週刊『前進』06頁(2533号6面2)(2012/04/23)
資本主義社会うち破り労働者が主人の社会へ
民主労総ソウル本部 キムスギョン副本部長
民主労総ソウル本部の16万組合員を代表してトゥジェン(闘争)でごあいさつします。トゥジェン! 3・11大地震と福島原発爆発が発生してから1年、その中でも少しもひるまず、力強い闘争を繰り広げている日本の同志のみなさんに敬意を表し・・・
2012年4月23日発行 第2533号
資本主義社会うち破り労働者が主人の社会へ
民主労総ソウル本部 キムスギョン副本部長
民主労総ソウル本部の16万組合員を代表してトゥジェン(闘争)でごあいさつします。トゥジェン! 3・11大地震と福島原発爆発が発生してから1年、その中でも少しもひるまず、力強い闘争を繰り広げている日本の同志のみなさんに敬意を表し・・・
民主労総ソウル本部の16万組合員を代表してトゥジェン(闘争)でごあいさつします。トゥジェン!
3・11大地震と福島原発爆発が発生してから1年、その中でも少しもひるまず、力強い闘争を繰り広げている日本の同志のみなさんに敬意を表します。
韓国社会には約140万人の移住民がともに暮らしています。移住民とは移住労働者、結婚移住民、児童、難民などを含む言葉です。この中で移住労働者は50%に達します。それほど韓国社会は数多くの移住労働者を必要としています。
韓国では2004年に産業研修生制度の問題点を補完するために雇用許可制という制度を導入して施行しました。施行以後、8年が過ぎましたが、依然として現代版奴隷制という問題点を持っています。これは期間を定め、職場移動の自由を制限していて、移住労働者は低賃金、長時間労働、業務上災害、人種差別待遇にさらされていて、このような移住労働者を韓国政府は保護するどころか不法滞留者としてののしり、追放するために取り締まりばかりを強化しています。
韓国で働く数多くの移住労働者はひたすら生きるために逃げて高い建物から飛び降り、捕まれば出入国管理者から暴行を受け追放されてしまいます。追放された移住労働者は二度と韓国に戻ることはできません。韓国での賃金未払いがあったとしても受け取ることもできず、誰かに訴えることもできません。
80年代後半から数百万人の移住労働者が韓国社会と経済に大きな寄与をしてきたのに、韓国政府と事業主は移住労働者に社会的認定と待遇をせずに、かえって人権の死角地帯に追いやり、人種差別をしているのです。
移住労働者は依然として「使い捨て労働者」として劣悪な搾取を受けています。今年、日本では在留カード制度が施行されると聞きます。これは韓国の雇用許可制と異ならないと思われます。
日本に居住する移住労働者たちを分離して彼らを監視し、取り締まるというものです。これもまた労働者を人間ではなくひとつの機械として扱うというものであり、監視、取り締まりを行う出入国管理法だけを強化するというものです。
日本政府も韓国政府も、事業主は、移住、外国人労働者についての労働者性認定と、差別のない待遇、搾取されないことの保障、人種差別のない自国民と同一の保護制度を整え、不法に移住労働者を悪用して搾取する事業主らを処罰する制度を強化しなければなりません。
この場に参加した私たちは国籍と人種を超えて、労働者はひとつだという旗のもと、ひとつになった声で階級闘争を展開しましょう。資本主義社会を打ち破り、労働者が主人となる社会のために国籍と人種を超えてともに闘っていきましょう。トゥジェン!
2012年4月16日発行 第2532号
アサド政権打倒へシリアの反乱
新自由主義への怒りが爆発 既成労組のりこえ地域共闘
エジプト革命に呼応して反乱を開始したシリア労働者人民のアサド政権打倒の闘いは、政府軍の凶暴な弾圧と虐殺に抗し、1年にわたって数次のストライキを含んで不屈に続けられている。 米帝、国連、中東反動政権などが闘争の革命的展開を恐れて介入し、政府・・・
第一に、シリア人民の反乱の根底にあるのは、アサド政権の長年の新自由主義的圧政への労働者人民の怒りの爆発だ。シリア軍の人民残虐行為は、この闘いへの恐怖と憎しみの表現なのだ。
新自由主義のもと、IMF(国際通貨基金)の指示する民営化など「構造調整プラン」を強行してきたアサド政権によって現在、全人口の3分の1が生存水準以下の生活を強いられ(国連統計)、失業率は20%を超え、青年層は半数以上が失業、公共サービス労働者はダブルジョブが普通、農民は土地から追い出されるという状況が生まれている。しかもシリアは1970年から親子2代のアサド軍事独裁体制の非常事態法のもとにあり、人民の基本的権利は一切奪われてきた。この中で蓄積した怒りが一気に爆発したのだ。
第二に、シリアの反乱はチュニジア蜂起、エジプト革命に激励されて爆発した。シリアはトルコ、レバノン、イラク、ヨルダンなどの諸国と国境を接し、イスラエルやイランともほぼ地続きで、西アジア・北アフリカの心臓部に位置している。シリア労働者人民の闘いは、帝国主義の中東支配への決定的打撃であり、地中海を隔てたギリシアなどヨーロッパの労働者人民にとって、プロレタリア世界革命への巨大なアピールなのだ。
第三に、シリアの反乱の革命的発展を何よりも恐れているのは、米欧帝国主義諸国(日帝も)と中東産油国の諸反動政権だ。シリア労働者人民の闘いに恐怖したサウジアラビアなど中東の反動諸政権が、彼らの敵であるイランと盟友関係にあるアサド政権に対し、当初は「シリア政府支持」「暴動は陰謀」などの態度を表明していた。
そうした中で米帝オバマは昨年5月18日、対シリア経済制裁を発表し、国連での制裁論議、シリア反政府勢力の取り込みなどを通して、アサド打倒へ進むシリア労働者人民の不屈の闘いを圧殺する行動に乗り出した。
また、シリアの地中海岸に海軍基地を持ち、武器援助を行ってきたロシアは一貫してアサドを支持してきた。
米帝にとって「石油・イスラエル問題すなわちパレスチナ、イラン問題」を抱える西アジア・北アフリカは、中国・東アジアに次ぐ戦略的地域だ。イラク侵略戦争敗北の中でエジプト革命に直面した米帝は、リビアを反革命的巻き返しの拠点とするため、大規模な空爆を続行しつつシリア情勢への対応を迫られた。
第四に、米帝はそのために、リビア型の直接軍事介入を追求しつつ、当面はシリア労働者人民の反乱に介入し、国内抵抗勢力をからめ取ろうとしている。そのために「シリアの友人」会議を、昨年12月と今年3月の2回、国連や湾岸諸国を動員して開催し、「シリア国民評議会」なる組織にシリアの反政府勢力代表として「国際的承認」を与え、その指導のもとに「自由シリア軍」という軍事組織を置いて資金・武器供給を行うことを決定したのだ。
この「シリア国民評議会」は亡命政治家などが、シリア反乱後に隣国トルコ(西アジアでのNATOの砦)で急きょ結成した組織で、国内で闘う抵抗運動と何の関係もなく、現在は分裂状況だといわれる。「自由シリア軍」は、もともとは「人民に武器は向けられない」として、アサドの軍隊から離反した兵士たちの運動だった。しかし、これもトルコに亡命していた旧軍将校らが、サウジやカタールなどから供給される武器を与え、自らの指揮下に入れてしまった。
ではこの間、シリアの労働者人民はどのように闘ってきたのか。
チュニジア蜂起、エジプト革命が爆発した昨年1月、首都ダマスカスの南ダルアーで、高校生たちが壁に「アサド打倒は人民の声」と書いて逮捕され、拷問されたことが発端だ。3月18日の金曜日(イスラム礼拝日)、シリア労働者人民は同地でこれに抗議する数万人の空前のデモ・集会を行った。軍隊が出動し、戒厳令のもとに町全体を包囲、デモ隊に発砲、電気・水道・ガスなどを遮断した。しかし労働者人民はひるまず、ダルアーを先頭に全国でデモを継続し、毎金曜日が闘争日となった。
3月に開始された大衆的な反乱は、アサドの政治体制の一部である既成政党や既成労働組合と関係なく各地に分散した活動家、青年たちが中心となり、独自に地域共闘委員会などのゆるやかな結合体をつくって拡大していったものだ。
シリアの労働者階級は、体制内労働組合(GFTU)の「スト=陰謀」論に抗し、昨年5月以来、アサド打倒のゼネストを計画した。軍隊の恫喝と介入にもかかわらず10月26日、アラブ連盟代表団の訪問の機会をとらえてゼネストを実現させた。軍の襲撃に抗して主要都市の交通機関、公共サービスがストップ、商店も閉店した。
こうしたシリア反乱の階級的展開に揺さぶられたアサド政権は、戦車、ヘリ、重火器まで投入して、人民せん滅的な軍事攻撃に転じ、反乱都市を一つひとつ軍事的に陥落させ、住民虐殺をくりかえし、ますます絶望的に凶暴化している。
「シリア国民会議」「自由シリア軍」などの、帝国主義の手先となった”反政府勢力”から、シリア労働者人民が闘いの主導権を奪い返すかぎは、激闘を続けるエジプトのように、労働組合を軸としたソビエト型の住民共闘組織の形成である。
(川武信夫)
【『国際労働運動』5月号「シリア/新自由主義のアサド独裁権力に反乱」を参照】
2012年4月 9日発行 第2531号
中国スターリン主義は大激動に突入 全人代が示したもの
バブル崩壊で成長率見直し労働者・農民への弾圧も強化
(写真 日系企業オーム電機で5千人がストに決起【3月29日 深せん】) 中国の第11期全国人民代表大会第5回会議が3月5日から14日まで、北京の人民大会堂で開催された。人民解放軍や武装警官70万人を動員し、戦車ま・・・
(写真 日系企業オーム電機で5千人がストに決起【3月29日 深せん】)
中国の第11期全国人民代表大会第5回会議が3月5日から14日まで、北京の人民大会堂で開催された。人民解放軍や武装警官70万人を動員し、戦車まで配備した重警備態勢の中で開催された今大会は、バブル崩壊の中で陸続と決起する労働者、農民のストライキ、抗議、反乱、暴動や諸民族の闘いの前に追いつめられている中国スターリン主義の姿を示した。
温家宝首相は「文化大革命の再来(の危険性)」を絶叫し、始まった中国大動乱への恐怖をあらわにし、刑事訴訟法改悪をはじめとする弾圧体制を強化することで中国スターリン主義体制を守ろうと必死になっている。中国スターリン主義と中国労働者階級の大激突は今や本格的に始まろうとしているのである。
大会は、米帝の新軍事戦略とTPP(環太平洋経済連携協定)政策の展開、欧州危機の直撃、そしてその中でのバブル経済の崩壊という中で開催された。
2008年のリーマンショックで本格化した世界大恐慌の中で、中国スターリン主義は経済成長を続けるために4兆元(当時のレートで約56兆円)におよぶ国庫からの資金投入を行い、バブルによって中国経済の成長を維持した。そのバブルにわく中国市場に米帝など帝国主義が資金を投入することで、破局に直面した世界経済は辛うじて延命してきたのである。
しかしこの政策の結果、温家宝首相の政府活動報告によれば、中国は中央政府と地方政府はそれぞれ5500億元(7兆1500億円)、2500億元(3兆2500億円)という膨大な借金を抱えることとなってしまった。もはや膨大な財政投入で経済危機をのりきるのは困難な状況に入っている。そこに欧州経済危機が中国経済を直撃し、バブル経済自身も今や崩壊過程に入った。同政府活動報告によれば、2011年度の都市の失業率は4・1%で1千万人にのぼるとされている(これはあくまで都市戸籍を持つ者で失業者として登録された数にすぎない)。特に大学生の就職問題は深刻で100万人余りの大学生が就職できない状況になっているという。さらに2億5300万人といわれる農村部の出稼ぎ労働者の問題が失業問題に拍車をかけている。
こうして今大会では、経済成長率(国内総生産前年比伸び率)の目標を7・5%にするとし、一方で消費者物価指数の上昇率を4%前後に維持するとした。また都市部登録失業率を4・6%以下に維持するとした。
経済成長率を8%以下にしたのは8年ぶりである。一方で消費者物価指数の上昇率を4%前後に維持するとしたのは、激しいインフレが依然として続いていることを示している。インフレが依然として続く中で、経済成長率を見直し、減速させてなんとか成長を維持しようとしている。だが成長率の減速が失業問題の深刻化に拍車をかけることは明白である。
また「輸出入総額を10%伸ばす」としているが、これは、中国経済封じ込めを狙った米帝のTPP政策と全面激突することは不可避であり、米中対峙・対決を激化させ、対米対抗的な中国の軍事大国化を一層促進するものとなっていく。
今大会で最大の焦点となったのが刑事訴訟法の改悪であった。特に問題となったのは73条と83条である。73条は「監視居住」制度(被疑者を警察の監視下に置く制度)について定めているが、今までの「自宅での監視」とは別に、「国家の安全に危害を及ぼす疑いのある犯罪やテロ活動犯罪、重要な賄賂(わいろ)事件で」「捜査に支障のある場合」は、「警察機関の指定した場所」で監視下に置くことができるという条項を新たに加え、政治的な嫌疑で被疑者を指定した場所に収容し、その自由を完全に奪うことができるようになった。83条は逮捕と勾留について規定しているが、「国家の安全に危害を及ぼす疑いのある犯罪やテロ活動犯罪で」「捜査に支障のある場合」は、「家族に通知せず」に逮捕や勾留ができることを新たに明文化した。
刑訴法改悪案は14日の最終日に、賛成2639票、反対160票、棄権57票で採択された。中国共産党の方針を支持する者以外はまず代表になれない大会で、これだけの反対票が出たことは、労働者階級の怒りの大きさを示している。
さらに刑事訴訟法の改悪と一体で、ネット規制の強化が打ち出され、実際に大会終了直後の3月16日から主要な四つの中国版ツイッター(微博、中国ではツイッターへのアクセスが禁止されており、中国独自のツイッター機能を持つミニブログがいくつもある)が実名登録制となり、実名と身分証番号を登録しないと書き込みなどができないようになった。
中国では今、バブル経済の崩壊の中で労働者のストライキが連日のように各地で闘われ、一方で烏坎村での闘争に促されて農民の決起が全国で相次いでいる。さらにチベットやウイグルでの諸民族の命懸けの闘いも爆発している。まさに中国は大動乱状況に突入しつつある。こうした労働者や農民、諸民族の闘いにおびえ、それをなんとしても圧殺しようとして刑事訴訟法が改悪され、ネット規制が強化されたのである。
こうした中国スターリン主義の大激動情勢への突入への危機感を吐露したのが、大会終了後の温家宝の記者会見での「文化大革命」発言である。
「今、改革は決定的な段階に入り、政治体制の改革がなければ、経済体制の改革は徹底せず、すでに得た改革と建設の成果を完全に失うこともありうるし、社会で新たに起きている問題に関しても根本的な解決ができなくなり、“文化大革命”のような歴史の悲劇が再び起きることもありうる。すべての責任ある党員と指導幹部は緊張感を持たなければならない」
この発言は、今大会を前にして発生したいわゆる「重慶事件」と関係がある。重慶市の副市長兼公安局長の王立軍が、不正事件の調査をめぐって薄煕来重慶市党委員会書記と対立関係となり、保護を求めて今年2月に米総領事館に逃げ込み、ついには薄書記の失脚につながった事件である。
昨年の中国共産党創設90周年に際して、薄煕来書記は自らの政治的思惑もかけて文化大革命期さながらの「紅歌運動」を展開した。人びとを動員して革命歌を歌う運動は、さらに中国革命の「革命聖地」ツアー運動とともに全国に拡大した。重慶市のみならず中央指導部も当初、「共産党への忠誠」を高める運動としてこれを推進したが、「極左的な思想を呼び覚まし、階級闘争というパンドラの箱を開ける恐れがある」(中国誌「人民論壇」)などの指摘が政権内部からされるようになった。
実際に運動の結果起きたことは、今の政権への疑問と怒りの拡大であった。例えば聖地ツアーで延安に行った労働者は、革命戦争当時の毛沢東の居室を見て「机とイスとベッド以外何もない。こんなに質素な生活をしていたのか……」とびっくりし、「今の共産党幹部のぜいたくな暮らしぶり……。あいつらは原点を完全に忘れている」という感想を持って帰ってくる。「紅歌運動」などの「共産党忠誠」運動は、皮肉なことに、労働者の階級意識を覚醒(かくせい)させ、階級闘争に拍車をかけてしまうのだ。
迫りくる大激動を肌身に感じている中国スターリン主義は、この恐れから「紅歌運動」を主導した重慶市指導部を憎悪し、この大激動を促進した責任を押しつけて彼らを処分したのである。
この事件は、一般的にはいわゆる太子党と共青団閥との党内権力闘争とされているが、そもそもこうした党内権力闘争自身が、今の中国スターリン主義のすさまじい破局の現実が生み出している「保守」派と「改革」派(一定の「政治改革」でのりきろうとする)の破産的な対立にほかならないし、重慶事件はその中国スターリン主義の破産が極限的な党内闘争として爆発したものだと言える。それは同時に、今年秋の中国共産党大会で確立するといわれている習近平新体制の危機を表すものでもある。
温家宝首相の「文化大革命」発言は、中国の階級闘争が新たな大激動情勢に入ったこと、それに対する中国スターリン主義の心底からの恐怖心を示している。今全人代は中国の階級闘争の現実を赤裸々に示した。
われわれは中国の労働者・農民の必死の闘いに連帯し、大恐慌と大震災・原発大事故にあえぎ、米帝の新軍事戦略と一体化してアジア侵略と原発再稼働へ進む日帝・野田政権を必ず打倒しよう。プロレタリア世界革命へ前進しよう。
〔河原善之〕
2012年3月12日発行 第2527号
ILWUローカル21の勝利
組合排除狙うEGT社に職場実力闘争で打ち勝つ
「占拠運動」を獲得・連帯し
(写真 線路内で穀物列車阻止闘争【11年9月21日】) (写真 12・12西海岸港湾封鎖の前日に行われた伊藤忠東京本社抗議闘争は現地の闘いを激励した) 2月7日、アメリカのILWUローカル21(国際港湾倉庫・・・
(写真 線路内で穀物列車阻止闘争【11年9月21日】)

