週刊『前進』06頁(2533号2面1)(2012/04/23)
「全員解雇」=総非正規職化を打ち出した橋下を打倒しよう
国鉄決戦を基軸に一大反転攻勢へ
大恐慌下の丸ごと民営化、全員解雇・非正規職化に突き進む橋下反革命との全面激突の時が来た。橋下徹大阪市長は、現業丸ごと民営化と医療・福祉・教育など施策・事業の「ゼロベース」での見直しで、正規職員の半数=約2万人の分限免職と、公共部門・・・
大恐慌下の丸ごと民営化、全員解雇・非正規職化に突き進む橋下反革命との全面激突の時が来た。橋下徹大阪市長は、現業丸ごと民営化と医療・福祉・教育など施策・事業の「ゼロベース」での見直しで、正規職員の半数=約2万人の分限免職と、公共部門で働く二十数万人の労働者の大量解雇を相次いでぶち上げた。国鉄闘争全国運動6・10集会への大結集を力に、自治体職場から、「復興特区」と橋下反革命を頂点とする究極の新自由主義への総反撃をたたきつけよう。
民営化と事業の切り捨てで職員大量解雇
大阪市戦略会議は3月7日、2015年10月までに3万9800人の大阪市職員を半減させる大量解雇方針を打ち出した。交通、病院、水道、下水道、ごみ収集・焼却、保育園・幼稚園の丸ごと民営化で、そこで働く全職員1万6400人を分限免職する。さらに市役所本庁や区役所で働く行政職や教員なども退職不補充と委託、府市統合、学校統廃合などで1350人を減らす。総数1万9550人を解雇する歴史的攻撃である。
さらに4月5日、大阪市改革プロジェクトチームは「市役所のゼロベースのグレートリセット」と称する「施策・事業の見直し(試案)」を公表し、大キャンペーンを始めた。大阪市の行ってきた予算規模1億円以上の443事業のうち104の施策・事業について見直し、3年間で総額548億円をカットするというのだ。高齢者医療・福祉施設の廃止、病院への拠出金の10億円削減、小学校の経費削減、障害者・高齢者世帯などの上下水道費減免廃止、民間保育所補助の廃止、低所得世帯への国保料3割減免廃止や保育料徴収、コミュニティバス補助金7割カットと敬老パス有料化などが項目として上げられている。生活の根幹にかかわる施策・事業を切り捨て、「受益と負担の適正化」と称して貧困世帯からむしり取る大衆収奪だ。
同時に、公共部門で働く公営・民営の労働者二十数万人に対しては、大阪市音楽団の音楽士をはじめ廃止・削減対象とされた事業の正規・非正規職員を大量解雇し、無権利・超低賃金の「有償ボランティア」を大量導入することをうち出した。
橋下は、この削減案について「収入に合わせ、ぜいたくを改める」「この作業を繰り返さないと地域の活性化はあり得ない」と述べた。生きるか死ぬかの生活を余儀なくされている貧困世帯への福祉対策のどこが「ぜいたく」だというのか!
橋下の言う「地域活性化」とは資本家のためのものでしかない。
労働規制撤廃、「首切り自由」の社会を狙う
橋下は、堺屋太一との共著『体制維新—大阪都』(文春新書)の中で「公務員も能力や意欲がなければクビを切られるし降格もされる。労働基本権の問題は、この価値を前提に考えられるべき」と言ってのけた。労働基本権を奪い、首切りや賃下げ、公務災害責任の放棄すら当局の意のままとするということだ。
同書では「民営化が経済を成長させて税収をあげ、利便性も向上し、行政改革で確保できた財源とともに医療、福祉、教育といったサービスに還元できる」と宣伝していた。しかし今や、その大うそさえ投げ捨て、医療・福祉・教育の解体をもたらすむき出しの新自由主義に突進しているのだ。
労働運動を最大の焦点に歴史を分かつ決戦の時が来た。資本主義の危機は最末期に至り、大恐慌と大失業が全世界を覆っている。
JRでの業務全面外注化、原発再稼働、「復興特区」、そして橋下反革命を突破口とする究極の新自由主義攻撃は、労働者人民の職と生活、命まで奪いつくし、社会全体を崩壊のふちに追いやるものだ。
橋下・維新の会は、マスコミを総動員して公務員バッシングを激化させ、あたかも公務員であることが悪であるかのように描き出し、労働者の誇りを踏みにじって分断と団結破壊を狙う。抵抗する力を奪い、事業廃止・民間譲渡の際に「就職の機会を与える」(採用試験を受けることができるようにする)だけで分限免職ができるとする職員基本条例の制定を強行しようとしている。
大恐慌下の公務員攻撃と労働規制撤廃・「解雇自由」攻撃は何を意味するか。解決不能の債務危機が再燃するギリシャ、スペイン、イタリアの現実を見よ。各国政府は公務員削減を全面化させ、雇用の「硬直化」に危機の原因があるかのように宣伝して、「解雇禁止」の見直し、規制緩和による首切り・賃下げ、年金破壊に突進している。
