科書を採択してきたが、それに続く採択・・・
2011年7月18日発行 第2496号
最高裁の反動判決弾劾
都立板橋高校 威力業務妨害デッチあげ事件
藤田さん“原発護持の司法と闘う”
「日の丸・君が代」起立・斉唱を強制する03年「10・23都教委通達」のもとで威力業務妨害罪をデッチあげられた藤田勝久さんの都立板橋高校事件で、最高裁は7月7日、藤田さんの上告を棄却する反動判決を下した。強く弾劾する。 この事件は04年3月・・・
育鵬社と自由社の教科書採択阻止しよう
大事故の中で原発を全面賛美
杉並・横浜を先頭に全国で闘おう
この8月、全国の自治体で、来春から使われる中学校教科書の採択が行われる。「教科書改善の会」の育鵬社版の歴史教科書・公民教科書、「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版の歴史教科書・公民教科書の採択を絶対に阻もう。この原発賛美の教科書は、反・・・
1997年に設立された「新しい歴史教科書をつくる会」は、それまでの歴史教科書を「自虐的」「旧敵国のプロパガンダをそのまま事実として記述」していると非難し、「日本人としての自信と責任を持」てる教科書をつくるとした。日本帝国主義による植民地支配や侵略戦争の歴史を賛美し、“天皇と国家のために死ね”と教える教育への大転換を図るものであり、教育労働者を始めすべての労働者人民への重大攻撃であった。
しかしこの10年間、日本の労働者人民の闘いは戦争賛美の教科書をまかり通らせずに来た。都知事・石原慎太郎や前杉並区長・山田宏、前横浜市長・中田宏などの極右首長は、「つくる会」教科書採択のために教育委員を入れ替え、不正の数々を働いて「つくる会」教科書を採択した。しかしいまだ圧倒的少数であり、採択率は09年夏で歴史1・68%、公民0・36%だ(表参照)。
低い採択率に追い詰められ、「つくる会」は大分裂した。05年、「全国10%、東京50%の採択を目指す」と公言して大運動を展開したにもかかわらず歴史0・39%、公民0・19%に終わって以降内部対立を深め、06年に当時「つくる会」会長だった八木秀次(高崎経済大学教授)が解任され分裂。八木らは新たに「教科書改善の会」を結成。藤岡信勝(拓殖大学客員教授)を中心とする「つくる会」から「教科書改善の会」が構成員を引っこ抜き、裁判提訴などの泥仕合を続けた。
また「つくる会」は07年、採択が広がらないことに業を煮やした扶桑社からも関係解消を通告され、フジサンケイグループと絶縁。以後、自由社から教科書を発行することになった。
今年3月の教科書検定では、「つくる会」がつくった自由社版の歴史・公民、「教科書改善の会」がつくった育鵬社(扶桑社の子会社)版の歴史・公民の4冊が、いずれも検定に合格した。
この8月の教科書採択では、12年4月から4年間使われる教科書が決まる。とりわけ焦点となっているのが東京・杉並区と神奈川・横浜市だ。
杉並区は山田前区長のもとで05年、09年の2回にわたって扶桑社版歴史教科書が採択された。昨年、山田が辞任して民主党・田中良が区長となったが、5人の教育委員のうち3人は、前回扶桑社版を推奨した人間のままである。
横浜市は09年、18の採択区のうち8区(生徒数約1万3千人)で自由社版歴史教科書を採択した。さらにその後、18の採択区を全市1区に統合することを決め、全国最大の採択地区になった。横浜での採択を許せば、2万5千冊もの教科書が使われることになる。
青年労働者を先頭に全国で巻き起こる反原発・反失業の闘いと結びついて、杉並、横浜を始め全国すべての地区で自由社版、育鵬社版の教科書採択を阻むために闘いぬこう。
育鵬社、自由社の歴史教科書、公民教科書の中身を見てみよう。
公民教科書では最大の焦点である原発について、他社が危険性や根強い反対運動があることを記述していることと比べても、一言の批判もなく全面賛美である。
育鵬社版は「地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず」と、原発がクリーンなエネルギーであるという大うそをつき、「原料となるウランをくり返し利用できる利点がある」などと言い、使用済み燃料から取り出したプルトニウムを再利用する核燃料サイクル計画の全面的な推進をうたっている。そして「(原発は)日本では重要なエネルギー源」と美化している。