(写真 12・12西海岸港湾封鎖の前日に行われた伊藤忠東京本社抗議闘争は現地の闘いを激励した)
2月7日、アメリカのILWUローカル21(国際港湾倉庫労組第21支部)組合員はEGT社穀物倉庫と輸出用船舶で就労し、スト破り要員は排除された。ローカル21は職場の団結・実力闘争を基礎にして、全米、全世界の階級闘争の焦点になり、ついに歴史を動かしたのだ。
220人のILWUローカル21、全体でも4万のILWUが、超巨大な独占資本に勝利した。今回の協定は、EGTで働く労働者はすべてローカル21のハイヤリングホールから派遣されると規定している。ハイヤリングホールは組合員が民主的に選出したディスパッチャー(派遣責任者)が、労働者を各職場に公平に派遣する仕組みだ。これはILWU労働運動の核心であり、これをEGTに認めさせたことは大勝利だ。全米、全世界の労働者に巨大なインパクトを与えている。
EGTは、世界の3大穀物商社の一つ、バンジーと日本の巨大総合商社伊藤忠、韓国の海運会社STXの合弁だ。それらは銀行・証券会社と一体化し、政府と癒着している。
バンジーも伊藤忠もバイオエタノール製造の大手だ。トウモロコシから作られるエタノール燃料は、エタノール生産のために使われるエネルギーの方がエタノールから得られるエネルギーより大きい。バイオ燃料は政府の補助金を奪う税金泥棒産業なのだ。また、独占資本が農家を借金漬けにし、生殺与奪の権、価格支配権を握ることで利益を出す仕組みなのだ。
政府との一体化を示すあと一つの事実はTPP(環太平洋経済連携協定)だ。日本では今、伊藤忠の小林栄三会長らが政府の審議会「食と農林漁業の再生実現会議」をつくってTPPを推進し、農林漁業を独占資本の食い物にしようと策動している。
このように、EGT=バンジー・伊藤忠・STXは政府と一体であり、波止場のウォール街だ。それが総力で襲い掛かったが、労働者に敗れたということだ。
新たにロングビュー港に進出したEGTは当初、ILWUローカル21に時間外手当なしの長時間労働、安全規定の半減、賃下げなどを提示し、それをのまないからとILWUを排除した。そして穀物倉庫運営の経験がない会社に業務を請け負わせ、それが非ILWUの労働者を雇った。完全な偽装請負だ。
ILWUは20世紀初頭以来の長い闘いで西海岸の港湾施設の雇用を確保し、その権利を経営者団体にも港湾当局にも認めさせてきた。EGTは、その雇用の権利に手をかけたのだ。
80年代以降の外注化・労組破壊が、ついに労働運動の最も戦闘的な拠点であるILWUに正面から襲い掛かってきたということだ。港湾当局や経営者団体との協約に明文で記されていることを踏みにじり、平然と法律違反をして土足で踏み込んできたのだ。
敵が従来の枠を越えて攻撃してきたとき、労働組合は何をすべきかが問われた。
昨年6月3日、ILWUの大反撃が始まった。組合員千人以上がEGTの本社前で抗議集会を開き、戦闘宣言を発した。
7月11日には、EGTの穀物輸出ターミナルに向けてデモが行われた。ローカル21の組合員は門を打ち破って構内に突入し、抗議集会を開いた。これに対して警察は、集会を襲撃し、指導部を含む100人の組合員を逮捕。だが、数百人の組合員が線路を封鎖し、穀物列車を完全に阻止した。
協定に明記された権利をEGTが一方的に侵害したのであり、法律的にもEGT側に非があるのは明白だ。だが連邦裁判所はILWUのピケットを禁止する命令を出した。違反すると巨額の罰金が科せられ、指導者は投獄される。
だが、ILWUは職場の実力闘争を続行した。
9月7日には、警察は実力闘争に立ったILWU本部のマケルラス委員長に暴行し、逮捕した。これが全米に巨大な衝撃を与えた。というのは、80年代以来、ほとんどの争議が裁判所の差し止め命令に抗することができず、命令が出たら、職場の闘いをやめて裁判闘争や和解に移行するのが常識となってしまっていたからだ。そして裁判依存による敗北につぐ敗北への怒りが充満していたからだ。昨年2月からウィスコンシン州で議事堂を連日占拠して闘った10万人の大決起も、反公務員労組法が強行採決された後は、法廷闘争と選挙運動に焦点がずらされた。多くの職場で新法に従わず、スローダウン闘争や一斉休暇などを行い、新法で廃止された組合の権利を現場で奪還したが、全体を覆すまでには至っていない。
その壁を突破したのがILWUの職場実力闘争だった。ILWUは現在の権利が1934年のゼネストなどの戦闘的闘いでもぎ取ったものであることを家族内でも職場でも新しい世代に繰り返し伝えてきた。新規採用者がフルに権利を持った組合員になるには、組合史講座への出席が必要とされている。このILWUのローカル21が権利を守るために職場で団結し、誇り高い闘いを続けて、本部も含めて公然と差し止め命令に挑戦したのだ。これが、9月からのオキュパイ(占拠)運動の大衆的な大爆発の火を付けた。
ウォール街オキュパイ運動はたちまち全米に拡大し、ILWUの拠点、オークランドでは地域ぐるみの巨大な運動になった。オキュパイ運動はローカル21と連帯し、11月2日のオークランド港封鎖、12月12日の西海岸全港湾封鎖に決起した。
動労千葉、全国労組交流センター、全学連は伊藤忠抗議闘争を行い、ローカル21のコフマン委員長は11・6労働者集会に参加した。
この国際連帯は、オキュパイとローカル21との連帯をいっそう激励するものとなった。労働組合の経験がゼロのまったく新しい層を含め、全体がローカル21との連帯をオキュパイの中心課題にしていった。
弾圧を恐れたILWU本部はオキュパイの港湾封鎖との共闘を禁じる通達を出したが、一般組合員はともに闘い続けた。
12年1月下旬〜2月上旬に予定されていた第1回のEGTからの輸出穀物積み出しを阻止するために、ILWU活動家も、オキュパイの活動家もあらゆる産業の労働組合に阻止闘争への動員を働きかけた。労働運動の大変革が始まった。
国家権力・資本は震え上がった。ワシントン州の知事が介入し、EGTとILWUとの協定が成立した。このかんの労働運動の大後退を逆転させる、歴史的な大勝利だ。
(村上和幸)
2012年1月 1日発行 第2518号
新自由主義と闘う国際連帯
(写真 “希望バス”で訪れた人びとでにぎわう85号クレーン【6月12日 釜山】) (写真 オークランドのオキュパイ集会の中心に「港湾を封鎖し港湾労働者を支援しよう!」の横断幕。中・・・
(写真 “希望バス”で訪れた人びとでにぎわう85号クレーン【6月12日 釜山】)

(写真 オークランドのオキュパイ集会の中心に「港湾を封鎖し港湾労働者を支援しよう!」の横断幕。中央左はILWUローカル21のコフマン委員長【11月19日】)
金正日の死去で朝鮮半島をめぐる激動と緊張が一気に高まる中、新自由主義と闘う階級的労働運動がいよいよ情勢を決する時代となった。社会に充満する怒りと結びつき、一つに束ねる力が階級的労働運動だ。動労千葉を軸に11月労働者集会で結合した日韓米労働者の国際連帯を推し進めよう! 2012年、反原発・反失業、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いで団結をさらに拡大・強化しよう。
整理解雇撤回かちとった韓進労働者と“希望バス”
12月9日午前0時半すぎ、仁川空港とソウル駅を43分で結ぶコレイル空港鉄道で線路の凍結防止作業をしていた労働者6人が列車にひかれ、5人が死亡、1人が重体という大事故が発生した。6人は下請け労働者、2年ごとに契約を更新する非正規雇用だった。40〜50代のベテラン技術者だが賃金は月190万ウォン(約13万円)以下。
空港鉄道は「線路作業に対する現場監督と指示などすべての責任は下請け業者が受け持っている」と居直り、警察は13日、列車運転士(39)と3人の下請け業者職員の拘束令状を請求した。最寄り駅を出発後、時速80㌔を超える運転席から作業中の労働者を発見したが直ちに警笛を鳴らさなかったことが「機関士安全規則」順守違反(!)だというのだ。
この路線は、97年に民間投資誘致事業として始まり、07年3月に金浦空港−仁川空港間で暫定開通したが収益が上がらず、09年11月に韓国鉄道公社(コレイル)が買収。ホジュニョン社長は就任早々5115人の定員を削減し、施設維持・補修業務の外注化に着手した。その結果、人員不足と安全性低下による事故が頻発していた。
9日、鉄道労組は「空港鉄道事故は無差別外注化など構造的問題が引き起こした」と弾劾声明を発した。動労千葉は72年船橋事故で高石運転士を守り抜いた。今こそ労組の真価が問われている。
97年に韓国がIMF(国際通貨基金)管理下に置かれて以降、民主労総の闘いは整理解雇と非正規職化との闘いだった。イミョンバク政権はこの4年、むき出しの新自由主義攻撃を推し進め、労組破壊と民主労総解体に躍起になっている。
連綿と続く現場労働者の闘いは2011年、歴史的に勝利した。それが釜山の韓進(ハンジン)重工業での整理解雇撤回闘争だ。
1月6日、キムジンスク民主労総釜山本部指導委員が韓進重工業・影島(ヨンド)造船所の85号クレーンに登って高空籠城(ろうじょう)に突入。400人の整理解雇を撤回せよと要求した。キムジンスクさんは82年、21歳で韓国初の女性溶接工として韓進重工業に就職、労働運動に身を投じて26歳で解雇された。この85号クレーンは03年に当時の韓進重工業支会長が整理解雇撤回を掲げた129日間の籠城闘争の末に自ら命を絶った場所だ。
「キムジュイク支会長がしたくてできなかったこと、勝利して自分の足で降りていく」と宣言した彼女は、その宣言通り309日間という驚異的な籠城闘争を貫徹し、クレーン中間部でキムジンスクさんを死守した組合員らとともに11月10日、自らの足で降り立った。この勝利は全労働者を奮い立たせた。
このキムジンスクさんの闘いに感動し、彼女に会いに行こうと「整理解雇のない世の中、非正規職のない世の中のための希望バス」が生まれた。6月11、12日の第1次希望バスから10月まで希望バスは第5次に及んだ。キリュン電子闘争を始め非正規闘争を支援してきた詩人のソンギョンドンさんらが発案し、双龍自動車、バレオ空調コリア、才能教育などの労働者が合流した。労働者、宗教者、芸術家、市民らが全国から駆けつけた。特筆すべきはこれまで労働運動と縁のなかった青年や学生たちがこぞって参加したことだ。新自由主義が生み出したひずみ、その中で積もり積もった怒りがキムジンスクさんの闘いと出合って解き放たれた。
309日間の闘いは、闘いを資本に売り渡し生き延びようとする労組執行部との闘いだった。
6月27日の籠城闘争破壊の強制執行も、前日に支会執行部が会社側が提示した「会社正常化後に解雇者優先雇用」案に合意したことに乗じた暴挙だった。さらに9月、チェギリョン支会長は「94人(解雇者)のために1400人(非解雇者)の生存権が脅かされている」という壁新聞を張り出し、会社にすり寄った。組合員らは「94人の解雇者の問題は、工場の中にいる1400人に直結する問題だ。会社は今後、さらに外注化を進め、非解雇者も遠からず雇用問題にぶつかる」と執行部を批判した。
組合破壊攻撃を打ち返し、10月14日、全組合員809人中786人が投票し、433票で闘う執行部=チャヘド支会長を打ち立てた。解雇者と非解雇者の分断を許さず団結した現場組合員の意志が結実した結果だった。
そして労組は11・10暫定合意案をもぎり取った。「完全には満足していない」とキムジンスクさんが言うように解雇者の復職は1年後、資本との闘いはむしろこれからだ。2011年、韓進闘争は新自由主義に苦しむ全人民的な怒りを糾合し、新たな闘いの地平を切り開いた。断固この道を進もう!
(室田順子)
TPP・労組破壊と闘う港湾労組軸に階級が団結
昨年、動労千葉を軸とする日本の階級的労働運動は、アメリカ階級闘争の最も大衆的に支持された闘いと固い信頼関係をかちとった。ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21(第21支部)のダン・コフマン委員長が11・6労働者集会に参加した。そして同労組を守るために立ち上がった巨万の12・12西海岸港湾封鎖と結合した。
これは、動労千葉が組合員の団結に徹底的に依拠して10年にわたって外注化を阻止し続け、昨年8月30日の集会で「外注化・非正規職化・偽装請負との闘い」の路線を圧倒的に打ち出したことで切り開かれた。外注化・非正規職化・偽装請負との闘いは、それ自体が団結強化であり、国際連帯だ。
また、外注化阻止はTPP(環太平洋経済連携協定)阻止と不可分一体であり、TPP推進者=伊藤忠・EGT(穀物輸出ターミナル)と闘うILWUローカル21との共同闘争だ。
アメリカでも外注化が新自由主義の労組破壊の切っ先だった。80年代以来、UAW(全米自動車労組)など基幹産業の労組破壊のため、外注化を進め、それを突破口に工場閉鎖・移転=全員解雇に突き進んだ。94年に発効したNAFTA(北米自由貿易協定)は外注化、工場国外移転をさらに促進した。
UAW指導部は外注化・FTA(自由貿易協定)に職場の闘いと国際連帯で反撃するのではなく、「雇用を守るため」として組合側から譲歩を提案する路線をとった。国外の労働者との賃下げ競争をあおったのだ。「譲歩」は逆に解雇を促進した。
特に08年リーマンショック後、UAW指導部の裏切りは労働者の怒りの的になった。GM(ゼネラルモーターズ)とクライスラーの倒産・再編でUAW組合員が大量解雇された。指導部が30年間言ってきたことがすべてウソだったのだ。UAWが「倒産回避のための大幅譲歩」の協定に署名した直後、政府と資本はGMを倒産させ、大量解雇と年金・医療剥奪(はくだつ)を強行したのだ。
大証券会社・大銀行はさらに露骨だ。「自己責任」「競争原理」を30年間大宣伝してきたやつらが、サブプライムローンなどの投機・詐欺商法が破綻したとたん、8000億㌦規模の救済資金を2回も受け、直後に経営者のボーナスを倍増、3倍増している。
こんなやつらが労働者を解雇や住宅差し押さえで路頭に迷わせている。単なる自由競争ではなく、露骨な犯罪と国家財政投入で格差をつくり出しているのだ。
エジプト2月革命はアメリカ帝国主義の中東石油支配の戦略的要を突き崩し、全世界の労働者階級を鼓舞激励した。
その直後、ウィスコンシン州の公務員労組破壊立法に反対する州議事堂占拠闘争が始まった。「マディソン(州都)をタハリール広場に!」を合言葉に10万人が議事堂を包囲し、教職員組合は山猫ストを行った。
戦後アメリカでは山猫ストは異例中の異例だ。労働協約期間内の争議行為を禁止することが協約で規定されていることを盾にして労組指導部はランク&ファイル(現場組合員)のストへの動きを圧殺してきた。
ウィスコンシンの闘いはアメリカ戦後労働運動の常識を覆した。全米にインパクトを与え、ILWUローカル10は連帯港湾封鎖を行った。
だが、体制内指導部は闘いの拡大を必死に抑え込んだ。ウィスコンシンの闘いは、既成指導部によって州議会議員のリコール運動=民主党支持運動へとねじ曲げられ、公務員労組破壊立法の発効を許してしまった。
ここでアメリカ全体の先頭に立ったのが、西海岸ワシントン州ロングビュー港のILWUローカル21の闘いだった。
TPPを推進する巨大穀物独占資本=EGTのILWU労組破壊攻撃に対し、ローカル21は徹底的に職場の実力闘争を貫き、ウィスコンシンで突き当たった壁を突破した。これに激励されてウォール街占拠(オキュパイ)運動が9月から急速に拡大した。
マスコミは占拠運動を「具体的要求がない」と批判する。
だが、全米の労働者が熱烈に叫ぶ「われわれは99%だ」は、1%に代わり99%が社会の主人公になるべきだということだ。圧倒的多数の労働者大衆が革命を要求している。ウォール街占拠のホームページは「唯一の解決は世界革命」と大書している。オークランドには「コミューン」の旗が翻っている。
未組織労働者、非正規職、失業者も多い占拠運動が「ILWUローカル21を守れ」の一点で団結し、12・12西海岸港湾封鎖に決起した。労働者自身の革命的力によって闘えば、あらゆる怒りを一つにできることが証明されたのだ。
反原発・国鉄闘争で国内的・国際的な労働者階級の団結を拡大・強化しよう。 (村上和幸)
2011年12月19日発行 第2517号
米西海岸の全港湾を占拠
オキュパイが労組破壊に反撃
(写真 オークランド港で韓進海運のコンテナを占拠【12月12日 オークランド】) 12月12日、アラスカ、カナダからメキシコ国境まで北米西海岸の全港湾が封鎖された。要求は「ILWU(国際港湾倉庫労組)とチームスタ・・・
(写真 オークランド港で韓進海運のコンテナを占拠【12月12日 オークランド】)
12月12日、アラスカ、カナダからメキシコ国境まで北米西海岸の全港湾が封鎖された。要求は「ILWU(国際港湾倉庫労組)とチームスターズ(トラック運転手などの労組)への破壊攻撃をやめろ」だ。この一点で労働者が産業を超え、正規・非正規、組織・未組織を超えて団結した。労働組合をめぐる攻防こそ1%と99%の主戦場であることが全人民的に確認されたのだ。
12月12日、北米西海岸の港湾がオキュパイ(占拠)運動のピケットラインによって封鎖された。その目標は、「ワシントン州ロングビュー港のILWUローカル21(第21支部)の労働者のEGT(穀物輸出施設)の労組破壊攻撃との闘いに連帯」と「港湾トラック運転手が『独立自営業者』扱いされて労組結成の権利を否定されていることに反対する闘いへの連帯」だ。
11・2オークランドゼネスト(本紙2511号既報)に恐怖した資本家階級は、全米のオキュパイ運動に対してさらに凶暴な弾圧をしてきた。
労働者の側は新たな飛躍が必要だった。オキュパイ・オークランドは11月22日の総会で西海岸港湾封鎖を決議し、各地のオキュパイ運動に「波止場のウォール街を占拠しよう」と呼びかけた。
だが、ILWU本部とチームスターズ本部は、港湾封鎖に反対した。敵との非和解的な激突を恐れ、連帯闘争に背を向けたのだ。
しかし、すでに1%の巨大独占資本は99%に対し、労働組合の存立そのものを否定し、命まで奪う攻撃、非和解的攻撃をかけてきている。だから、多くのILWUとチームスターズのランク&ファイル(現場組合員)はオキュパイ運動を支持し、参加した。
オークランド教員組合は12・12港湾封鎖支持を決議し、多数の組合員が封鎖に参加した。
オークランドでは、朝5時半から大量の労働者人民が結集し、港湾への行進を始めた。
「月曜の朝5時にさまざまな産業の労働者がこんなに多数集まった。給料を犠牲にして来ている」(アンソニー・レビージさん〔09年に来日、11月労働者集会に参加したILWUローカル10組合員〕)。
警察はほとんど手出しできなかった。午前10時ごろ、港湾の仲裁人は、就労しなくてもよい旨の決定をせざるをえなくなった。港湾封鎖は成功だ。大歓声が上がった。
夕方、さらに多数の労働者がオークランド市庁舎前に集まり、夜勤労働者の出勤時のピケットのために港湾に向かった。港湾当局はピケットに対抗できず、施設を夜間も閉鎖すると決定した。大勝利だ。
カリフョルニア州サンディエゴとカナダ国境近くのワシントン州シアトルで警察が港湾封鎖を弾圧したとの報が入ると、事前の警告どおりにピケットを延長し、13日午前3時から始まる深夜勤の出勤時のピケットも行われることになった。
北はアンカレジから南はサンディエゴまで、ILWU組合員がピケットラインを越えて就労することはなかった。
未組織労働者や失業労働者を含めて圧倒的多数が労働組合を守る闘いに団結して決起し、封鎖を貫徹した。ここで得た団結への確信の意義は計り知れない。2012年へ歴史が大きく動いた!
“死の商人”伊藤忠弾劾
動労千葉を先頭に連帯行動
(写真 「伊藤忠はILWU組合破壊ををやめろ!」と伊藤忠本社にシュプレヒコール【12月12日 東京・北青山】) 12日、米西海岸港湾封鎖と連帯し日本では動労千葉、全国労組交流センター、全学連、星野再審全国連絡会議・・・
(写真 「伊藤忠はILWU組合破壊ををやめろ!」と伊藤忠本社にシュプレヒコール【12月12日 東京・北青山】)
12日、米西海岸港湾封鎖と連帯し日本では動労千葉、全国労組交流センター、全学連、星野再審全国連絡会議などが参加して、東京・青山の伊藤忠本社に対する弾劾行動が行われた。これは直ちに公式ホームページに掲載され、デモの現場でも青年たちがスマートフォンの画像を見せ合った。マスコミや大労組の大反動キャンペーンの中で日本の労働者の連帯行動が大きな激励になったという。
伊藤忠はアメリカの巨大穀物商社ブンゲ、韓国の商船会社STXとともにEGTを構成している。前回、10月14日の申し入れに対して、伊藤忠は「EGTは別会社」「再び伊藤忠の敷地に立ち入ったら法的手段をとる」と脅してきた。
今回対応に現れた伊藤忠の幹部は、ガードマンを盾にして、前回の回答どおり、今後申し入れは受け付けないと居丈高な態度をとった。
だが、伊藤忠自身がホームページでEGTについて「当社は……食料戦略的統合システムを推進しており、本事業を食料資源供給体制作りの一環として位置付けている」と言っていることを突きつけると、ぐーの音も出ない。
抗議団は表玄関前に陣取り、マイクとビラまきで伊藤忠=EGTが暴力団・警備会社を使ってILWU組合員を襲わせ、家の中にまで警察に踏み込ませていることなど、労組破壊の暴挙を暴露し、「伊藤忠は死の商人だ!」と弾劾した。
昼休みにオフィスから出てきた労働者たちは圧倒的に注目し、ビラを受け取った。
伊藤忠がEGTに参加しているのは、TPP(環太平洋経済連携協定)を推進するためだ。事実、伊藤忠の小林栄三会長はTPP推進のための審議会「食と農林漁業の再生実現会議」のメンバーだ。TPPは人民の命を人質に独占利潤をむさぼるものだ。NAFTA(北米自由貿易協定)に組み込まれたメキシコでアメリカからのダンピング輸出で地元農業が破壊された後は、逆に食料が独占価格で暴騰し、多くの人民が飢えたのだ。
現在、小林会長は「原子力ルネッサンス懇談会」のメンバーとして3・11後も原発を推進している。まさに国家権力と一体の政商であり、“死の商人”だ。
EGTと闘うILWUローカル21、全米の労働者人民と連帯し、伊藤忠を徹底追及しよう!
外注化撤回を
PAL東京支店に抗議
(写真 PAL東京支店前でフィリピン労働者との連帯を訴える動労千葉の滝口誠さん【12月12日 東京・赤坂】) フィリピン航空(PAL)は、フィリピン航空地上職労組(PALEA)の組合員の業務(牽引、搭乗手続き、機・・・
(写真 PAL東京支店前でフィリピン労働者との連帯を訴える動労千葉の滝口誠さん【12月12日 東京・赤坂】)
フィリピン航空(PAL)は、フィリピン航空地上職労組(PALEA)の組合員の業務(牽引、搭乗手続き、機内食など)を外注化し、PALEA組合員2600人を解雇し、非正規職として選別再雇用する攻撃をかけている。
PALEAは9月27日に外注化白紙撤回を要求しストライキを始めた。 PALは10月29日早朝、多数の暴力団を使ってPALEAのキャンプを襲撃した。労働者は屈せず、連日千人以上がマニラとセブの国際空港に家族ぐるみでピケット、キャンプを張っている。
12月12日、赤坂にあるPAL東京支店に対して、動労千葉、全国労組交流センター、星野再審全国連絡会議は、外注化・労組破壊停止要求の申し入れ行動を行った。応対した幹部は「外注化は適法だ」と居直った。だが、フィリピンの労働長官がILO会合で示した「外注化前に労使交渉が必要」との指針にさえ反するとの追及の前に、申入書を責任者に渡すこと、期限内に回答することを約束した。
動労千葉を先頭に自らの職場で外注化阻止の闘いを組織し、PALEAと連帯しよう。PALEAが呼びかけるPALボイコットを広げよう。
2011年12月12日発行 第2516号
全世界に広がるゼネストと実力闘争
大恐慌下の首切り・賃下げに怒り
(写真 イギリスでは新緊縮策に対し200万人がゼネストに決起。ロンドン中心部を3万人がデモ行進した【11月30日】) (写真 ポルトガルでは賃金・年金カットに怒る公務員労働者ら数千人が国会議事堂を包囲した【11月24日 リスボ・・・
(写真 イギリスでは新緊縮策に対し200万人がゼネストに決起。ロンドン中心部を3万人がデモ行進した【11月30日】)