日本版「ショック・ドクトリン」(惨事便乗型資本主義)としての「復興特区」に呼応して、アメリカの保守系シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)は、①安定的エネルギー供給(原発存続)、②税制改革(法人税引き下げ、消費税増税)、③規制改革(特に労働規制の緩和)、④貿易自由化(TPP=環太平洋経済連携協定交渉参加)を提言とした。つまり、労働規制撤廃で「アジア諸国との比較において事業環境のイコール・フッティングを確保すること」(日本経団連「復興・創生マスタープラン」)、すなわちアジア諸国並みの労働条件実現に支配階級の狙いがある。その核心が「解雇自由」、総非正規職化だ。
日航労働者148人に対する3月29日、30日の東京地裁「解雇有効」判決は、国鉄闘争解体の一昨年4・9政治和解を引き継ぐ新たな「4・9反革命」だ。「整理解雇4要件」を葬り去り、「解雇自由」と労働組合解体を進める極反動判決である。今やJR全面外注化阻止決戦を基軸に、「復興特区」と橋下反革命による全員解雇・非正規職化との激突が最大の攻防となった。
連合系の自治労本部や大阪市労連本部こそ、こうした民営化攻撃にさおさし、推進する最悪の裏切り者だ。今や彼らは、経団連とともに民主党政権を支える柱となって、消費税大増税と社会保障切り捨ての「税と社会保障の一体改革」、公務員首切り・賃下げの「公務員制度改革」、新自由主義を全面展開する「新成長戦略」を実務者の立場から提案し労働代官として推進する立場に完全移行した。
彼らにとって民営化・外注化・非正規職化は当然の前提であり、社会保険庁解体による全職員2万8千人のいったん解雇・選別採用がそうであったように、組合員の大量解雇すら自らの権益確保のためのネタにする存在になり果てている。今年の1月4日、橋下市長に腰を90度折って恭順の意を示した大阪市労連・中村義男委員長の恥ずべき姿こそ彼らの本質だ。
現場の激しい怒り解き放ち6・10集会へ
大恐慌下の全員解雇・労組絶滅攻撃に対してはこれまでのような当局・資本との労使協調路線では通用しない。体制内幹部から労働組合を奪い返し、現場の怒りを爆発させて団結の拡大を総括軸に絶対反対で闘いぬくことこそ勝利の道である。
新自由主義に成算などない。戦後革命期に匹敵する支配の崩壊、既成党派の衰退が進行している。被災地を先頭とする生き抜く闘い、労働者の怒りと団結が資本の圧政を打ち倒すのだ。
労働者が黙って首を差し出すと思ったら大間違いだ。現場の怒りを爆発させ、デマとペテンと恫喝で虚勢を張る橋下・維新の会を労働者の力で打ち倒そう。それは間違いなく、新自由主義を〈逆包囲>し葬り去る労働者総反乱の号砲となる。
倒すか倒されるか。労働運動をめぐる「関ケ原」ともいうべき歴史的決戦の到来だ。すでに大阪では、八尾北・西郡決戦として橋下への大反撃が始まった。大阪市の職場で、青年労働者を先頭に怒りに満ちた闘いが繰り広げられている。「日の丸・君が代」不起立決起は、職場の団結をよみがえらせ、全国の労働者に勇気を与えている。大阪市の現業労働者2万人、大阪市労働者4万人、二十数万人の公共部門労働者、全国の労働者が団結し、ストライキを復権させて解雇絶対反対で闘い抜くならば、橋下反革命を粉砕しつくすことはまったく可能だ。
動労千葉の4・1外注化阻止・組織拡大の歴史的地平に続き、外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負弾劾を闘い抜こう。全職場で国鉄闘争全国運動を進め、6・10集会への大結集をかちとろう。
(大迫達志)
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大阪市改革PTが見直し対象にあげた主な事業
【「受益の負担の適性化」】
敬老バス(半額負担に)
国民健康保険(保険料引き上げ)
保育料減免・民間保育所補助
学校給食協会交付金
【施設・事業の廃止】
大阪市音楽団
青少年施設、学習センター
男女共同参画センター
上下水道の基本料金減免措置
新婚家賃補助の停止
老人憩の家への運営補助
【事業再構築・縮小】
コミュニティバス(補助カット)
老人福祉センター(26→18カ所)
区民センター(34→9カ所)
温水プール(24→9カ所)
スポーツセンター(24→9カ所)
※すべてが労働者人民を直撃する、なにが「ぜいたくを改める」だ!
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