自由社版も「安全性の高い技術を確立し」とデマ宣伝を行っている。しかも自由社は、福島原発の大事故を受けて、文科省への訂正申請も通らないまま、5月に発行した市販本で「東日本大震災にともなう原子力発電所の事故は、エネルギー問題について改めて深刻な問題をつきつけました」とこっそり差し替えた。まったくのペテンだ。
歴史教科書では、日本帝国主義が行った台湾・朝鮮への植民地支配やアジア侵略戦争の歴史が全面的に美化されている。
アジア侵略戦争のことを、2社とも「大東亜戦争」と記し、戦争によって与えた被害については一切記載せず“日本軍はアジアの人びとに歓迎された”と描いている。
台湾・朝鮮に対する植民地支配については、育鵬社は「台湾にダムをつくった八田與一」コラムや、植民地支配の期間中に人口、農耕地面積、米生産量、学校数が増えたという表などで“台湾・朝鮮の人のためになった”と開き直る。自由社も「併合後におかれた朝鮮総督府は、植民地政策の一環として、朝鮮の鉄道・灌漑(かんがい)施設をつくるなどの開発を行い、土地調査を実施した」。生命、土地、職、言葉、文化をみな奪い尽くした植民地支配の歴史を全面的にゆがめて賛美している。
◆日本軍による集団自決の強制を抹消
両社とも沖縄戦における「集団自決」という言葉はある。しかし中身は「米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人も」(育鵬社)、「米軍が上陸する中で、追いつめられた住民が、家族ぐるみで集団自決」(自由社)と、日本軍による集団自決の強制という核心問題を消し去り、米軍の攻撃で引き起こされたかのように描いている。
◆ロシア革命をゆがめ、労働者の決起に敵対
1917年のロシア革命については、「他の党派を武力で排除し、みずから率いる共産党の一党独裁体制」(自由社)、「議会政治を否定し、共産党にすべての権力が集中する一党独裁政治が行われ、市民の自由はうばわれました」(育鵬社)などとまったくゆがめて描く。労働者階級こそがロシア革命の主体であったことを完全に否定し、共産党を労働者階級の上に立つ存在として描くことで、今この時に労働者人民が革命に立ち上がることをなんとか封じようと必死なのである。
◆天皇を中心に歴史を描く皇国史観
両社とも、歴史・公民ともに異様なまでに天皇を登場させている。
自由社版歴史では「イザナキの命(みこと)とイザナミの命は夫婦となって、日本列島の八つの島々を生んだ」「イワレヒコの命は……初代の神武天皇として即位する」という日本の「建国神話」をあたかも史実であるかのように記載する。
育鵬社版も神話を「日本の誕生の物語」と描いている点ではまったく同じ、皇国史観にもとづく歴史である。
◆国民主権よりも天皇
公民では自由社版は「日本国憲法の国家像」の節の最初の項が「歴史に基づく天皇の役割」。国民主権の項の前に天皇が登場する。
育鵬社版も「日本の歴史には、天皇を精神的な中心として国民が一致団結して、国家的な危機を乗りこえた時期が何度もありました。明治維新や、第二次世界大戦で焦土と化した状態からの復興は、その代表例です」と記載。大日本帝国憲法下と現憲法下の天皇の違いではなく共通点を強調する点は両社同じだ。
ほかにも、愛国心や自衛隊の軍隊化、憲法改悪をあおりたてていることなど、問題点は数え切れない。また自由社の歴史教科書の年表が東京書籍の年表を丸写ししたものであることも暴露された。本当にデタラメ極まりない教科書である。
こんな教科書を子どもたちに渡すわけにはいかない。育鵬社版・自由社版ともに、採択を絶対阻もう。
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【表 「つくる会」系教科書採択率】
01年 扶桑社歴史 0・039%
扶桑社公民 0・055%
05年 扶桑社歴史 0・39%
扶桑社公民 0・19%
09年 扶桑社歴史 0・57%
自由社歴史 1・11%
扶桑社公民 0・36%
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【表 原発を賛美する2社の教科書】
〔原発〕
育鵬社版 日本のエネルギー供給は、原子力発電が約3分の1を占めています。原子力発電は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず、原料となるウランをくり返し利用できる利点があります。そのため、石油等を輸入にたよる日本では重要なエネルギー源となります。