(写真 ポルトガルでは賃金・年金カットに怒る公務員労働者ら数千人が国会議事堂を包囲した【11月24日 リスボン】)

(写真 上海のシンガポール系家電工場で工場移転による解雇と対決し11月29日からストに決起した労働者たち)

(写真 ゴアレーベンでフランスからの核廃棄物輸送車両を阻止するために座り込む人びと。警察の凶暴な弾圧を跳ね返して11月28日の最後の一瞬まで闘いぬいた)

(写真 「健康のため核はいらない」と書いたプラカードを掲げて座り込み現場へ向かう人びと)
世界大恐慌下、欧州金融危機が底なしに激化する中、労働者階級人民は全世界で自己解放を求めてゼネスト、占拠闘争、暴動闘争などに決起している。体制崩壊の危機にあえぎ団結破壊の新自由主義を極限化させる帝国主義とスターリン主義に対する根底的な怒りを爆発させている。世界は革命情勢だ。この間、イギリスやポルトガルで国家財政破綻のつけを労働者人民に押しつける攻撃に公務員労働者を中心に大規模なゼネストが打ち抜かれた。ドイツでは核廃棄物輸送阻止の実力闘争が闘われた。中国でもスターリン主義の支配と抑圧をうち破って、解雇攻撃に対するストが継続し、農民が村を実力で解放している。プロレタリア世界革命の勝利に向かって国際連帯をさらに発展させよう。これらの闘いを紹介します。
イギリスで11月30日、30の労働組合の連合体が24時間のゼネラルストライキを打ち抜いた。公務員、教員、病院関係者、清掃労働者、消防士、交通運輸労働者、国境警備員などの公共部門労働者を中心に200万人以上が参加した。
イギリス政府は財政赤字削減と称し、去年から5年間で官公庁の予算を約20%削減する計画を実行している。11月29日には公務員の30万人削減や年金支給開始年齢の引き上げなど、新しい財政緊縮政策を打ち出した。年金支給額が増えないのに保険料は以前より増額される。これに対する怒りのストライキである。
そして、年金問題を越え、賃金、仕事、労働条件、給付金、公的事業などでの労働者への攻撃に対決するストである。
このストで公立学校2万1476校のうち62%を超える学校が休校となり、14%が部分的休校となった。自治体職員の56%の67万人がストに立ち、公共の建物や病院の回りでピケットが張られた。NHS(公的医療制度)のもとでの緊急ではない手術3万件のうち7千件が行われなかった。
TUC(イギリス労働組合会議)のブレンダン・バーバー書記長は、「(公共部門は政府の)攻撃にさらされていてストライキは完全に正当化される。みなが立ち上がり抵抗しなければならない時が来た」と語った。今回のゼネストは1926年ゼネスト以来、85年間で最大とされている。
ストに先立つ11月3日、公務員最大労組であるUNISON(公共サービス労働組合=130万人)はスト権投票を行い、賛成24万5358票、反対7万253票と圧倒的にスト権を確立したと発表した。ゼネストの準備は着々と進んでいた。3月26日には50万人の労働者がデモを行い、6月30日には75万人の公共労働者、教員などがストを行った。
ゼネスト当日は、約1千カ所でデモと集会が行われた。ロンドンでは3万人がデモ、96人が逮捕された。バーミンガムでも3万人のデモが行われた。歴史に残るゼネストとなったのである。
昨年11月、政府の財政緊縮策に対して過去最大とされる1988年以来のゼネストを打ち抜いたポルトガルの労働者階級が11月24日、1年ぶりに24時間のゼネストに決起した。
参加者は数十万とも数百万とも報道され(人口は約1千万人)、政府すら4万人以上の国家公務員が参加したと認めている。航空、鉄道、地下鉄、バス、フェリーなどの公共交通がほとんど止まった。学校や病院もストに入り、市役所や郵便局なども多くが業務をストップし、首都リスボン周辺の道路は大渋滞になった。
ストに決起した労働者たちは、「GREVE
GERAL(ゼネスト)」と大書した赤い統一ゼッケンを付けて、全国各地で自らの職場でピケットを張った。リスボンでは数千人が国会議事堂を包囲した。労働者たちは、「GREVE GERAL」というスローガンを、「ついにやるぞ」という特別な思いを込めて街中に張りめぐらした。
ポルトガルは5月にEU(欧州連合)に救済を要請して以来、ギリシャとアイルランドに続くEUで3番目の救済国になっている。
6月に政権に就いたペドロ・パソス・コエリョ首相は、780億ユーロの緊急融資を得るためさらなる緊縮予算案を国会で成立させようとしている。そこでは公務員のさらなる賃金・年金カット、民間も労働法制改悪で無償労働時間を30分延長し、医療・教育費のカット、大増税を掲げている。
このすさまじい政府方針は、労働者の許容範囲を完全に超え、一定程度の犠牲は仕方がないと思っていた労働者をも立ち上がらせたのだ。
失業率はすでに13%を超えている。ストに決起した地下鉄の女性労働者は「私たちはすでに20%の賃下げ。何も買えない。沈没しそうだ」と語り、機械工は「1981年から社会保障費を払ってきた。冬のボーナスをカットされてもなお払い続けろというのか?」と不満をぶちまけ、電気技術者は「銀行こそ責任をとるべきだ。最大の関心は彼らがどう責任をとるのかだ」と階級的な怒りを爆発させた。
すさまじい経済危機の中で、ヨーロッパでは比較的穏健だと思われてきたポルトガルの労働者がゼネストに決起したことは、ヨーロッパの労働者階級に勇気を与え、資本家どもを青ざめさせている。ブルジョア評論家ですらポルトガルの抗議行動はさらに大きくなるだろうと言っている。
重要なことは、このゼネストに火を付けたのが、11月8日のリスボンとポルトでの、公務員と兵士と交通労働者のストライキだということである。欧州の労働者の決起と連帯して闘おう。
11月29日から、上海の金橋開発区にあるシンガポール系の家電企業Hi−Pの工場で、1千人を超える労働者がストライキに決起している。
きっかけは、会社が工場を突然、何の説明もなく蘇州に移転すると発表したことだ。これに伴って大リストラが強行されようとしており、首を切られる労働者には何の補償もないことへの怒りが爆発した。この工場では連日、規定を超えた作業が行われ、ある時には1日18〜19時間もの作業が行われてきたという。その上、今度は一夜にして路頭に迷わせようというのだ。
労働者たちは「私たちは見解を求める。私たちは真理を求める。Hi−P社の道理はどこにあるのか! 政府の信用はどこにあるのか!」という横断幕を掲げて闘っている。
労働者たちは警察と激しく激突し、警察は工場の周辺の道路を封鎖した。10人を超える逮捕者が出た上、多くの女性労働者が負傷する事態となった。しかし労働者たちは、スト突入から1週間たった12月6日も、工場を取り囲み闘いを継続している。
欧州の経済危機、米帝の経済危機は中国経済を直撃している。そして今、中国バブルが崩壊していく中で、外資系企業が賃金の安い内陸部に拠点を移したり、中国市場から撤退する動きも始まっている。今回のHi−P社の工場移転と大合理化は、こうした世界経済の破局と中国経済の崩壊の中で起きている。こうした帝国主義とスターリン主義の末期的危機の中で、スターリン主義支配体制と真っ向から対決して、中国の労働者が決起を開始しているのである。

広東省では農民数万人が村を解放、「自治委員会」結成を掲げて決起している。
11月21日午前、広東省陸豊市東海鎮烏坎(ウーカン)村の村民数万人が、東海鎮政府に向かってデモ行進をし、東海鎮政府を完全包囲した。
彼らは「独裁反対」「人権を守れ」「土地を返せ!」「腐敗を許すな!」「官商の結託反対!」などのスローガンを掲げて堂々とデモ行進し、陸豊市政府へと進んで行った。そして「中国農民自治委員会」の設立を訴え、中国スターリン主義政府と真っ向から対決して闘っている。
この闘いは9月22日に起きた暴動から始まった。村の共産党幹部が長年にわたり村の土地の不正売買を行い、約7億元(84億円)を横領して私腹を肥やしていた。これに怒りを燃やした村民は暴動に決起し、武装警官と対峙して闘った。暴動は収束したと言われていたが、実は村民たちは次の決起を着々と準備していたのである。
11月18日から数万の村民が再びデモに決起した。これに対して、もはや共産党幹部は打つ手もなく、烏坎村は完全に解放区と化した。20日、全村民は全住民大会を開催し、21日に陸豊市政府にデモをかけること、「中国農民自治委員会」を結成することなどを決定した(写真)。そして21日、彼らは多くの陸豊市民に歓迎されながら東海鎮の街中にデモで進撃、陸豊市政府を完全に包囲し、その前で集会を開催した。
ある人はインターネット上に「歴史における驚くべき偶然」として次のように書き込んでいる。「1927年11月21日に、わが国で最初の労働者と農民による政権である“海陸豊ソビエト政権”が成立した。今日、2011年11月21日、東陸豊烏坎 の万を超える村民が街頭に出て、再び革命の先端を進んでいる……。その烏坎の仲間たちは歴史を選択するだろう」
いまや中国の階級闘争は、まったく新しい段階に入ろうとしている。労働者と農民が中国スターリン主義政権を否定し、自らの階級的な欲求としてソビエトの形成をも希求しながら闘いに立ち上がっているのである。明らかに中国で、そして全世界で、プロレタリア革命の炎が燃え広がっている。
この情勢に応え、中国の労働者・農民との連帯をかちとるために、職場生産点に拠点を打ちたて、新自由主義と対決する労働組合の再生をかちとろう!
11月23日から28日、ドイツ北東部にある放射性廃棄物最終処分場候補地ゴアレーベンへの核廃棄物輸送阻止闘争が、巨大な大衆的規模で激烈に闘われた。
ドイツの原発が生み出す核廃棄物をフランス北部のラ・アーグで処理し、高レベル廃棄物をゴアレーベンの中間貯蔵施設に運搬する作業は、1995年以来、今回を含めて13回にわたって行われてきた。現地の住民は「環境保護市民運動」を結成し、断固反対の闘いを35年間続け、核廃棄物輸送が開始されると毎回、阻止闘争に決起してきた。〔この環境保護市民運動は日本の11・6集会に連帯声明を発し賛同してくれた〕
今回の連日の激闘を闘いぬき、総括集会で環境保護市民運動と農民同盟が高らかに勝利宣言を発した。
環境保護市民運動の代表ケアスティン・ルーデックさんは、「輸送は終わったが、闘いはまだまだこれからだ。ことを決めるのは現地のわれわれだ。今後とも核廃棄物中間貯蔵所には絶対反対で闘う。核とは共存できない」と決意を表明した。
11両編成の高レベル核廃棄物輸送列車がフランスのラ・アーグから1400㌔の行程を走ってドイツのゴアレーベンに到着するまでに、昨年までの最長記録92時間を破って、今年は126時間を強制した。列車はフランスでまず国鉄労働者を先頭とする阻止行動に直面した。ドイツに入ってからは、行く先々でデモ隊が線路に座り込んだり、トラックやトラクターなどでバリケードが築かれたりして、100回にわたって線路上で立ち往生させられた。
ゴアレーベンまで20㌔の地点ダネンベルクからのコースが、この間阻止闘争の主戦場となってきた。警察は2万人の機動隊を投入した。一方、ダネンベルクの抗議集会には2万3千人が大結集し、労働組合も参加した。そこに農民が400台のトラクターに乗って合流した。ゴアレーベンでは、3千人近い行動隊が数日前からテントを張って待機し、搬入コースを座り込みで埋め尽くす闘いに入っていた。
ダネンベルクからの最終ルートでの激突は、出発直後のメッティンゲンで始まった。線路や道路上に座り込んだ数千のデモ隊に、騎馬警官まで動員され、放水車、スプレーガスの直撃、警棒での乱打などの凶暴な弾圧がかけられた。これに対し「農民決戦同盟」に結集した現地の農民の一人が、線路上にコンクリートの構築物を造ってその中に立てこもり、15時間の抵抗を闘いぬいた。
ヘリコプターと先導警察車両に守られた核廃棄物輸送車両がゴアレーベンに到着したときに待ち受けていたのは、数百人の座り込み隊列だった。搬入の最後の一瞬まで激闘は続いた。
フランスからの輸送は今回で一応終了ということだが、2014年にはイギリスのセラフィールドからの輸送がある。ドイツでは「脱原発」とは言っても、2020年までは存在し続ける原発は廃棄物を生産し続ける。しかも、中間貯蔵施設とはいえ、そこから環境にまき散らされる放射線量は高まっている。
ゴアレーベンの環境保護市民運動の35年間の不屈の闘争を中心に、大失業に怒る膨大な若者たちの参加、農民の戦闘的決起、労組活動家の合流、そしてフランス労働者の連帯行動の開始など、今回の闘争はドイツ=ヨーロッパにおける反核・反原発闘争の新たな地平を切り開いた。
2011年12月 5日発行 第2515号
韓米FTA批准 闇討ち採決弾劾
民主労総1万人がスト
“批准は無効、イ政権退陣を”
(写真 韓米FTA批准案を強行採決したイミョンバク政権に対し、キャンドルをともして糾弾する労働者たち【11月24日 ソウル市庁前】) 11月22日午後4時すぎ、韓国のイミョンバク政権はクーデター的に韓米FTA(自由貿易協定)の批・・・
(写真 韓米FTA批准案を強行採決したイミョンバク政権に対し、キャンドルをともして糾弾する労働者たち【11月24日 ソウル市庁前】)
11月22日午後4時すぎ、韓国のイミョンバク政権はクーデター的に韓米FTA(自由貿易協定)の批准同意案の国会採決を強行した! 力尽きて国会議場に立ちつくす野党議員たち……。しかし、だまし討ちで採決が強行されたことが伝わるや、労働者人民は直ちに反撃を開始した。
午後7時には、ソウルのヨイドにある国会近くの産業銀行前で強行採決を糾弾する千本のキャンドルがともった。「99%をめった打ちにする韓米FTA廃棄しろ」「1%の手先イミョンバクOUT(アウト)」のスローガンが掲げられ、青年たちは「私たちの未来を奪うな!」「イミョンバク政権打倒!」と叫んだ。
キャンドルデモの後、午後8時半から場所を明洞(ミョンドン)入り口に移し、キャンドル集会が続けられた。仕事帰りの労働者が続々と集結した。千人から9時過ぎには3千人にふくれ上がったデモ隊が明洞聖堂に向かってデモを始めると、警察部隊5千人が立ちはだかり、デモ隊に向け放水、19人が連行された。
イミョンバク大統領が訪米中の10月12日、米国議会はコロンビア、パナマとともに韓国とのFTA実施法案を可決した。オバマが「米韓FTAは米国の輸出を110億㌦程度増加させ、約7万人の雇用を創出するだろう。米国の輸出を倍増させる私の目標を達成できる」と述べたのに対し、イミョンバクはFTAを「韓米の130年にわたる韓米関係における重要な道しるべとなる歴史的成果だ」と語り、韓国国会での批准を誓った。
しかし、韓米FTAは徹底的に米資本を保護する不平等条約だ。例えば牛肉輸入問題だ。2008年春、韓国では米BSE牛肉輸入阻止で100万人がキャンドルデモに立ち上がった。しかし、韓米FTAには「牛肉はいかなる場合でも輸入禁止措置は行わない」と記されている。米国への最恵国待遇が貫徹され、米国企業にはアメリカの法律しか適用されない。そして教育・医療・保険を始め公共部門の民営化が確約されている。
イ政権は当初、10月中にFTA批准案を国会通過させることを狙っていた。しかしそれが粉砕される中、野党とマスコミには11月24日の本会議上程を示唆した上で、22日は与党ハンナラ党の議員総会を招集していた。
その議論の最中に「決断の時が来た。韓米FTAを処理するために本会議場に移動しよう」と、軍事作戦さながらの強行採決に及んだのだ。
11・13労働者大会で反FTA総力闘争を宣言した民主労総は24日、1万人の拡大幹部ストを皮切りにFTA無効闘争に突入した! ソウル市庁広場では23日に5千人、24日には7千人がキャンドル集会を繰り広げ、連日の激突が続いている。
「反FTA!」「イミョンバク退陣!」の闘いは23日から主要都市の釜山、大■、大田、ウルサンなど全国で始まり、全国農民会総連盟など農漁民もソウルに上京、26日にはソウル光化門周辺が2万人で埋まった。
韓進重工業闘争の希望バスを引き継ぐ韓米FTA無効の闘いが、イ政権打倒へと突き進んでいる。労働者、農漁民、市民、学生など全人民の怒りを束ね、新自由主義から未来を奪い返す闘いが始まった。
(室田順子)
2011年11月21日発行 第2513号
新自由主義と闘う日韓連帯
動労千葉訪韓団 民主労総の大会に合流
非正規職撤廃は共通の課題
(写真 韓米FTA批准をめぐる攻防の中、怒りに燃えた4万人が集結【11月13日 ソウル市庁前】) (写真 前夜祭に参加した動労千葉訪韓団【11月12日 ソウル・ヨイド公園】) (写真 ”非正規職を撤廃し正規職・・・
(写真 韓米FTA批准をめぐる攻防の中、怒りに燃えた4万人が集結【11月13日 ソウル市庁前】)

(写真 前夜祭に参加した動労千葉訪韓団【11月12日 ソウル・ヨイド公園】)

(写真 ”非正規職を撤廃し正規職化実施せよ”とデモする公共運輸労組【13日】)

(写真 解雇撤回を求め座り込み中の公務員労組を訪問した動労千葉【12日 ヨイド】)
11・6集会を闘った国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さん、金元重さんと動労千葉、全国の労働者・学生など総勢100人近い動労千葉訪韓団は、民主労総ソウル本部に迎えられ、12日の前夜祭から11・13労働者大会、14日の日韓労働者理念交流をともに闘った。関西地区生コン支部、港合同ともソウルで再会し、充実した国際連帯となった。(本紙・室田順子)
21歳の青年労働者、チョンテイル(全泰壹)が「労働者は機械じゃない! 勤労基準法を守れ!」と叫んで炎に身を焼いた70年11月13日。あれから41年、11月13日午後4時、韓国・ソウル市庁広場で開かれた民主労総の「チョンテイル精神継承2011全国労働者大会」には4万人を超える”この時代のチョンテイル”が集まった。メーンステージに掲げられたスローガンは「1%に抵抗する99%、われわれが代案だ!」「韓米FTA阻止!」。
大会を前にした10日、「キムジンスクさんが勝利して85号クレーンから自分の足で降りた!」の韓進重工業争議勝利の知らせが全労働者を奮い立たせていた。この勝利に続き、才能教育支部、全北高速支会、双竜自動車支部などの長期闘争事業場でも闘って希望をつくろう!の声が広がった。
民主労総のキムヨンフン委員長は大会あいさつで「309日間の高空籠城(ろうじょう)を闘い、すべての整理解雇者の苦痛をともにしたキムジンスク釜山本部指導委員の超人的な闘争は、民主労総の誇らしい歴史になった」「資本の悪らつな弾圧と懐柔にもかかわらず、解雇者と非解雇者が一つになって、民主労組を死守し、苦難の道をともにしてくれた韓進支会の仲間は、労働者の義理を私たちに教えてくれた」と強調した。
さらに「イミョンバク政権が韓米FTAの国会批准を強行するというなら全面戦争は不可避だ」とし、民主労総が組織の総力を挙げてFTA批准阻止闘争に立つことを明らかにした。
2011年チョンテイル記念賞は、85号クレーンで高空籠城したキムジンスクさんら4人の韓進重工業組合員と、1400日以上闘っている学習誌労組才能教育支部が共同で受賞した。韓進重工業のシンドンスン組合員は、「闘争を続けている間、希望バスと連帯してくれる仲間がいつもありがたかった」と感謝の言葉を述べ、争議1424日目となった才能教育支部のユミョンジャ支部長は「1500日、1600日を迎えるかもしれないが、必ず民主労組を死守し、烈士の前で恥ずかしくないように勝利で闘争を終える」と力強く語った。
11月12日、田中康宏委員長を先頭とする動労千葉訪韓団は、民主労総ソウル本部とともに民主労総全国労働者大会前夜祭が開かれる韓国国会前のヨイド公園に到着した。
ソウル本部の案内で「公務員労働者143名全員の原職復職をかちとろう! 国会は特別法を即刻制定せよ!」と国会近くの産業銀行前でテント座り込み闘争中の公務員労組を激励訪問し、闘う公務員労働者と固い握手を交わした。
新自由主義攻撃を推し進めるイミョンバク政権は、公共部門先進化政策と称する私有化(民営化)攻撃を激化させ、政党への少額カンパを口実に1900人もの公務員・教育労働者に政治弾圧を加えている。
これに対し、全国公務員労組と公共運輸労組・連盟は、「労組弾圧粉砕! 公共機関先進化政策による強制整理解雇粉砕! 公共部門の非正規職解雇者の原職復職!」を掲げて総力闘争を繰り広げている。公務員労組はいまだに労組設立申告書の受理、団体行動権を認めない公務員労組法の改正、対政府交渉権などを要求して闘っている。イミョンバク政権は水道業務の民営化や国立大学の法人化、さらに医療・健康保険、年金、鉄道、ガスなど全面的な民営化攻撃に打って出ている。韓国の階級闘争は攻防のまっただ中だ。まさに世界の労働者が同じ敵と闘っている。分断を許さず、国際連帯で闘うことが労働者階級の急務なのだ。
13日午後には全国公務員労組と公共運輸労組・連盟が主催する「社会公共性強化・労働基本権戦取のための公共部門労働者総決起大会」がソウル駅前広場で開催された。2万人の公共部門労働者が集まり、「労働基本権戦取と社会公共性強化のために強力な共同闘争をつくろう! ともに要求し、ともに闘い、ともに勝利しよう!」と決議し、労働者大会会場のソウル市庁前まで力強くデモ行進した。
大会後、ソウル市庁広場で動労千葉訪韓団と民主労総ソウル本部の総括集会が開かれた。
まず動労千葉の田中委員長がソウル本部にお礼を述べ、提起した。
「僕らは3月の大震災以降、『ここで労働運動の火を消してはいけない』という思いで脇目も振らずに頑張ってきました。福島や宮城の仲間が先頭に立ち、全国の仲間がものすごい決意で立ち上がりました。
今、歴史をつくる勢力と反動が激しく衝突しています。今こそチャンスです。支配階級の側が崩れ始めて、全世界の労働者が前に進もうとしている。僕らもその戦列の一員になろうじゃないか。
こういう時に戻らなければならないのは原点です。労働者が社会のすべてを動かしている。だから労働者が団結した力にすべてをかけて、日本の腐りきった労働運動を変えるということです。労働運動は労働者が自らの誇りを自分の力で取り戻す闘いです。その闘いを最も困難な職場から始めよう。職場から労働運動の火をつくり出そう。
民主労総が非正規職撤廃へ全力で闘っている。日本でも膨大な労働者が民営化・外注化により非正規職に突き落とされている。この外注化・民営化に徹底抗戦を続ける闘いが絶対に必要です。非正規職化を根本から止める闘いをやろう。この闘いをとおして非正規の労働者と連帯しよう。
来年は民主労総との国際連帯が始まって10年。この1年間、韓国の仲間たちに胸を張って連帯できる闘いを日本の地でつくり出そう。職場からの闘いとNAZENを先頭にした反原発の闘いを結合させて、本当に歴史を動かす闘いをやろう」
ソウル本部のイジェウン本部長は「各国政府は労働者を弾圧し、韓米FTAを締結しようとしています。そういう中で闘った11月闘争です。モラン公園の烈士の墓を訪問して学んだと思いますが、韓国政府は労働者を踏みにじっています。だから私たちはこの闘争をやめるわけにはいきません。人間の尊厳を踏みにじる資本と政府に立ち向かって闘いましょう。チョンテイル精神を共有して闘いましょう」とアピールした。
最後に田中委員長の音頭で「団結ガンバロー! トゥジェン!」を唱和した。日韓連帯の11月闘争は、国際連帯を一段上に押し上げる闘いとなった。
“労働者の母”イソソンさんの墓へ
労働者の団結に確信
(写真 チョンテイル烈士の墓前で開かれた追慕式【13日 南楊州市】) 11月13日昼、動労千葉訪韓団は、京畿道南楊州市マソクのモラン公園の烈士墓地を訪問した。「人間らしく生きるために逝った烈士たち」を記憶し、・・・

(写真 チョンテイル烈士の墓前で開かれた追慕式【13日 南楊州市】)
11月13日昼、動労千葉訪韓団は、京畿道南楊州市マソクのモラン公園の烈士墓地を訪問した。「人間らしく生きるために逝った烈士たち」を記憶し、その精神を継承しようというマソク烈士墓地には116人の烈士が眠っている。
今年9月3日に亡くなったチョンテイル烈士の母、イソソン(李小仙)さんもここに眠るチョンテイル烈士の墓の隣に葬られた。(写真上)
追慕式には民主労総と韓国労総の委員長も出席し追悼の辞を述べ、日本から動労千葉が参加していることも紹介された。
「労働者の母」と慕われたイソソンさん。旧知の女性は「彼女はいつも労働者は一つだ。一つになって闘えと言っていた」と思い出を語った。
イソソンさんの最後の願いは、「希望バス」に乗ってキムジンスクさんに会いに行き「死ねば何もできないから必ず降りてきて一緒に闘おう」と伝えることだったという。多くの組合員とともに参列した金属労組韓進重工業支部のチャヘド支部長は「94人の解雇者の原職復職を必ずかちとります」と誓った。
チョンテイル烈士の弟チョンテサムさんは「今こそチョンテイル精神を発揮して闘おう」と呼びかけた。
解雇撤回へ1423日
全国学習誌産業労組才能教育支部は07年5月から団体協約原状回復と不当解雇撤回を闘ってきた。 争議1423日目の12日、長期闘争事業場を回ってきた労働解放先鋒隊を迎え、整理解雇・非正規職撤廃の集会が開かれた。 東北大学学生自・・・
全国学習誌産業労組才能教育支部は07年5月から団体協約原状回復と不当解雇撤回を闘ってきた。
争議1423日目の12日、長期闘争事業場を回ってきた労働解放先鋒隊を迎え、整理解雇・非正規職撤廃の集会が開かれた。
東北大学学生自治会の石田真弓委員長らも参加した。
釜山 韓進重工業争議が勝利
解雇撤回へ高空籠城309日
ジンスク指導委員 笑顔でクレーンを降りる
(写真 韓進重工業85号クレーンから満面の笑みで降り立った民主労総釜山本部のキムジンスク指導委員。「悔しさに泣いてくたびれた時、希望バスが私に力を与えてくれた」と語った【11月10日 釜山】) (写真 組合員と抱き合い勝利の喜・・・
(写真 韓進重工業85号クレーンから満面の笑みで降り立った民主労総釜山本部のキムジンスク指導委員。「悔しさに泣いてくたびれた時、希望バスが私に力を与えてくれた」と語った【11月10日 釜山】)