自由社版 このためわが国は、原子力発電や新エネルギーの導入拡大に努めています。原子力発電では安全性の高い技術を確立し、すでに全発電量の3分の1をまかなっています。
〔「大東亜戦争」〕
育鵬社版 昭和初期のわが国の勝利は、東南アジアやインドの人々に独立への希望をあたえました。長く東南アジアを植民地として支配していた欧米諸国の軍隊は、開戦から半年で、ほとんどが日本軍によって破られました。
自由社版 日本の緒戦の勝利は、東南アジアやインドの人々に、独立への夢と希望をあたえた。日本軍の破竹の進撃は、現地の人々の協力があってこそ可能だった。……インドネシアやビルマでも、日本軍の指導で軍隊がつくられた。
〔縄戦・集団自決〕
育鵬社版 沖縄の中学生や女学生の中には、この戦いに従軍して、命を落とす人も少なくありませんでした。米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人もいました。
自由社版 アメリカ軍は慶良間諸島の座間味島、渡嘉敷島などに猛烈な空襲と艦砲射撃を加えました。米軍が上陸する中で、追いつめられた住民が、家族ぐるみで集団自決する悲劇が起こりました。
2011年7月11日発行 第2495号
反原発の先頭に立とう
今こそ闘う労働組合取り戻そう
日教組第99回大会にあたって訴えます
労組交流センター教労部会のビラ
(写真 「文科省通知撤回! 橋下『君が代』起立条例粉砕! 賃下げ推進する本部打倒」を訴え。署名に応じる組合員も【7月4日 日本教育会館前】) 7月4〜6日、日教組第99回定期大会が東京・千代田区の日本教育会館で行われ・・・
(写真 「文科省通知撤回! 橋下『君が代』起立条例粉砕! 賃下げ推進する本部打倒」を訴え。署名に応じる組合員も【7月4日 日本教育会館前】)
7月4〜6日、日教組第99回定期大会が東京・千代田区の日本教育会館で行われた。初日の朝、全国労組交流センター教育労働者部会が大会代議員・傍聴者に宣伝活動を行った。その時に配布された教育労働者部会のビラを紹介します。(編集局)
3月11日に発生した東日本大震災は、1万5千人を超す死者、7千人を超す行方不明者を出す未曽有の大惨事となりました。福島原発事故は、チェルノブイリ事故を超える大災害となり、放射線管理区域と同じ放射線量の中に、150万の県民と30万人の子どもが置き去りにされています。
「現在、福島県内は『戦争状態』。この違憲状態、国家的犯罪を早急に阻止しなければならない」(5・21福島県教組臨時中央委員会決議)
引き起こされたことは、国家と資本による労働者人民への階級的犯罪です。国策として原発を推進し、地方を切り捨ててきた新自由主義こそ、この大惨禍を生み出した元凶です。
しかし、その張本人たちは、「原発のリスクを覚悟して、腹を据えて原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」(葛西JR東海会長)、「原発は、国の方針として推進してきたこと、事故は国が責任を持てばいい」(米倉経団連会長)などと言い放ち、何一つ反省せず、何一つ責任もとろうとしていません。新成長戦略の中心に原発輸出を据え、新エネルギー計画で原発大増設をうちだしていた民主党政権は、福島原発事故の収束のメドも立たない中で「安全宣言」を出し、原発の再稼働を狙っています。
政府・財界のうちだした復興計画は、農漁業への企業参入、雇用創出の名による非正規化、そして労働者人民への大増税という代物です。被災者の無慈悲な切り捨てと労働者人民への極限的な犠牲転嫁、被災地を食い物にした新自由主義の延命を許してはなりません。 「農地を、漁場を返せ!」「子どもたちの命を守れ!」「故郷を返せ!」。被災地から根底的な怒りの叫びがまきおこり、国と東電に叩きつけられています。生存と未来を奪う者たちに対する青年の怒りが、巨万の反原発のうねりとなって発展しています。
労働組合に問われていることは、被災地の怒り、フクシマの怒り、青年の怒りをわがものとして、未曽有の大災害を引き起こした元凶と非和解的に闘うことです。連合指導部による「挙国一致」の「国難打開」運動を拒否し、この腐りきった社会の根底的変革のため総決起することです。
「文科省通知」撤回の闘い、橋下「起立強制」条例との闘いは、日教組の労働組合としての再生をかけた課題です。闘う労働組合を甦らせる「国鉄闘争全国運動」に結集し、反原発・反失業闘争の先頭にたとう! 8・6ヒロシマ大行動に総結集しよう!
文科省は、4月19日、福島県内の小中学校や幼稚園の校舎・校庭の利用基準について、「年20㍉シーベルト」とすることを福島県教委に通知しました。「年20㍉シーベルト」とは、放射線業務従事者の許容限界値であり、原発労働者が白血病を発症し、労災認定を受けている数値です。大人と比べてはるかに放射線の影響を受けやすい子どもたちにこの基準を適用するとは、国家による子どもの殺人行為以外の何物でもありません。
福島のお母さんたちがつながりあい、必死の思いで文科省交渉に立ち上がりました。福島県教組は、「放射能による健康被害から子どもたちを守る県教組声明」を発し、教育行政に校庭の土壌入れ替えなどを実施させてきました。
しかし、文科省は、「年20㍉シーベルト」基準の撤回をあくまでも拒否しています。「年1㍉シーベルトをめざす」と言いつつ、事故直後の3月の被曝は除いており、事故から75日間の積算放射線量がすでに6・67㍉シーベルトに達している学校もあります。
土壌処理費の国負担はしぶしぶ認めましたが、校庭につみあげられたままの汚染土の処分、教室へのエアコンの設置やスクールバスの確保など、子どもたちの被曝線量を減らすためにやるべきことは山ほどあります。
はっきりさせるべきことは、文科省は、経済産業省以上の原発・核武装推進官庁だということです。2571億円もの原子力関連予算を高速増殖炉もんじゅの開発などに投入し続けています。核武装のためには金に糸目を付けず、子どもの命を守るための予算は、この期に及んでも出し惜しみするのか!
日教組本部は、「子どもの安全・健康を守る」と言いつつ「20㍉シーベルト」基準には沈黙を守り、「地域に応じた対応」の名の下に容認しています。「脱原発」方針も、「新規増設反対」だけで、全原発の即時停止・廃止を求めていません。日教組本部は、子どもの命より、「文科省とのパートナーシップ」が大事なのか!
「兼務発令」=強制配転による教職員の生活破壊、組合つぶし、子どもの県外避難を口実とした採用停止、非正規教員の首切りを断じて許すな! 福島県教組を守りぬき、ともに文科省通知撤回へ闘おう!
関東圏にも高い放射線量が観測されている地域があります。すべての職場で法定1㍉シーベルト基準を遵守(じゅんしゅ)させる闘いを組もう! 4・19通知とセットで文科省が都道府県教委に送信した「放射能の正しい理解のために」という資料は、「放射能のことをいつも考えているとストレスになって心身の不調を起こす」というとんでもない内容です。配布阻止、撤回あるのみです。
原発安全神話の刷り込みをねらう「エネルギー教育」を許すな! 原発推進をうたう「つくる会教科書」に今こそトドメを刺そう!