(写真 組合員と抱き合い勝利の喜びを分かち合った)
11月10日、韓国・釜山の韓進(ハンジン)重工業で整理解雇撤回を求めて309日間の高空籠城(ろうじょう)闘争を続けた民主労総釜山本部のキムジンスク指導委員が、ついに自分の足で85号クレーンから降りてきた! 満面の笑みで地上に立ったキムジンスクさんは第一声を「皆さん、今日からが新しいスタートです。笑いながら最後までトゥジェン(闘争)!」と結んだ。
11月9日午前、韓進重工業労資は8日からの徹夜リレー交渉を経て、本交渉を開き合意案を導き出した後、組合は整理解雇者に説明し、組合員総会での承認を目指して動き出した。ところが午後4時過ぎ、「安全保護のため」と称して警察部隊が影島(ヨンド)造船所内に突入、クレーン上で籠城を続けるキムジンスク民主労総釜山本部指導委員とパクソンホ韓進重工業整理解雇撤回闘争委員会(整闘委)代表ら4人の逮捕を狙ってきた。怒った組合員たちは警察部隊を実力で粉砕、4人を守りきった。
翌10日午前中、韓進支会、金属労組と整理解雇者、整闘委の組合員との懇談会が行われた。妥結局面での警察投入に組合員の危機感が高まっており、94人の解雇者の1年以内の職場復帰と退職者の退職金が勤続年数により少なくとも1千万ウォン(約70万円)、多い場合は1億ウォン近くも減額される問題など、激しい議論が交わされたが、最後は金属労組と韓進支会に決定を任せることを決定。午後2時、組合員809人中509人が出席し、組合員総会が開かれた。チャヘド支会長は「総会前に整闘委から出された意見を受け止め、守り抜く。合意案を全会一致で通過させてくれ」と提起し、全員の拍手で同意された。組合員ら全員がすぐに85号クレーン下に移動した。
そして午後3時20分、組合員たちが労働歌「鉄の労働者」を歌う中、こぼれるような笑顔のキムジンスクさんが、クレーンの中間層で137日間、座り込んだ3人の死守隊とともに85号クレーンを降りてきた。最後の一段を飛び降りた彼女は、多くの仲間と抱き合って喜びを分かち合い、その場で次のような新たな闘争宣言を発した。
「皆さん、大変ご苦労様でした。ジュイク氏もこのように歩いて降りてこれたらどんなによかったでしょうか。309日の間、一時も忘れることができなかった名前がキムジュイク、クァクジェギュです。クレーンにいながら(クァクジェギュ氏が身を投げた)4号ドックをまともに見つめることができませんでした。多くの人が『309日をどのように耐えたのか』と尋ねます。85号クレーンで起きたことを知っている人なら、どうしてこの闘いを途中で放棄できるでしょうか。今や解雇者・非解雇者の区別はなくなりました。百パーセント満足はできないけど、私も皆さんも今まで最善を尽くしてきました。今日この時から、先に行った(亡くなった)同志たちの心の重荷、闘争中に生じたお互いの間のわだかまりを洗い流していきましょう。皆さん、今日からが新しいスタートであり、出発点です。笑いながら、最後までトゥジェン!」
85号クレーンは、2003年に当時の労組支会長キムジュイク氏が解雇撤回を求めて129日間の座り込みをし、最後は抗議の自殺をしたクレーンだ。その半月後にはクァクジェギュ組合員が投身自殺。彼らの魂を胸に抱いて85号クレーンに登ったキムジンスクさんは「ジュイク氏がとてもやりたかったのに結局できなかったこと、勝利して自分の足でクレーンを降りていくことを必ずやる」と約束し、ついにその約束を果たした。
イミョンバク政権と資本は、キムジンスクさんらを建造物侵入と業務妨害で拘束しようとしたが、裁判所は拘束令状を棄却せざるを得なかった。闘う労働者、労働組合の気合いと正義が敵を圧したのだ。
「整理解雇撤回! 非正規職のない世の中をつくろう!」という彼女の闘いは労働者のみならず老若男女の心をとらえ、韓国全土からキムジンスクさんに会いに行こうという「希望バス」を生み出した。6月から5次にわたった希望バスの参加者は数万人に及んだ。希望バスの提唱者、詩人のソンギョンドンさんは「希望バスは、この十数年間強行されてきた数百万もの労働者の整理解雇と、900万人もの非正規職奴隷労働体制に亀裂を入れる社会的連帯の出発だ」と語っている。
韓米FTAや海軍基地建設と闘う済州島カンジョンの住民闘争、そして非正規労働者たちの闘い、すべては新自由主義攻撃がもたらした痛みであり、激しい怒りが噴き出している。
キムジンスクさんを先頭とする韓進重工業労働者の闘いは、この新自由主義攻撃に怒るすべての人民と結びつき、これを打ち破っていく偉大な突破口を切り開いた。ここから94人の職場復帰へ新たな闘いが始まった。
カリフォルニア バークレー校 4千人が大学占拠
銀行による学生収奪に抗議
(写真 警察機動隊の襲撃をはね返した夜間の学生集会【11月15日 カリフォルニア大バークレー校】) 金融資本から未来奪還せよ 11月2日、オークランド市で1946年以来アメリカで初のゼネストが決行された。帝・・・
(写真 警察機動隊の襲撃をはね返した夜間の学生集会【11月15日 カリフォルニア大バークレー校】)
11月2日、オークランド市で1946年以来アメリカで初のゼネストが決行された。帝国主義世界体制の基軸であるアメリカ本土で、困難を突き破って、ついに新たな労働者の時代が切り開かれたのだ。
隣町、バークレーの学生、労働者も11・2にかけつけた。失業、非正規職化、借金地獄の中で奪われた未来を奪還しよう、すべてを占拠しようという思いは、皆に共通だからだ。特に学生たちの怒りは激しい。
全米で学費ローンの総額は1兆㌦(約77兆円)にもおよぶ。クレジットカードの負債総額より多い。
その学費ローンでぼろもうけしている大銀行の取締役が「公立」大学の理事となり、学費を決定しているのだ。
カリフォルニア大学理事会は11月16日にサンフランシスコ校で会合を開き、昨年に続き学費値上げを決定するという。
この中で学生たちは、全力で理事会との闘いを組織した。
11月9日、キャンパス内のスプロール・プラザに3千人の学生、大学職員の労働組合が結集した。昨年、全学連訪米団が参加した3月4日教育ゼネストのデモと同じくらいの規模だ。
デモ隊は、近くのバンク・オブ・アメリカ支店までデモをし、閉店に追い込んだ。
「教育は学費ローン地獄だ」「授業料なくせ。教育を無料化せよ」「われわれは“99%”だ。 理事会は“1%”だ」
その後、「総会」を開き「16日の理事会の会合を封鎖する」「スプロール・プラザにキャンプを設営し、民営化と教育予算カットを覆す」「全米的な『占拠運動』と連帯する」ことを決議した。
警棒と催涙銃で武装した大学警察と郡の警察機動隊がキャンプ設営の現場を襲撃した。しかし学生たちは堅いスクラムを組んでこれを跳ね返し、設営予定地を守りぬいた。
警察は夜間、学生たちの人数が減ったところを狙って再び襲撃してきたが、たちまち数千の学生が結集し押し返した。
そして連日の攻防の中で、理事会は16日の会合延期を発表した。ごう慢な理事会が初めて動揺を見せたのだ。
15日、授業を放棄した学生たちと労働者約4千人がスプロール・プラザに結集した。昼間の集会、学内デモ、市内デモ、銀行封鎖は警官隊の弾圧を寄せ付けない圧倒的な迫力で闘われた。
夜間のティーチアウト(99%を貧困化する新自由主義についての屋外授業)や集会にはさらに多数が集まり、11時を過ぎても集会はさらに膨れ上がった。
30年代や戦後革命期をこえる闘いとなった。世界で連帯行動を!
2011年11月14日発行 第2512号
民主労総が三里塚訪問
“労農連帯の模範的な闘い”
(写真 イジェウン・ソウル本部長【右】と北原鉱治事務局長が記念品交換。日韓の熱い闘魂が通い合った【11月4日】) (写真 交流会の最後に参加者全員で「トゥジェン【闘争】!」) 11月4日、民主労総ソウル本部・・・
(写真 イジェウン・ソウル本部長【右】と北原鉱治事務局長が記念品交換。日韓の熱い闘魂が通い合った【11月4日】)

(写真 交流会の最後に参加者全員で「トゥジェン【闘争】!」)
11月4日、民主労総ソウル本部の訪日団32人が三里塚にやってきた。
正午過ぎに成田空港に降り立った一行は、動労千葉の案内で天神峰に直行し現地調査に入った。
団結街道が封鎖された市東孝雄さん宅前で監視やぐらに昇って第3誘導路工事の現場を目の当たりにし、さらに南台の市東さんの畑、東峰の開拓組合道路、東峰神社などを訪れた。
夕刻から歓迎会が開かれた。最初に闘争の歴史を記録したビデオ「三里塚・大地の乱」が上映された。そして現闘の同志たちによる心づくしの料理が振る舞われた。一日の農作業を終えた反対同盟が到着し、動労千葉執行委員の関道利さんの司会で交流会が始まった。
鈴木謙太郎さんの音頭で乾杯したあと、北原鉱治事務局長があいさつに立った。「日本の誤った政策による植民地化と戦争について、日本人としておわびします」と北原さんは率直に語った。そして「日韓の労働者・農民が手を結べば平和な世界は実現する」と述べ、大きな拍手を浴びた。
続いて田中康宏委員長が、動労千葉と反対同盟との強固な連帯をつくったジェット燃料輸送阻止闘争を語り、民主労総の三里塚訪問を歓迎した。
訪問団を代表し、民主労総ソウル本部のイジェウン本部長があいさつし、「FTAに絶対反対で闘っている。農地死守の闘いの現場を見た。労働者と農民が連帯した模範的な闘いを三里塚で学びたい」と語った。
ソウル本部と反対同盟相互の記念品贈呈に続いて、市東孝雄さんがマイクを握った。市東さんは「親子3代この地で農業を続け、国策である成田空港に反対しています。農地を明け渡せと不当な裁判にかけられているが、私は農民として、自分の命と同じくらい大事な土地を守り闘います」と鮮明な決意を語った。
さらに民主労総元委員長のタンビョンホさんが、「資本の世界化に対して労働者の国際的な連帯はまだまだの水準にある。権力に奪われたものを労働者の手に取り戻すために、国際連帯を発展させていこう」と交流の意義を強調した。
ソウル本部東部議長コヒョンホさん、反対同盟の萩原富夫さん、宮本麻子さん、伊藤信晴さん、北総農民の発言が続いた。この日の会場・食事を全力で準備した現闘の仲間も紹介され、惜しみない拍手が送られた。
最後に田中委員長による「タンギョル・トゥジェン!」(団結・闘争)の音頭で全員が握りこぶしを突き上げた。
2011年11月 7日発行 第2511号
オークランドでゼネスト 港湾機能は全面停止
全米で労働者が連帯デモ
(写真 オークランド市中心部でゼネスト決起集会を行う労働者たち。巨大な人波が市街を占拠し、多くのレストランなども連帯して閉店した【11月2日】) 港湾、銀行、商店など全市が閉鎖 11月2日、帝国主義世界体制の・・・
(写真 オークランド市中心部でゼネスト決起集会を行う労働者たち。巨大な人波が市街を占拠し、多くのレストランなども連帯して閉店した【11月2日】)
11月2日、帝国主義世界体制の心臓部、アメリカ・オークランド市でゼネラル・ストライキによる労働者階級の大反撃が始まった。1946年のオークランド・ゼネスト以来65年ぶりの闘いだ。米西海岸で第2の巨大港湾、オークランド港は完全に機能を停止した。
巨大な人の波がハイウェーを占拠し、市中心部から西オークランドの港湾地区に向かうのを、誰も止められない。ピケ隊は港湾施設の入り口でピケットラインを作り、施設内のトラックやコンテナの上に登って、港湾地区全体を占拠した。
ILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)の組合員たちは、冷凍コンテナの安全問題を掲げ、あらゆる港湾労働を拒否した。
銀行、大手スーパーなどはピケ隊の封鎖によって営業不可能になった。そして多くのレストランが、「われわれは(富が集中する1%の富裕層に対する)99%だ。オークランド占拠運動を支持する!」という看板を出して閉店したのだ。
今回の闘いは、10月25日の市庁舎前広場への機動隊の殺人的襲撃に対する怒りの緊急行動として決定されたため、各労組は、通常のストライキの手続き——スト権投票やピケ隊の任務分担確認など——を準備する時間をほとんど取ることができなかった。
にもかかわらず、現場労働者たちは組合指導部をつきあげて当局・経営者と交渉させ、市庁を含む多くの職場で「休暇をとって11・2ゼネスト・デモに参加しても処分はしない」という確約を取り付けたのである。
11・2の決行前にゼネスト・一日行動を支持する態度を公表できた労組——オークランド教組、SEIU1021(市職員等)、チームスターズ・ローカル70(トラック運輸)、カーペンターズ(建設)、CNA(カリフォルニア看護師労組)——に加えて、UFCW(統一食品商業労組)が、デモ隊のために食事を提供するテントを設置するなど、それぞれの特色を生かして積極的にゼネストに参加したことも画期的だ。
全米で1千カ所といわれる規模に発展した「占拠運動」は、今回の11・2ゼネストに連帯するデモと集会を行った。
シカゴでは、イリノイ大学などの学生たちが、オークランド・ゼネストに連帯して授業をボイコットし、街頭にくり出してデモを敢行した。
ニューヨークでは「ウォール街占拠運動」がデモを行い、これに多くのイラク・アフガニスタン帰還兵たちも加わった。
アメリカ労働者階級の渾身(こんしん)の闘いと連帯し、世界で立ちあがる労働者人民とともに帝国主義を打倒する壮大な闘いに決起しよう!
韓米FTAで大激突
ソウル 労働者学生が国会突入
(写真 韓米FTA批准阻止で警察と対峙する韓国の労働者・学生。デモ隊は国会を包囲して構内に突入した【10月28日 ソウル】) 韓国では、韓米FTA(自由貿易協定)批准、済州島(チェジュド)海軍基地建設、韓進重工業・・・
(写真 韓米FTA批准阻止で警察と対峙する韓国の労働者・学生。デモ隊は国会を包囲して構内に突入した【10月28日 ソウル】)
韓国では、韓米FTA(自由貿易協定)批准、済州島(チェジュド)海軍基地建設、韓進重工業の整理解雇撤回闘争などをめぐり、労働者階級をはじめとした全人民とイミョンバク政権との死活をかけた激突が連日、闘われている。
11月3日には、韓米FTA批准に反対する5千人の集会が開かれ、国会西門から構内へ突入しようとして警官隊と激突、23人が連行された。この闘いでこの日の国会本会議は中止に追い込まれた。
10月28日にも7千人の大集会がソウル市内中心部で開かれ、「1%の利益のために99%を犠牲にするな!」の叫びがあがり、参加者は「人間の帯」となって国会へデモ行進、国会構内に突入して70人近くが連行された。このとき連行された中には民主労総のキムヨンフン委員長や全国農民会総連盟のイグァンソク議長も含まれている。
10月11日のイミョンバク訪米の直前から、それまで密室で進められてきたFTA交渉の内容が明らかになるに従い、全社会的な怒りが一斉にわき起こっている。FTAによって米帝の大資本が韓国の経済と社会をほしいままに支配し、じゅうりんしようとしていることに、「第二の乙巳(ウルサ)条約だ」の声が上がり、絶対阻止の闘いが爆発しているのだ。
乙巳条約とは100年前、日帝による韓国併合に道を開いた条約のことだ。実際に米韓FTAは、韓国政府に対して同協定が一切の国内法に優先することを義務づけながら、米国内での韓国側の行動については米の連邦法・州法の制約下に置かれるとしている。関税や投資規制の撤廃はもとより、FTAをテコに韓国の法と制度を丸ごと一変させ、米資本の全面的な専制支配下に置こうとする大攻撃である。
民主労総は「これまで深夜労働の撤廃や最低賃金確立のための闘いを続けてきたが、FTAが批准されればそのすべてが水の泡になる」(チョンウィホン首席副委員長)と訴えている。FTAで真っ先に打撃を受ける農民は、「農民がみな死んで国が生きられるのか」と決死の覚悟でテント座り込みに決起している。
とりわけ怒りを呼んでいるのは医療の民営化だ。10月24日には医療労働者が「FTA阻止、営利病院導入阻止」を掲げて集会とデモに立ち上がった。
イミョンバク政権は10月中の国会承認を何がなんでも強行しようとしたが粉砕された。決戦は11月に持ち越されたが、国会をめぐる攻防がどうなろうと、一層の矛盾の拡大、階級的大激突は必至である。
韓進重工業の闘い、済州島海軍基地建設反対の闘いも重大局面に入っている。韓進重工業では11月1日、民主労総釜山本部指導委員のキムジンスクさんがクレーン上での高空籠城(ろうじょう)闘争に突入してから300日目を迎えた。
民主労総は今年、第1次の労働者大会を11月13日にソウルで、第2次労働者大会を11月26日に釜山で開催することを決定した。連帯し、ともに闘おう!
2011年10月31日発行 第2510号
国境越え10カ国から賛同
11・6は国際連帯の新地平開く
(写真 ドイツの反原発5万人デモ【9月5日】) (写真 ストに立ち上がったインドのマルチ・スズキ従業員労組の労働者【10月1日】) 国境を越え11・6労働者集会への賛同、参加が続々と拡大して・・・

(写真 ドイツの反原発5万人デモ【9月5日】)

(写真 ストに立ち上がったインドのマルチ・スズキ従業員労組の労働者【10月1日】)
国境を越え11・6労働者集会への賛同、参加が続々と拡大している。いずれも新自由主義との攻防の最前線で、民営化・外注化、非正規職化と闘っている労働組合、労働者たちだ。ここに11・6集会が掲げる「反原発・非正規職撤廃」「新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを」のスローガンの求心力と普遍性が示されている。
韓国・民主労総はソウル地域本部(17万人)イジェウン本部長が熱いメッセージを寄せた。「全世界の労働者は一つです。すべての解雇を撤回し、反戦・反核闘争をともに闘うことを決意し11・6国際労働者連帯集会を支持します。11・6東京で会いましょう」
民主労総からはこのほか、金属労組キリュン電子分会、労働芸術団ソノン、投機資本監視センターから賛同が寄せられた。そして、11・6集会には激しい闘いの渦中から数十人が来日する。イミョンバク政権による労組破壊と闘う公務員労組、金属労組を始め、さまざまな産別・地域から闘う労働者たちが大挙してやってくる。民主労総元委員長のタンビョンホさんもその一員として来日する。
アメリカからは、伊藤忠商事などが出資するTPPがらみの巨大穀物ターミナル建設、労組破壊と非正規職化攻撃との激闘の渦中にあるILWU(国際港湾倉庫労組)の当該支部ローカル21からダン・コフマン委員長がメッセージを寄せた。「伊藤忠は彼らの行為が世界中から監視されていることを知らねばなりません。私自身がILWUを代表して11月5〜6日の両集会に参加します」
全米第二の教員組合UTLA(ロサンゼルス統一教組、4万人)、CAMS(校内における軍国主義に反対する連合)、国鉄全国運動呼びかけ人でもある反戦活動家のシンディー・シーハンさん、戦闘的労働者や雑誌編集者など多彩な顔ぶれから賛同が届いている。
原発稼働延長を止めたドイツからは、2人が11・6集会に参加する。
ゴアレーベン核廃棄物中間処理施設・最終処分場反対闘争を闘うリュヒョー・ダネンベルク環境保護市民運動が「11月に高レベル核廃棄物がまたゴアレーベンに搬入されようとしています。猛然かつ決然と決起し、私たちの抵抗を示したいと思います」との戦闘的メッセージ。この間の相互交流で親交を深めてきた団体、個人からも多数の賛同が届いた。トルコの国際労働者連帯協会からは「わが政府は原発の建設契約にサインをしました。反原発署名を私たちは1カ月間で1万2000筆集めることができました。ともに闘おう!」という感動的メッセージが大量の署名とともに送られてきた。
ブラジルの戦闘的労働組合のナショナルセンターであるコンルータス、新労組を結成し奴隷労働と低賃金の改善を求めてストで闘うインドのマルチ・スズキ従業員労組のシブ・クマール書記長、地上職2400人の外注化・首切りと闘っているフィリピン航空労組のゲーリー・リベラ委員長、ビルマ、バングラデシュ、ウガンダからも賛同が寄せられた。
11月5日には、11・6集会関連企画として「労働者国際連帯集会」が開催される(要項別掲)。大成功をかちとり、大恐慌下の新たな国際連帯闘争の扉を押し開こう。
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【集会要項】
11・5労働者国際連帯集会
11月5日(土)正午会場、午後1時開始
千葉市美術館講堂(千葉市中央区中央3-10-8)
※JR千葉駅東口バス乗り場⑦から「大学病院行き」「南矢作行き」で「中央3丁目」下車/千葉市中央区役所と同じ建物の11階
[連絡先]11・6全国労働者総決起集会実行委員会
2011年10月24日発行 第2509号
伊藤忠本社に抗議
動労千葉と交流センター ILWUスト連帯
(写真 1930年代以来ILWUが闘い取ってきた既得権を踏みにじり労組破壊を行う伊藤忠商事の本社前で、抗議のシュプレヒコールをあげる【10月14日 東京・青山】) (写真 外注化と闘うフィリピン航空労働者と連帯・・・
(写真 1930年代以来ILWUが闘い取ってきた既得権を踏みにじり労組破壊を行う伊藤忠商事の本社前で、抗議のシュプレヒコールをあげる【10月14日 東京・青山】)

(写真 外注化と闘うフィリピン航空労働者と連帯しフィリピン大使館に申し入れ【14日 六本木】)
動労千葉と全国労組交流センターは10月14日、米港湾で労組つぶしを行っている伊藤忠商事の本社(東京・青山)に対して、労組破壊を直ちにやめるように抗議・申し入れ行動を行った。
全学連も合流して約20人が集まり「伊藤忠は組合つぶしをやめろ!」と大書した横断幕を掲げ、アジテーションを始めると、目抜き通りは騒然となった。「組合つぶしでボロもうけしている悪徳商社、伊藤忠を弾劾しよう!」と訴えると、街を歩くビジネスマンたちが次々とチラシを受け取った。ガードマンはあわてて入り口に集まり、不安そうに眺めている。
昼休みで中から出てきた伊藤忠の労働者もびっくりしながら次々とチラシを受け取り、立ち止まってアジテーションに聞き入った。地元の住民は「伊藤忠は悪忠だ!」と極悪企業への積年の怒りをともにした。
伊藤忠商事は、アメリカや韓国の会社とともに米西海岸に巨大な穀物輸出施設を建設し、ハイアリングホールなど1930年代以来ILWU(国際港湾倉庫労働組合)が闘いとってきた既得権をすべて踏みにじって、ILWU組合員の雇用を拒否し、これに反撃する労働者を200人以上も逮捕させている。しかも伊藤忠はこれをアジアに大量の穀物を輸出する「グローバル・バリューチェーンの構築に大きく貢献する事業」だと大宣伝し、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)による農業の破壊と一体であることを隠そうともしていない。
伊藤忠はオーストラリアなどでのウラン鉱の輸出なども行っており、まさに労組破壊と農業破壊、原発推進でボロもうけをしている極悪資本なのだ。
抗議行動の代表団は本社ビルに入り、人事・総務部と食料部門の課長に対し、ILWUと労働協約を結ぶよう4点の申し入れを行った。伊藤忠はアメリカで大闘争になっていることを渋々と認め、10月21日までの回答を検討すると答えた。
代表団は伊藤忠ビルへのシュプレヒコールを元気にたたきつけたあと、直ちに六本木に移動して、フィリピン大使館への抗議・申し入れ行動に連続決起した。外注化攻撃・ロックアウトと闘うフィリピン航空の労働者との連帯闘争だ。
突然の訪問に驚きつつ、フィリピン大使館の政治部は申し入れ書を受け取った。大使館の労働者たちは次々とチラシを受け取り、われわれの訴えに笑顔で応えた。大成功だ!
国境を越えた資本の新自由主義攻撃に対して、国境を越えて反撃をたたきつけた今回の国際連帯闘争は、11月労働者集会に向けて国際的団結を具体的につくり上げる決定的な前進をかちとった。
2011年10月10日発行 第2507号
アメリカで反失業デモ
ILWUの闘いに続き 大恐慌下で怒り大爆発
(写真 警官隊の激しい弾圧に抗してニューヨークのブルックリン橋を行進するデモ【10月1日】) (写真 「われわれは【富を独占する1%に対して】99%だ!」と叫びウォール街を占拠する青年労働者【10月1日】) ウォール街を占・・・
(写真 警官隊の激しい弾圧に抗してニューヨークのブルックリン橋を行進するデモ【10月1日】)

(写真 「われわれは【富を独占する1%に対して】99%だ!」と叫びウォール街を占拠する青年労働者【10月1日】)
アメリカ政府が大銀行など金融大手資本を救済する一方で、労働者の住宅差し押さえなどが激増していることに青年労働者や労働組合が抗議し、極端な貧富の格差是正を求める闘いが「ウォール街を占拠せよ!」のスローガンで爆発的に拡大している。彼らは資本家の牙城である金融街の中枢・ウォール街を占拠して連日集会やデモを行い、極限的な社会的・経済的不平等を生んだアメリカ社会のあり方を弾劾している。
大恐慌情勢下で欧米各国の新自由主義攻撃はエスカレートしている。アメリカの失業率(25歳以下)は8月に17・7%に達した。ところが、政府は大資本家を救済する膨大な資金を支出する一方で、労働者の悲惨な現状を放置し、さらに悪化させようとしている。しかも巨額の資本家救済支出によっても経済は改善せず、さらに悪化の一途をたどっている。労働者階級はもはや資本主義を打倒する以外に生きる道はなくなったのだ。労働者の怒りは限界に達した。
こうした状況下で、ILWU(国際港湾倉庫労組)が労組破壊と非正規化、外注化と闘う戦闘的で荒々しい歴史的反撃の闘いに決起していることが、全国の労働者を感動させ、勇気づけ、生きるために闘う決意を固めさせているのだ。
この運動を少数の若者たちが始めたのは9月17日。共感する若者はしだいに増え、数百人の青年がウォール街近くの広場にテントを張って野宿。今までデモに参加したこともない青年たちが連日1千人規模の集会やデモを成功させた。
警察はこの運動を暴力的に解体しようと9月24日、催涙ガスを使用してデモを襲撃し80人を逮捕した。しかし運動は沈静化するどころか圧倒的な注目を集め、支援と参加は拡大した。
労働組合は運動の拡大に大きな役割を果たした。インターネットによる呼びかけだけで運動が拡大したのではない。
24日のデモ弾圧に対し、ニューヨーク市立大学の教員・専門職組合(2万人)の数人の組合員が抗議デモを呼びかけたことを契機に、次々と戦闘的な労働組合がデモに賛同した。まずこの組合全体と全米自動車労組が賛同。続いて全米交通労組ローカル100(TWU。ニューヨークの地下鉄、バス、航空関係の労組。3万8千人)やSEIUローカル32BJ(サービス業従業員労組ニューヨーク地域支部。12万人)などが労働組合として青年たちの運動を全面的に支持すると正式に表明した。彼らは組合旗と横断幕をもって青年のデモに合流した。
さらにニューヨークの大きな労働組合などの連合体が10月5日に青年たちの闘いを支持し、大規模な連帯デモを行うことを呼びかけた。
労働組合は全国的なネットワークを活用し、この運動を全国に広げる重要な役割も果たした。現在、この運動はニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴの3大都市だけでなく、ボストン、マイアミ、ポートランド、デンバーなど全米44州131都市に拡大している。
さらにこの運動は、労働者が同じような新自由主義攻撃に直面しているカナダ、イギリス、日本などに波及しており、10月15日には全世界での統一行動が呼びかけられている。
このような状況に追い詰められた国家権力と資本は、この運動を解体するために激しい弾圧に訴えた。10月1日のニューヨークでの大規模デモの際、警察はブルックリン橋の車道上にデモ隊を誘導し、橋の上にいた青年たち700人を大きな網で取り囲んで分断した上で逮捕した。それでも青年たちは逮捕を恐れず、続々と闘いに合流している。
彼らは「われわれは目的を達成するためにアラブの春で使われた方法を使う」という立場を明らかにしている。そして中東での革命=「アラブの春」のように主体的に決起し、「われわれは(富を独占する1%の人間に対する)99%だ。黙っていたり侮辱されたままにはならない」と激しい怒りを表明している。青年労働者たちは、1%に満たない大資本家たちが富を独占するような腐敗した資本主義を打倒しない限り、もはや生きることさえできないと感じて決起しているのだ。
エジプト革命のように、青年労働者の闘いと戦闘的労組のランク&ファイル(現場労働者)の連帯闘争が結合し全国的闘いに発展していることは、アメリカ労働者階級の新自由主義との闘いが新しい次元に突入しつつあることを示している。
この闘いは、全世界で激発している新自由主義との闘いと一体だ。青年労働者と動労千葉を中心とした労働組合が結合して展開されている日本の反原発・反失業闘争とも一体だ。全世界で立ち上がる労働者と連帯し、11・6全国労働者総決起集会への1万人結集をなんとしても実現しよう!
2011年10月 3日発行 第2506号
労働者の母 李小仙さん追悼
全泰壱烈士の遺志引き継ぎ生涯かけて労働解放に献身
韓国の民衆から「労働者の母」と呼ばれ慕われてきた李小仙(イソソン)さんが、9月3日、亡くなられた。享年81歳だった。 今夏の猛暑にもかかわらずあちこちと労働者の闘いの場に駆けつけていた李小仙さんは、7月18日、突然心臓疾患で倒・・・
韓国の民衆から「労働者の母」と呼ばれ慕われてきた李小仙(イソソン)さんが、9月3日、亡くなられた。享年81歳だった。
今夏の猛暑にもかかわらずあちこちと労働者の闘いの場に駆けつけていた李小仙さんは、7月18日、突然心臓疾患で倒れ、入院していた。
いったん持ち直した李小仙さんは、病床から「やあ、半年以上もキムジンスクが高いところで頑張ってるのに、私が行かないでどこが労働者の母だ」と、韓進(ハンジン)重工業の整理解雇撤回を要求して造船クレーンの上で籠城(ろうじょう)しているキムジンスク民主労総釜山本部指導委員のもとに駆けつけることを切望していたという。
李小仙さんは「勤労基準法を守れ!」「労働者は機械じゃない」と叫んで1970年11月13日に焼身決起した全泰壱(チョンテイル)氏の母親だ。
「まっ暗な闇の中でか弱いシタ(見習い)たちがおなかをすかせているのに、この闇の中で仕事をさせられているのに、この人たちはもう少ししたらみんな結核患者になり、目もかすみ身体もぼろぼろになります。私はこれを見てがまんがならず、何とかしようと思ってもできず死ぬんです。私が死ねばアワほどの穴でもあけられれば、それを見て学生や労働者が一緒に最後まで闘って穴を少しずつ広げ、か弱い労働者たちが、自分がなすべきことを、自分の権利を追い求められるようにする道をお母さんがつくらなければなりません」
息子・チョンテイル氏のこの遺言を胸に、李小仙さんは以後、常に労働者のそばにあり、闘いの先頭に立ち続けた。清渓被服労組や東一紡織闘争、九老同盟ストなど労働者闘争との連帯、朴正煕(パクチョンヒ)軍事独裁政権下での政治犯救援活動、疑問死究明運動、学生の闘いへの支援、2度にわたる投獄……。その時々の韓国民衆の闘いの場に常に李小仙さんの姿はあった。
李小仙さんは特に、労働者が自らの命を犠牲にして闘う韓国労働運動の厳しい現実に対し、行く先々で「生きて動く労働者のみなさん」と呼びかけ、「両の目を見開き、両の手をぎゅっと握って一つになれば必ず勝てる」「生きて闘おう」と声を涸(か)らして訴え続けてきた。
李小仙さんの遺志を受け継ぎ、この11月、日韓労働者の共同闘争で非正規職撤廃、新自由主義攻撃粉砕へ闘おう!
(写真は昨年の11・7民主労総全国労働者大会で参加者を激励する李小仙さん)
2011年9月26日発行 第2505号
ILWUが大争議に突入
非組合・非正規化許さず 130人逮捕に実力で反撃
動労千葉とともに国際連帯強めよう
(写真 8月7日、ロングビューでILWUが線路封鎖。南のオレゴン州ポートランドのローカル92も参加 ) (写真 ロングビューで9月7日、ライフルを持ち弾圧に出動した警官隊にILWU組合員【手前】が対峙 ) アメリカの国・・・

(写真 8月7日、ロングビューでILWUが線路封鎖。南のオレゴン州ポートランドのローカル92も参加 )