6月3日、大阪維新の会(代表は橋下知事)府議団が提出した「君が代」起立斉唱条例が可決されました。目的に「国を愛する意識の高揚」や「学校における規律の厳格化」を掲げ、府立学校と府下の市町村立学校の教職員に「国歌斉唱時の起立・斉唱」を義務付けるものです。9月府議会には不起立を繰り返す教員を免職にする処分基準を定めた条例を提案すると言います。議会で多数をとるや憲法を停止したナチスまがいの暴挙です。
最高裁は、5月30日、6月3日、14日と立て続けに、10・23通達下の不起立を理由とする解雇・処分の取消請求事件の上告を棄却してきました。「必要性・合理性があれば個人の思想・良心の制約は許される」として憲法19条を平然と踏みにじり、憲法23条・26条違反(教育の自由)の上告理由はまったく検討もせずに退けました。学テ判決も事実上覆すものであり、断じて許すことはできません。
これらは、「挙国一致で国難打開」の旗をふる権力者たちが、不屈に継続されている「日の丸・君が代」闘争をいかに恐れているかを示す動きです。
橋下知事は、「公務員なら上の決めたことに従え」などとわめいています。最高裁の論理も、「思想・良心に反する職務命令にも従え」ということです。
では、文科省が「20㍉シーベルト」と決めたら、子どもの命はどうなってもいいのか! 断じて認められない!
原発問題では、経産省や電力会社、御用学者、裁判所、みんなグルだということは、知れ渡っています。福島県の放射線アドバイザーとなった長崎大教授の山下は、「国が決めた指針に従うのが国民の義務」などと講演して回っています。最高裁は、戦後補償の請求に対しては「国の存亡にかかわる非常事態のもとでは、戦争の犠牲は国民がひとしく受忍しなければならない」と言い放ってきました。ヒロシマ、ナガサキに続くフクシマの惨禍の中で、「司法」も「学問」も、その正体が露わとなっているのです。
教育の権力支配、理不尽な職務命令への不服従を貫いてきた教育労働者の誇りをかけた闘いが、反原発の巨万の怒りと合流する時がきました。絶対反対の団結で「君が代」解雇を打ち破ってきた東京の不起立闘争が、勝利の道をさし示しています。
職場の団結と抵抗の力で「君が代」起立強制条例を打ち砕こう!
公務員連絡会は、5月23日、国家公務員賃金1割削減に一切の闘争を組むことなく合意しました。「復興財源のため」といいますが、土地だけで7億の豪邸に住む東電会長や、数億円の退職金をせしめてきた経産省の天下り官僚が、原発の被災者のために私財の一部でも提供したのか! 日夜、必死で働いている公務員労働者から搾り取るのは筋違い。労働者に財政悪化の責任を押しつけるのは、絶対に許せません!
6月3日には、賃金引き下げ法案とセットで、公務員制度改革関連法案が閣議決定されました。人事院を廃止し人事行政を内閣一元管理とし、スト権は奪ったまま人勧制度を廃止して公務員を賃下げ・首切り自由とし、「労働組合認証制度」で合同労組や混合組合の団交権を奪い、御用組合だけを交渉相手とするものです。
こんな大攻撃を「労働基本権回復の歴史的一歩」などと言いなし、賃下げを推進する公務労協・公務員連絡会指導部を徹底弾劾する!
臨時国会には、地方公務員制度改革法案が提出され、石原や橋下は、国に追随した公務員賃金の一律カットを目論んでいます。
労働基本権は、労働者階級の実力で奪還するものです。現場から「ストライキ貫徹!」の声を巻き起こし、労働組合を現場組合員の手に奪い返そう。
大幅賃下げ粉砕へ、今秋闘こそストライキで闘おう!
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原発事故と文科省の「20㍉シーベルト通知」への批判や弾劾が一言もない日教組運動方針
◆子どもの安全・健康権確立のとりくみ
子どもの健康・安全を守るために、地震・津波・放射線の防災について強化するとともに、放射性物質から子どもを守るために、地域に応じた対応ができるよう防災対策の抜本的な見直しを求める。
専門機関による学校敷地内、及び通学路の放射線量の測定と、放射線量を減らすための万全の対策を求める。学校においては、自分のからだを守るために放射線の正しい知識等の健康教育を進める。
◆平和・人権・環境と民主主義をすすめるとりくみ
脱原発社会の実現をめざすとりくみをすすめる。
再処理工場建設、「もんじゅ」の運転再開、原発の新増設、各地のプルサーマル計画等に反対するとともに、政府の原子力政策の根本的転換を求め、原水禁・立地県とともにとりくむ。
2011年6月13日発行 第2491号
反原発闘争の先頭に立とう
職場で4・19通知—「君が代」起立条例と闘い8・6広島へ
革共同教育労働者委員会
全国100万教育労働者のみなさん! 今こそ全国の教育労働者が一丸となって総決起する時がきた。学校での年間被曝線量の暫定基準量を20㍉シーベルトとする4・19文科省通知と、大阪府知事・橋下による「君が代」起立・斉唱条例は、完全に一体の攻撃だ・・・
第一に、4・19文科省通知撤回へ全力で総決起しよう。単組、支部、分会で撤回決議を上げ、文科省にたたきつけよう。
5月27日、文科相・高木は「今年度、学校において児童生徒等が受ける線量について当面、年間1㍉シーベルト以下を目指す」と発表した。これは「今年度」として今年3月の被曝を除外し、「学校において」として始業から終業までの8時間のみに限定するというペテンの塊だ。20㍉シーベルト撤回をあくまで拒否したことに核心がある。膨大な原発開発予算は維持しながら、校庭の土壌処理には補助を出すが、それ以外の対策は一切やらない。子どもたちの命や安全をいかに守るかではなく、いかに運動を抑えるかが狙いだ。
そもそも20㍉シーベルトという数値はまったく異常だ。これは「放射線管理区域」として法的に立ち入りが制限される年間5・2㍉シーベルトを優に超える。労働基準法では「放射線管理区域」での18歳未満の労働は禁止だ。また原発作業員の被曝基準量は5年で100㍉シーベルトだ。児童・生徒を原発労働者並みに扱うものだ。
4・19文科省通知は単なる政策的基準の提示ではない。これに満たない学校は「校舎・校庭等を平常どおり利用して差しつかえない」として、自治体独自の取り組みに制動をかけ、政府による棄民政策を有無を言わせず強制するものだ。
この攻防は、行政と労働者との職場支配権をめぐる大激突でもある。
福島第一原発は完全に制御不能であり、現在ですら放出された放射性物質は広島型原爆80発分にも及ぶ。このもとで「放射線管理区域」に相当する地域に30万人の子どもと150万人の福島県民が放置されている。
戦時下とも言えるこのすさまじい事態の中で、現場では何が起こっているのか。福島県では、子どもにマスクの装着を指導しただけで管理職から「生徒に不安を与えるな」と指導され、絶望の中で辞職する教育労働者も出始めている。また関東圏では自治体が独自に学校の放射線量を計測し始めているが、法定被曝基準量・年間1㍉シーベルトを超える数値が出ようと平然と「影響はない」と発表されている。実際、保護者らへの対応を迫られるのは現場労働者だ。すべて4・19通知を背景にしたものだ。
まさに4・19通知は、保護者や教育労働者を行政のもとに組み敷くためのものだ。今や「生きさせろ」という根源的要求を、政府・文科省が踏みにじり、職場での非和解の激突となっている。これは一歩の後退も妥協の余地もない決戦だ。
福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに就任し、「100㍉シーベルトは大丈夫」と吹聴して徹底弾劾されている長崎大学教授・山下俊一は「私たちは日本国民」「国の指針が出た段階では国の指針に従うのが、国民の義務」と呼号している。これは「(全原発の稼動)この一点に国家の存亡がかかっている」というJR東海会長・葛西の発言と完全に一つだ。ブルジョア国家、そして核と核政策と労働者階級の存在とは絶対に相いれないことをあいまいさなく示している。
だからこそ福島県教職員組合の決起は決定的に重要だ。”殺人行政”と化した文科省に対し、教育労働者が団結して職場支配権を確立し、自らの力でこの現実に立ち向かわない限り、子どもたちの命も自らの労働の安全も守ることはできない。
また権力による教育支配との闘いをよみがえらせることも決定的になっている。これまで教科書や副読本をとおして”CO2削減のため””原発は5重の壁で守られ絶対安全”という教育が行われてきた。しかしこれも全部ウソだった! 新学習指導要領では”放射線は自然界にも存在する””医療や製造業などで利用されている”と、原発は危険なものではないと教え込む内容が盛り込まれているのだ。
今年の中学校教科書採択の攻防をその突破口にしよう。東電や東電労組が藤岡ら「つくる会」メンバーと結託し、教科書の分野でも原発推進政策を行ってきたことも暴露されている。「つくる会」教科書の採択を絶対に阻止し、原発推進教育にトドメを刺そう!