(写真 ロングビューで9月7日、ライフルを持ち弾圧に出動した警官隊にILWU組合員【手前】が対峙 )
アメリカの国際港湾倉庫労働組合(ILWU)の労働者は今、穀物輸出資本と政府による労働組合つぶし・非正規職化の攻撃と対決する歴史的な大闘争の渦中にある。ILWUは鉄道線路の封鎖、穀物輸出ターミナルの占拠など戦闘的戦術を駆使し、130人もの労働者の不当逮捕を跳ね返して闘っている。こうしたILWUの闘いは、分割・民営化—外注化攻撃で戦闘的労働組合運動を破壊しようとする日帝・JR資本と対決する動労千葉の闘いとまったく同質である。動労千葉が長年培ってきたILWUとの国際的連帯の成否をかけてILWUの闘いを支援し、ともに闘おう。
ILWUの今回の大争議は、穀物輸出ターミナル社(EGT)が米ワシントン州南西部のロングビュー港に2億㌦をかけて建設した最新鋭の穀物輸出ターミナルでの荷扱い作業をILWUから取り上げ、非組合の労働者を雇ってやらせようとしていることとの対決だ。EGTはアメリカのブンゲ・ノース・アメリカ社、日本の伊藤忠インターナショナル社、韓国のSTX・パン・オーシャン社の合弁コンソーシアムである。
EGTの目的は、1934年の大ゼネスト以来、アメリカの西海岸の港湾業務を労働者自身の手で運営してきたILWUを排除し、最終的に非組合の非正規労働者に置き換え、西海岸の港湾業務のすべてを資本が独裁的に牛耳ることだ。これは一資本の意図ではなく、米ブルジョアジーの総意に基づいている。彼らは現在の世界大恐慌をのりきるため、破産した新自由主義政策になおも訴え、標的をILWUに定めたのだ。
ILWUはEGTに交渉を申し入れ、これまでどおり組合のハイアリングホールで仕事を配分されるILWU組合員を雇い、労働協約を締結することを要求した。EGTが交渉を拒否したため、ILWUの労働者たちは激しい怒りを募らせた。
6月3日、労働者の大反撃が始まった。ILWUの組合員1千人以上がEGTの本社前で抗議集会を開き、戦闘宣言を発したのだ。
7月11日には、EGTの穀物輸出ターミナルに向けてデモが行われた。組合員は門を打ち破って構内に突入し、抗議集会を開いた。これに対して警察は、集会を襲撃し、指導部を含む100人の組合員を逮捕した。
しかし7月14日には、数百人の組合員が線路を封鎖し、ターミナルに穀物を運ぶ列車の運行を完全に阻止した。
この勢いに押されたEGTは、非正規ではなく正規の労働者をILWUとは別の組合から雇うと発表した。これはILWUとこの別の組合とを対立させ、分断しようとする攻撃でもある。
以後、ILWUはピケットや監視行動を強化し、列車の運行を阻止し続けた。EGTは穀物輸出ターミナルの一時閉鎖を余儀なくされた。
労働者の闘いに追い詰められた資本は国家権力に弾圧を要請した。連邦の全国労働関係局(NLRB)は8月29日、ILWUが「攻撃的」なピケットを行ったとし、これを「不当労働行為」で告発した。
また9月1日には連邦裁判所が「違法な暴力的ピケット」を張ること、ターミナルに通じる道を封鎖することを禁止する仮差し止め命令をILWUローカル21(ロングビューの支部)と同ローカル4(米ワシントン州南部バンクーバーの支部)に対して出した。
だが労働者は逮捕や裁判所の命令などものともしない。数百人のILWU組合員が9月7日朝、バンクーバーで線路上にピケットを張り、EGTターミナルに穀物を運ぶ貨物列車の運行を午後遅くまで止めた。連邦裁判所の仮差し止め命令で強気になっていた資本側はすきを突いて強行突破を図ったが、ロングビューで待ち構えていた別の400人のILWUの労働者が再び線路を封鎖し、4時間にわたって列車の運行を阻止した。
これに対して警察は、乱闘服を着、ゴム弾を装填(そうてん)したライフルを持つ50人の警官隊を出動させた。警官隊は警棒とこしょうガスを使ってILWU組合員に襲いかかった。警官隊は19人の労働者を軽犯罪法の侵入容疑で逮捕し、列車の運行を強行した。警察はILWU本部のボブ・マッケラス委員長も一時拘束した。
弾圧のエスカレーションに労働者の怒りが爆発した。翌8日早朝4時半には、400人のILWU組合員が穀物輸出ターミナルに突入し、構内を占拠し、貨物列車に積まれていた穀物を線路上にぶちまけた。貨物列車のブレーキワイヤも切断され運行不能となった。さらに同日、アナコルテス、シアトル、タコマ、ロングビューの四つの港で数百人の労働者が弾圧に抗議して山猫ストに突入した。ワシントン州の全港湾業務が停止した。
ILWUのランク&ファイルの労働者たちは、戦闘的労働組合を破壊しようとする資本と国家の攻撃に危機意識を燃やすと同時に、アメリカ労働運動の未来がかかった決戦として争議を位置づけて総決起し、恐るべき戦闘性を発揮している。
動労千葉も、全面的外注化による労働組合破壊、国鉄闘争解体の攻撃にストライキを構えて闘っている。日米両国で最も戦闘的な動労千葉とILWUの国際連帯、相互支援関係を一層強化し、ILWUへの攻撃への一大反撃を組織しよう。
〔丹沢望〕
2011年9月12日発行 第2503号
イスラエルで60万人デモ
米帝の中東支配の根幹揺るがす
(写真 エルサレムでの5万人の集会【9月3日】) チュニジア、エジプトでの革命に始まる中東革命の波がついにイスラエルにも波及した。7月中旬以降、イスラエルでは青年労働者が画歴史的な新自由主義との闘いを開始したのだ。それはイスラエ・・・
(写真 エルサレムでの5万人の集会【9月3日】)
チュニジア、エジプトでの革命に始まる中東革命の波がついにイスラエルにも波及した。7月中旬以降、イスラエルでは青年労働者が画歴史的な新自由主義との闘いを開始したのだ。それはイスラエルの国内支配体制の崩壊的危機を一気に促進し、米帝の中東支配の要をなすイスラエルという特殊な国家の根幹を揺るがしている。戦後の米帝の中東支配を総崩壊させかねないイスラエルの青年労働者の決起はなぜ起きたのか、そしていかなる形で発展しようとしているのだろうか。
9月3日、イスラエル全土で60万人を超える巨大な社会改革を求める青年労働者のデモが爆発した。テルアビブで50万人、エルサレムで5万人、ハイファで4万人、その他の諸都市で5万人がデモに参加した。現在イスラエルの総人口は775万人、総人口の8%ほどがデモに参加したことになる。7月中旬に家賃値上げに抗議した若者の闘いから始まったデモは、すでに3回行われており、7月23日に3万人、7月30日に15万人、8月6日に30万人と急速に拡大していった。
このデモの最大の特徴は、世界大恐慌下での全面的民営化と社会保障や医療などの公的サービスの切り捨て、低賃金、生活費の高騰と、貧富の差の極端な拡大に抗議し、資本家と政府に対し「生きさせろ!」と要求する青年労働者が大量に決起したということだ。
今日、イスラエルの総人口の23%(約177万人)が政府が決めた貧困ライン以下の生活を強いられている。しかも08年以降の物価上昇で住宅価格は55%、家賃は27%、基本的な消費物資は40%も上昇した。このため、多くの青年労働者が、生活費の6割以上を占めるに至った家賃を支払うことも、子どもを養育することもできなくなった。他方で、18人の大富豪がイスラエル経済を支配し、富の大部分を独占している。
こうした状況下で、イスラエルの青年労働者たちは、中東においては、アラブ人の労働者も、ユダヤ人の労働者も、結局は資本家によって支配され、同じ境遇におかれているのだということをはっきりと認識したのだ。そして彼らは、エジプトの労働者のように、資本家の支配を覆す闘いをしなければ、自分たちは資本家に殺される、エジプト労働者のように闘おうという決断をしたのだ。
これは、イスラエルの労働者が、自分たちの現在の生活を守るために「『テロや戦争を仕掛けてくる』アラブ人と闘う必要がある」という政府や資本家の扇動のペテン性に気がつき、〈生きるためにはアラブ人のように資本家階級と闘う必要がある>という階級的立場に移行し始めたことを意味する。やはり労働者階級は闘いの中で真実を学び取り、必ず資本主義打倒に決起する階級なのだ。
この闘いにはアシュケナジと呼ばれる東欧系ユダヤ人も参加しているが、デモ参加者の相当の部分がセファルディと呼ばれる北アフリカ・アジア系の労働者である。
帝国主義によって人工的に創設されたイスラエルの人口を一挙に増やし、国家としての体裁を保つために1950年代に北アフリカ・中東のアラブ諸国に住んでいたユダヤ人の80%がイスラエルに移住させられたが、それらの人々が下層労働者として雇用され、セファルディと呼ばれるようになった。セファルディはパレスチナ系イスラエル人以外のユダヤ人の6割を占め、新自由主義政策によって最も影響を受けた労働者層として今回の決起を主導している。
なお、領土を併合されてイスラエル国籍を取得したパレスチナ人とユダヤ人の共闘は一部で開始されているが本格化はしておらず、運動の革命的発展の中で解決されるべき今後の課題として残されている。
このデモの第二の特徴は、労働者階級のストライキ闘争とも連携しているということだ。8月1日には、激しい民営化攻撃にさらされている10万人の地方公務員労組が24時間ストに突入し、青年労働者の巨大街頭デモと連携する闘いに決起した。民営化による医療の破壊と劣悪な労働条件に抗議する医師や看護師のストライキも頻発している。
イスラエルではヒスタドルートという官製の労働組合のナショナルセンターがあるが、労働者たちは、ヒスタドルートの官僚指導部による制動を振り切って政府や資本家の民営化政策との本格的闘いに突入しているのだ。街頭での巨万の決起と、労働組合の戦闘的決起の結合はイスラエルの労働者階級の闘いを新たな次元に突入させるであろう。
イスラエル史上最大の危機に直面したネタニヤフ政権は、この危機を突破するためにパレスチナ人やエジプトとの戦争的緊張をつくり出し、排外主義をあおることでこの闘いを終息させようとした。
ネタニヤフは8月18日に、紅海に近いエイラートで「イスラエル軍兵士へのテロ攻撃があり8人が死亡した」として、直ちにガザ地区の空爆とエジプト軍の一部に対する攻撃を行った。イスラエル軍による攻撃は8月25日まで繰り返して行われ、多くのパレスチナ人民が虐殺された。
ネタニヤフはこれによってアラブ人への敵意をあおり、デモの鎮静化を図り、この闘いが巨大な反政府闘争に発展するのを阻止しようとしたのだ。従来はこうした策動は成功していた。だが、今回は8月27日のデモの数が1万人程度に減少したものの、9月3日には再び60万人を超えるものになった。イスラエル政府による労働者の闘争圧殺の伝統的な切り札がもはや有効性をもたないほど、イスラエルの労働者の怒りが強いものであることが明らかになったのである。
だが、他方でイスラエル労働者階級の闘いは今、革命的分岐点に突き当たっている。最大の問題は、この闘いを指導する革命的指導部が存在しないということだ。
現在、青年労働者の街頭での闘いを指導している小ブル的急進勢力は、この闘いが政府と資本家の支配の打倒へと発展することを必死で阻止しようとしている。
したがって、このような指導部を打倒し、新たな革命的指導部を打ち立てない限り、この運動はもはやこれ以上発展しえない段階にきている。イスラエルでの労働者階級の勝利は、米帝の戦後世界体制を支える戦略的要である軍事基地国家の消滅を意味するものであり、米帝の中東支配および世界支配を崩壊させる威力を持つ。米帝は当然、激烈に反応するであろう。それは生半可な闘いでは勝利できない困難性をはらんでいる。だからこそ、この歴史的任務を担うことのできる指導部を押したて、中東革命、世界革命を推進する立場に徹底的に立ちきる闘いを創造する以外に勝利の道はないのである。
イスラエルの労働者階級は、エジプトや中東の労働者階級から学び、彼らとともに闘い、必ずやこの困難な闘いに勝利するであろう。
(丹沢 望)
2011年9月 5日発行 第2502号
韓国・済州島の闘い
体を張り海軍基地を阻む
カンジョン村住民に檄文を送ろう
(写真 海軍基地建設工事再開に抗議し警察と激突するカンジョン村住民ら【8月24日 済州島】) 韓国・済州島(チェジュド)でカンジョン村住民による海軍基地建設阻止闘争が激化している! イミョンバク政権がカンジョン村に新たに・・・