第二に、大阪府知事・橋下と大阪維新の会が6月3日に府議会で強行成立させた「君が代」起立・斉唱条例を粉砕しよう。勝利の鍵は、反原発闘争と一体で全国の教育労働者が総決起することだ。橋下らは9月府議会で、職務命令違反をもとに免職にする解雇条例の成立も狙っている。絶対に許せない。
これは5・30−6・6の「日の丸・君が代」訴訟最高裁反動判決と軌を一にしたものだが、しかしこれまでの「日の丸・君が代」攻撃の延長ではない。大恐慌と原発大事故が労働者階級の怒りを噴出させる中で、ファシスト的嗅覚(きゅうかく)で橋下が打ち下ろしてきた大攻撃である。
3・11情勢の中でいまだ教育労働者が職場支配権を握っていることへの恐怖であり、この教育労働者の怒りと被災地の怒り、そして全労働者の怒りが一つになって、国策に総反乱が開始されていることに対して、国家主義イデオロギーでたたきつぶすことを狙ったものだ。360万人首切りの道州制攻撃の突破口だ。
この条例が「学校における服務規律の厳格化」と明記し、橋下が「思想ではなく組織の問題」と明言しているように、教育の自由も教職員の思想・信条もはなから否定し、一点”公務員は行政に従うのは当然”として、教育労働者を国策の担い手に動員しようと狙っている。復興イデオロギーと一体で、職場闘争を一掃し、労働組合の存在を否定するものだ。
橋下は「日の丸・君が代」不起立闘争を「教育行政のおかしさの象徴だ」と批判する。ふざけるのもいい加減にしろ! 子どもたちに平然と死の教育を強いる文科省の教育行政こそ根本的に間違っている。
橋下は「公務員は身分保障がありすぎて組織の体をなしていない」とも批判する。だが、被災地の公務員労働者は必死で被災者とともに闘っている! 組織としての体をなしていないのは、原発推進のために菅降ろしだの大連立だのと右往左往している支配階級だ!
3・11は支配階級の完全な破産を突き出し、同時に現場を回しているの
は労働者の団結した力であることを示した。
そして不起立闘争こそ、このような腐りきった政府と行政から職場と教育を奪還するために、階級的団結を基礎にして脈々と闘い抜かれてきた教育労働者の歴史的闘いだ。教育労働者が歴史的使命と団結の力を自覚して決起するならば、こんな橋下のファシスト的策動など一発で粉砕できる。これまでの力関係を根本的に転換する労働者の団結を、3・11をとおして私たちがつかんだからだ。
不起立闘争はこの間、労組幹部の逃亡により個人の思想・信条や良心を守る闘いに切り縮められてきた。しかし不起立闘争はもっと根源的で偉大な闘いだ。職場の団結に依拠して職場抵抗闘争として闘えば、国策を打ち破る力が発揮される。「10・23都教委通達」以来8年間の攻防は、絶対反対の団結で免職攻撃をも打ち破ってきた。
橋下の最大の狙いは、労働組合の解体だ。勝負どころは闘う組合をよみがえらせることにある。9月解雇条例阻止へ、職場の怒りを束ね、職場の団結をよみがえらせて闘おう。労働組合の闘いとして不起立闘争をよみがえらせる時がきた。
第三に、以上の決戦を日教組本部打倒のランク&ファイル(現場労働者)運動で闘いぬこう。
3・11は新自由主義の破産を示した。しかし資本家階級には新自由主義しか延命の道がない。それを体制内労組幹部の一層の先兵化で強行しようとしている。だからこそ今、国鉄闘争が国労による闘争団切り捨て・JR連合へのなだれ込みと動労千葉破壊との大決戦に突入している。「20㍉シーベルト通知」による職場の分断も、橋下による「君が代」起立・斉唱条例攻撃も、日教組本部の容認を織り込んだものであり、JRにおける攻撃と完全に一体だ。
日教組本部の「文科省とのパートナー」路線は、国鉄分割・民営化という大攻撃に震え上がった日教組本部が総評解散−連合結成になだれ込んだことから始まった。この中で日教組本部は職場闘争を放棄し、教育闘争からも逃亡した。これが「日の丸・君が代」や「つくる会」教科書を容認し、原発推進教育を跋扈(ばっこ)させた。
そしてついに日教組本部は、文科省と一体で福島の子どもたちを見殺しにするまでに転落した。橋下による大攻撃にも沈黙だ。それだけではない。公務労協議長である日教組委員長・中村のもと、連合−公務員連絡会は人事院勧告否定−憲法・労働基本権停止の賃金カットに「給与の削減原資が復興財源に活用されることを期待」「日本の再生」(公務員労働組合連絡会「声明」)をうたって合意した。これを「労働基本権回復の歴史的前段」とまで賛美している。復興イデオロギーのもと、労働組合が民主・自民の大連立に合流し、震災解雇・賃下げと大増税を労働者に強いていく段階に突入した。
しかし3・11情勢こそこの連合労働運動の本性を完全に暴き出した。「職場からの闘いで打倒しなければならない」という強固な意志と団結を労働者の中に生み出した。それが3・11情勢と対決して闘い抜かれた6・5全国集会であり国鉄闘争全国運動だ。国鉄闘争を基軸に連合労働運動を現場から打倒する時がついに来た! 連合−日教組本部を打倒し、これらの大攻撃に対し全国統一ストライキで大反撃する労働組合をよみがえらせよう! それはできる。被災現地の闘いを伝える「救援対策本部ニュース」を思い切って職場の全労働者を対象に配布し、具体的行動方針を提起することで、職場や組合員が一挙に変わり始めている。職場から具体的に運動をつくり出す闘いが始まっている。
A地区教組では、定期大会で20㍉シーベルト通知撤回・福島県教組連帯の特別決議案が職場・分会から組織され、単組を二分する大論議が始まった。B地区教組では、定期大会での現場代議員の大奮闘で、執行部が一切触れていなかった20㍉シーベルト問題について、「撤回を目指す」という特別決議を上げさせた。画期的闘いが全国で始まっている。
労組交流センター運動が歴史の先頭に立つ時が来た。ランク&ファイルの活動家集団としての本領を発揮して、職場・組合権力を目指し闘おう。その核心は強大な職場細胞建設にある。職場と労働組合、そして党の闘いを一つにして、8・6ヒロシマへ一直線に闘いぬこう。すべての教育労働者は革共同教育労働者委員会に結集しよう。
東京「日の丸・君が代」闘争
“起立・斉唱の職務命令は合憲”
最高裁の反動判決弾劾
職場闘争まき起こし反撃を
「君が代」斉唱時に起立せず処分を受けた東京の教育労働者が再雇用を拒否された事件の訴訟で、最高裁は、5月30日、6月6日と相次ぎ上告を棄却、都教委の03年「10・23通達」に基づく校長の職務命令を合憲とする判断を打ち出した。 10・23通達・・・
前進社 〒132-0025 東京都江戸川区松江1-12-7 週刊『前進』・毎週月曜日発行
2000年6月5 日公式サイトzenshin.org開設 2008年3月17日速報版サイト開設.