(写真 海軍基地建設工事再開に抗議し警察と激突するカンジョン村住民ら【8月24日 済州島】)
韓国・済州島(チェジュド)でカンジョン村住民による海軍基地建設阻止闘争が激化している!
イミョンバク政権がカンジョン村に新たに建設しようとしている韓国海軍基地は、実は在韓アメカ軍の対中国ミサイル防衛(MD)基地である。
深化する世界大恐慌情勢下、米帝は東北アジアに展開する米軍の再編を進めている。その一環として台湾・沖縄・グアムと韓国の済州・郡山・平沢をつなぐ対中国包囲線を構築するために、済州島に新基地を確保しようとしているのだ。
昨年11・23に続く砲撃戦が8月10日に発生。その後も実戦さながらの米韓軍事演習が繰り広げられ、朝鮮半島の軍事的緊張は高まっている。
カンジョン海軍基地建設反対闘争はすでに07年から4年4カ月におよぶ実力闘争になっている。
カンジョン村民1900人の村ぐるみの闘いを先頭に「済州海軍基地建設阻止のための全国対策会議」が組織され、民主労総済州本部を始め労働者、学生、宗教者、市民らが駆けつけ、労農同盟を軸とする大衆的実力闘争に発展している。
8月24日午後2時、カンジョン村の海軍基地建設現場で施工業者がクレーンを組み立て始めた。これを阻止しようとした反対派住民と警察が激突した。この攻防でカンドンギュン村会長ら5人が業務妨害などの容疑で警察に捕まった。反対運動のリーダーである村会長の強制連行に抗議する住民たちと警察の肉弾戦が1時間にわたって続いた。住民たちは海軍基地事業団の前を車両でふさぎ、村会長の釈放を要求して対峙した。さらに村会長らを乗せた押送車が住民らに包囲され、7時間にわたって立ち往生する前代未聞の事態となった。住民の怒りの前に警察権力が行使できない事態が生まれたのだ。
7月以降、地元警察が24時間張り付いて警備していたが、8月14日にソウル・京畿地域から放水車・装甲車・大型バスなどの警備車両とともに600人の警察部隊が済州島に到着し、警備の前面に出た。カンジョン闘争に対するイミョンバク政権の恐怖の現れだ。
8月29日、済州地方裁判所は、海軍基地反対派の工事敷地内出入りを禁止する仮処分を決定した。違反した者には違反行為1回当たり200万ウォン(約14万5千円)の支払いが科せられる。
警察力投入が切迫する中、海軍基地反対カンジョン村対策委員会が「カンジョンをどうか助けてください」というアピールを発した。「億万の金をやると言われても、この美しいカンジョンの海とクロムビ岩を大切に守り、子孫に伝えたいとの一念のもとに頑張ってきたのです」「村の共同体が破壊され、結局クロムビ岩がコンクリートで覆われれば自ら命を絶つというカンジョン村の住民は数知れません。どうかカンジョン村の住民を死のふちに追いやらないよう力を貸してください」と呼びかけている。
建設予定地の中徳海岸にある一枚岩のクロムビ岩からは水がわき出ている。この美しい海岸を直径1・2㌔にわたってセメントで固めて侵略基地を造ろうというのだ。
カンジョン闘争を国際連帯の力で勝利させよう。国策と称して強行される海軍基地建設には一片の正義もない。阻止あるのみだ!
すでに動労千葉と全学連は連帯メッセージをカンジョン村に送った。全国からメッセージや檄文を動労千葉国際連帯委員会に集中し、カンジョン闘争に連帯しよう!
2011年8月29日発行 第2501号
イスラエル 30万人超がデモ
民族分断こえる階級性
(写真 低賃金、物価高騰に怒り「エジプト人のように進もう」とのプラカードを掲げデモ【6日 テルアビブ】) 8月6日、低賃金と物価高騰に抗議してイスラエル史上最大の30万人を超えるデモが行われた。7月30日の15万人デ・・・
(写真 低賃金、物価高騰に怒り「エジプト人のように進もう」とのプラカードを掲げデモ【6日 テルアビブ】)
8月6日、低賃金と物価高騰に抗議してイスラエル史上最大の30万人を超えるデモが行われた。7月30日の15万人デモからわずか1週間で2倍の爆発的決起である。
7月中旬からテルアビブのロスチャイルド大通りは、テントを張って家賃値上げに抗議した女性の決起をきっかけに、数週間にわたって、まるでエジプトのタハリール広場のように数㌔も続く学生たちのテントで占拠された。
医師や公務員は、財政難を理由にした劣悪な労働環境に抗議してストライキに決起した。アラブ系のタクシードライバーたちは、ガソリン価格の高騰に抗議してテルアビブの通りを封鎖した。
幼児へのデイケアを求める母親たちは、「ベビーカー抗議運動」に決起した。デモの中心は20代、30代の若者で、デモ隊の中では「エジプト人のように進もう」と書いた英語のプラカードも掲げられた。
この間、イスラエルでも新自由主義攻撃が吹き荒れ、民営化、規制緩和が進行した。そして重い軍事費負担などすべての矛盾が労働者に押しつけられ、中流層の生活は激変した。08年以来、住宅価格は55%、家賃は27%、食費は40%も値上がりした。そしてエジプトをはじめとした国際的な闘いが広がる中で、イスラエルの労働者も信仰や民族ではなく資本家との階級対立が根本問題であることを次第に自覚し始めたのだ。
今回の大闘争は、新自由主義との闘いがあらゆる層の広範な決起を引き出し、とりわけイスラエルでユダヤ人とアラブ人という民族による労働者の分断をぶち破り始めたという点で画期的な意義を持っている。また、その先頭に青年労働者・学生が立ち上がっていることも決定的だ。資本に対する怒りの決起が信仰や民族や国境で分断されてきた労働者を団結させ、社会を変革する主体へと成長させるのだ。
この闘いは、世界大恐慌の中枢・アメリカ帝国主義の崩壊的危機の現れであり、イギリスでの暴動的決起とともに世界革命情勢を一段と成熟させる決定的な闘いだ。
これらの決起は、同じように新自由主義との闘いの最先端にある日本における反原発闘争、国鉄闘争への限りない激励にほかならない。イスラエルの労働者と連帯し、猛然と闘おう!
2011年8月22日発行 第2500号
イギリス青年労働者の反乱
全土に「生きさせろ!」の叫び
革命を切り開く歴史的決起
(写真 リバプールに波及した青年の反乱【8月8日】) 8月6日、ロンドンで爆発した青年労働者の暴動は瞬く間に英全土に拡大し、この25年間で最大の暴動に発展した。それは最貧困層の労働者階級の「生きさせろ!」と要求する反乱であり、イ・・・
(写真 リバプールに波及した青年の反乱【8月8日】)
8月6日、ロンドンで爆発した青年労働者の暴動は瞬く間に英全土に拡大し、この25年間で最大の暴動に発展した。それは最貧困層の労働者階級の「生きさせろ!」と要求する反乱であり、イギリスの支配階級を根底から震撼(しんかん)させた。イギリスの労働者階級が人間として生きていくためには、腐敗しきった資本主義を根底的に打倒し、新たな労働者階級のための社会を建設する以外にない。青年労働者の歴史的反乱はその突破口を切り開いた。
ロンドンの高失業率地域のトッテンハムで8月6日に起きた暴動は、8月4日にマーク・ダガンという29歳の黒人青年を職質し、射殺した警察に対する抗議行動を契機として開始された。
警察は、ダガンさんを「麻薬の売人、ギャングの一味」であるというデマを流した上で、彼が先に警官に向けて発砲したので、正当防衛で射殺したと発表した。だが実際には、その後の調査で、現場には警察官の発射した2発の銃弾しか発見されず、ダガンさんが持っていたとされた銃には弾丸が発射された形跡がなかったことが明らかになった。8月6日のダガンさんの家族と友人による抗議行動は、警察のデマに抗議し、真相を明らかにすることを強く要求するものであった。
だが、警察はこの抗議に誠実に対応しなかったばかりか、抗議のために集まっていた一人の若い女性を警棒で殴打し、倒れたところを殴る蹴るの暴行を加えた。これに怒りを爆発させた若者たちが警察署や警察車両に火を放ち、警官たちと衝突するなかで、日ごろから警官によって抑圧され、不当な暴行を受けていたアフリカ系やアジア系の青少年の怒りに火がつけられ、暴動が全市に拡大していったのだ。
9日までに、暴動は英第二の都市バーミンガムやブリストル、リーズ、リバプール、ノッチンガム、マンチェスターなどの大都市に拡大し、前代未聞の規模に発展した。各地での暴動は白人青年労働者や失業者、学生などの広範な参加を得て、特定のエスニック集団に限らないイギリスの青年労働者や失業者全体の普遍的な闘いへと発展していった。
こうした現実に驚愕(きょうがく)したキャメロン政権は、まず、暴動がもっとも激しく、広範囲でおきた首都ロンドンに全国から前代未聞の1万6000人もの警察官を投入して反乱を暴力的に鎮圧しようとした。警察の装甲車や騎馬警官が投入され、さらには状況しだいでは、北アイルランドでのデモ鎮圧用に使用されていた放水銃やプラスチック弾の使用、軍の投入も検討するとされた。地方の諸都市でも同様の暴力的弾圧が行われ、8月15日までに全国で2882人が逮捕され、主要都市の警察留置場は満杯になった。うち1179人(その約半数が18歳から24歳)が裁判にかけられ、みせしめのために即決で判決が下されている。
被逮捕者の起訴率は異常に高く40%を超えた(通常は3・5%)。判決も異常な厳しさだ。例えば、ある20歳の学生は、400円相当の水を盗んだとして6カ月の投獄、ある若い母親は、略奪されたとされる下着をもらって持っていたという理由で5カ月の投獄を宣告された。しかもこれは微罪裁判所での判決で、多くの若者が重罪を宣告できる刑事裁判所に送られている。
政府はこの暴動を「特定の犯罪集団やギャング集団」が扇動したものであり、扇動に便乗した者も「モラルの崩壊」した犯罪者だとして、暴動の本質を徹底的に覆い隠して厳しい弾圧方針をとった。野党や主要な労働組合の体制内派指導部も政府のこの方針を容認した。
だが暴動の本質はそこにあるのではなく、青年労働者を永続的な失業状態に追い込み、一切の抵抗闘争を凶暴な弾圧によって抑え込んできた政府・資本家に対する彼らの積年の怒りが、ダガンさん虐殺事件を引き金として爆発したという点にある。
新自由主義政策の全面展開のもとでの大失業攻撃と非正規化攻撃によって、賃金の低下、高い失業率、生活の劣悪化という状態を強いられていた低所得層の青年労働者たちは、08年のリーマン・ショック以降の経済破綻と財政危機への対処策として打ち出された社会保障費、教育費、失業手当、生活手当、住宅手当の削減などによって決定的打撃を受けた。低所得の青年を支援する予算も今年は75%も削減された。このため、20%を超える失業率にあえぐ青年たちの最後の交流場所であり、心の支えとなっていた公的図書館やスポーツ施設などの閉鎖と、公営住宅費支援金、生活支援金の削減などの措置が取られた。それは低所得の青年層を極限にまで追い詰めた。
こうして青年労働者たちは、低所得者を対象とした粗末な公営住宅地域に閉じ込められ、永続的な失業状態のまま将来の展望は何もない絶望的な閉塞(へいそく)状態に置かれた。
政府の新自由主義的政策を支持する既成の労働組合も、このような問題に一切関与せず、青年労働者たちを孤立させたままにした。今回の暴動の直前には、社会から排除され、見殺しにされているという怒りが、低所得の青年層の間に充満していたのである。
そしてこれらの青年たちをただただ治安的観点から監視し、抑圧し、とりわけ黒人系、アジア系の青年労働者に人種差別的暴力を振るう警察に対する怒りも爆発寸前に高まっていた。
だからこそ、同じ境遇の青年労働者であったダガンさんの警察による虐殺を青年たちは自らに対する虐殺攻撃と受け取り、怒りを爆発させたのだ。
青年たちは、何もできないちっぽけな存在と思い込まされてきた。だが、自分たちの団結した闘いで、キャメロン政権の新自由主義政策と青年労働者に対する抑圧と差別の政策に大反撃することを通して、実は自分たちが自らを解放する力を有しているのだということを確信した。こうしてイギリス帝国主義に対する反乱は彼ら青年たちに巨大な解放感を味わわせ、希望を与えた。
青年労働者たちの怒りの爆発は、まだ自分たち労働者階級が持つ真の力を資本主義社会を根底的に転覆するものへと正しく組織する意識性を有していないが、彼らがこの闘いによって自分たちが持つ力に大きな自信をもったことは決定的に重要だ。
今回の青年労働者の反乱は、80年代から始まるレーガン、サッチャー、中曽根を先頭とする国際帝国主義による新自由主義攻撃との攻防の延長線上にある。その最末期の帝国主義の新自由主義政策はイギリスにおいても大破産していることを指し示している。イギリスの青年労働者がエジプトの労働者のように、自分たちの利害を真に代表する闘う労働組合を組織して闘うならば、必ずや自分たちを抑圧する資本主義社会を根本的に打倒することができる。青年の反乱はそのような闘いの突破口を切り開いた。
青年労働者や失業者の自己解放の闘いを組織する革命的労働運動勢力と前衛党をつくり出すことが決定的だ。イギリスの労働者階級はこの歴史的課題を必ずや実現し勝利への道を切り開くであろう。
(丹沢 望)
2011年8月 1日発行 第2498号
05年8月 シーハンさんの決起
(写真 クロフォードに立つシーハンさん) シンディ・シーハンさんの闘いは、05年8月6日から始まった。カリフォルニア州に住むシーハンさんは支援者約50人とともに、赤・白・青の星条旗色に「弾劾ツアー」と描かれたバスでテキサス州クロ・・・
(写真 クロフォードに立つシーハンさん)
シンディ・シーハンさんの闘いは、05年8月6日から始まった。カリフォルニア州に住むシーハンさんは支援者約50人とともに、赤・白・青の星条旗色に「弾劾ツアー」と描かれたバスでテキサス州クロフォードを訪れ、ブッシュ大統領の保養地の牧場に向かって行進した。しかし、牧場入り口まで8㌔の地点で、地元の警察に足止めされた。
シーハンさんらはその地点にキャンプを張り、座り込みを始めた。キャンプは、亡くなった息子の名を取って「キャンプ・ケーシー」と名付けられた。ここに全米各地から続々と支援者が訪れ、ともに座り込んだ。多くのマスコミも加わってにぎわい、キャンプ・ケーシーは反戦の拠点として、世界中が注目するところとなった。
シーハンさんを行動に駆り立てたのは直接的には8月4日のブッシュ演説である。ブッシュはそこで、戦死米兵を追悼するとともにイラク戦争遂行の必要性を訴え、「米兵たちは崇高な使命のために命を捧げている」と演説したのだ。
シーハンさんは言う。「どうして息子を殺したのか、息子はなんのために死んだのか、大統領に尋ねたい。その『崇高な使命』というのはいったい何なのか」「イラクは米国にとって脅威ではない。みんな無駄死にしている」
ここからシーハンさんの闘いが始まった。
2011年6月13日発行 第2491号
国鉄と反原発の国際連帯進む
米・独から熱いメッセージ 6・5集会
(写真 5月7日、日本の反原発デモに連帯し米サンフランシスコの日本領事館前で日本政府と東京電力に全原発停止を要求するTWSCなど) 3・11大震災直後の3月14日、動労千葉国際連帯委員会はインターネットで全世界に・・・
(写真 5月7日、日本の反原発デモに連帯し米サンフランシスコの日本領事館前で日本政府と東京電力に全原発停止を要求するTWSCなど)
3・11大震災直後の3月14日、動労千葉国際連帯委員会はインターネットで全世界に「震災レポート」を発信。現在24号になるレポートは大反響を呼び、英語から幾つもの言語に翻訳され、サイトへの引用は179万件を突破しています。国鉄闘争全国運動6・5大集会には、米・独から連帯のメッセージが寄せられました。(編集局)
国鉄闘争全国運動6・5大集会に結集された兄弟姉妹のみなさん。
団結と連帯を堅持して闘い抜くみなさんに敬意を表明します。本集会が闘いを拡大・強化する正義の叫びとして伝播(でんぱ)して行くことを切望します!
労働運動の復権は今日における私たちの一つの巨大な挑戦です。国鉄闘争は、民営化と新自由主義と対決する闘いにおいて指導的立場であり続け、私たちをリードする基軸的位置にあります。
地震、津波、原発事故という三重の災害は、日本の民衆を闘いの最先端に立たせました。人的犠牲と人民の苦痛は、命が利潤と統制よりも下位におかれていることの痛苦な証明となっています。
かつてなかったような闘いに立ち上がった兄弟姉妹のみなさんに対し、畏敬の気持ちをもってともに手を組むことをお伝えします。UTLAとCAMSは、ここアメリカのロサンゼルスで同じ闘いを闘い続けます。心からの連帯をもって。
兄弟姉妹のみなさん。運輸労働者連帯委員会(TWSC)は解雇された国鉄労働者を支援するとともに、新たな労働運動の建設をめざす6・5集会を断固支持します。
民営化による1047名の国鉄労働者の解雇は、日本の労働者階級に対する攻撃拡大の転換点であり、労働組合と労働者階級全体のあらゆる戦闘性と自立性を解体することを目的としていました。中曽根内閣は、戦闘的労働運動を解体するためにこそ、国鉄を民営化したことを公然と認めました。
今日、日本政府はJAL、郵政などあらゆる部門に攻撃を拡大し、社会保障制度の破壊に突き進んでいます。アメリカ政府もまた、民主党・共和党のいかんにかかわらず、経済全体の民営化と規制緩和を推し進めています。政府は帝国主義戦争に1兆㌦も注ぎ込む一方で、数万人の教師を解雇し、公務員労働者が労働条件、健康、安全について交渉する権利を非合法化するため、譲歩を迫り続けています。運輸労働者もまた、国のあらゆる部門において攻撃にさらされています。
そして今、日本とアメリカの政府は、環境危機と核メルトダウンを口実として共謀し、沖縄の米軍基地の撤去を引き延ばしています。
TWSCは、在日米軍に対する日本の労働者階級と農民の闘いの立場にきっぱりと立ち、日本にその反戦憲法の放棄を迫るアメリカの政治家を弾劾するとともに、日本本土への核兵器の持ち込みを糾弾します。
また私たちは、労働者階級にこの震災危機とフクシマ核メルトダウンの一切を転嫁する政府と企業と対決して闘う日本の労働者・農民とともにあります。
放出が続く放射性物質は、日本と世界の人民の脅威となっています。アメリカ政府とGEやバブコック&ウィルコックスなどのアメリカ企業は、日本にまさに欠陥だらけの原発の建設を押しつけました。日本を含め世界中どこにも「安全」な核エネルギーは存在しません。核廃棄物の「適切」かつ「安全」な貯蔵など存在しません。
私たちは、世界の核廃絶に向けた貴要求を断固として支持し、重大な連帯行動をもってともに立ち上がります。
親愛なる同志のみなさん、ここに私たちはみなさんに連帯声明をお送りします。私たちはドイツのKRD(レーテデモクラシーのための委員会)です。私たちは動労千葉と全学連の友人です。
3月11日の大地震・大津波による大震災以来、私たちはドイツにおいて一連の救援活動を組織し、みなさんのために多額のカンパを集め、日本に送ることができました。5月20日の東京高裁での未曽有の大量逮捕に際して、私たちはドイツ『左翼新聞』(リンケ・ツァイトング)紙上において、この弾圧を厳しく批判し弾劾しました。
私たちは、新自由主義的な国鉄の分割・民営化に対して長年にわたって闘ってきた、そして今日もなお闘っている同志たちに心から連帯します。私たちはまた、原発に対して決然と闘っているみなさんに心から連帯します。「全原発の即時停止」は全世界における統一スローガンにならなければなりません。私たちはさらに、大震災を口実とする大量首切りに対するみなさんの闘いを支持します。
現在の資本主義社会においては次のような問題があります。それは——
・エネルギーの無駄づかいであり、原子力エネルギーのような未確立エネルギー技術の使用です。
・労働者の犠牲と失業です。
・軍需生産です。
・その他、無意味なものをものすごくたくさん生産するあり方です。
・要するに、信じられないほどの浪費です。
これらすべてに対して世界中で終止符が打たれなければなりません。
したがって、人間と地球に荒廃と脅威をもたらす社会に終わりを告げることは私たちみんなにとって緊急の課題です。しかし、そのためには全社会を牛耳る無責任な人びとから権力を奪い取らなければなりません。
数ある脅威のなかで最大のものは、社会の資本主義的あり方です。このあり方が根本的に変革されなければなりません。そのためには二つのことが必要です。
第一に、ドイツで、日本で、全世界で階級的労働運動を建設し、強化することです。第二に、国際連帯を強化し深化することです。この二つの有効な武器をもって、私たちはこの資本主義社会に終止符を打ち、新たな人間的社会を建設していきたいと思います。
国境を越えてともに闘いましょう! 団結! がんばろう! 連帯のあいさつを送ります。
2011年6月 6日発行 第2490号
ドイツ 16万人が「原発止めろ」
(写真 2万5千人が参加したベルリンの5・28全原発即時廃止集会。左端の三角マークの旗はIGM【金属労組】) ドイツ全土で5月28日、「命を奪う危険な技術=原子力を廃止しよう」「ただちに原発をやめよう」をスローガ・・・
(写真 2万5千人が参加したベルリンの5・28全原発即時廃止集会。左端の三角マークの旗はIGM【金属労組】)
ドイツ全土で5月28日、「命を奪う危険な技術=原子力を廃止しよう」「ただちに原発をやめよう」をスローガンに、デモが行われた。
メルケル政権は巻き起こる反原発闘争に押されて「脱原発」を表明したが、29日の与党協議は2022年を目標年とする方向で行われる。
これに対して、地域的、全国的なさまざまな反原発組織が「即時停止」のためのデモを呼びかけたのだ。大きなデモだけでも全国21カ所、参加人数は16万人になった。多くの労働組合員が組合旗を掲げて結集した。
前進社 〒132-0025 東京都江戸川区松江1-12-7 週刊『前進』・毎週月曜日発行
2000年6月5 日公式サイトzenshin.org開設 2008年3月17日速報版サイト開設.



