(写真 右が市東さんの署名。左が偽造署名。実際はNAAがわざわざ似せてデッチあげた)

(写真 上二つが市東さん。下が偽造署名。bの縦線が市東さんは左傾しているが偽造署名は右傾)

(写真 上二つが市東さん。下が偽造。上二つより後の時期に書かれているのに偽造署名は筆に勢いがある)
今回は、市東東市さんの筆跡の偽造そのものを取り上げる。根本寛氏による筆跡鑑定で、偽造署名が、市東さんの署名に似せて書いた他人の筆跡であることが判明した。まさに悪質な私文書偽造罪だ。事業認定の失効期限(1989年)に追いつめられた空港公団(NAAの前身)は、88年、このような刑法犯罪にまで手を染めていた。
筆跡鑑定したのは根本寛氏で日本筆跡鑑定人協会・理事長である。この筆跡鑑定の内容を具体的に紹介し、同意書、賃借地境界確認書の署名が明々白々な偽造署名であることを明らかにする。
2010年10月24日作成の筆跡鑑定書を見てみよう。鑑定書は、本文11ページ、添付資料8ページの詳細なものだ。鑑定書は1988年4月作成の「境界確認書」の署名および同時期と思われる「同意書」の署名の二つを市東さんの実筆と比較している。
実筆は87年12月4日裁判宣誓書と85年7月3日付け訴訟委任状である。そして根本氏は「筆跡は別人の筆跡である」と断定し、「同意書」「確認書」の署名は本人に似せた偽造と結論付けた。
その根拠になったのは次の「市」と「東」の厳密な鑑定である。以下、紙面の都合上、鑑定書から「裁判宣誓書」(実筆)【写真、上右】と「同意書」【写真、上左】との比較のみを要約引用したい。
(1)「市」について【写真中】
(1)「第1画目の大きさ」(aで示している)。実筆は参考に添付された書道手本程度の大きさであり、力強さもない。対して「同意書」「確認書」での第1画はすべて大きく書かれている。時期が一年後の筆跡であるのにこれは不自然である。
(2)「第3画目の角度」(bで示している)。実筆は、多少の程度差はあるがすべて左傾する。しかし「同意書」は異なり、しかも姓と名の「市」の第3画目の角度はばらつく。自分の名前の傾向は安定性が高いのが普通であり筆跡がばらつくのは不自然。
(3)「最終縦画の横方向へのバラツキ」(cで示す)。実筆は「第1画の終筆部とほぼ同じ」だが、「同意書」では「左寄り」に配置される。しかも「同意書」「確認書」で同一人の署名でcの配置がばらついているが、これは不自然。
(4)「同意書」の姓の「市」の横画(2画目)は左に突出しているが、名の「市」は逆に右に突出している。
実筆は、昭和62年の筆跡であるが、2字とも高齢から来る若干の震えが見られる。しかし「同意書」はそれより遅い時期であるのに、震えは見られず筆勢も力強さがある。以上を総合的に考察すれば、「異筆の可能性が高い」と言える。
(2)「東」について【写真下】
①「市」でも同じだが、運筆の滑らかさと力強さの違いが際立っている。
(2)「第1画の長さ」(aで示す)。実筆は普通程度かやや短いのに対し、「同意書」はかなり短い。この違いは、拡大して気づく程度の微妙なものであり、作為を施せない。(3)「第2画の角度」(bで示す)。実筆はすべてが安定し左傾化している。しかし「同意書」には現れていない。長年書いている名前には、このような混乱はないはずだ。(4)「第3画転折部の形」(cで示す)。実筆はすべて安定し尖っている。「同意書」「確認書」では姓と名で「東」のここの部分がそれぞれ異なる。(5)「同意書」「確認書」は、実筆を模倣しようと意識的に乱暴に書いている様子がある。一方、実筆は(体の)不自由さからの乱れはあるが几帳面な書き方である。この違いは書き手の個性の違いを強く示唆している。以上を総合的に考察して、総括すれば「ほぼ異筆である」といえる。
「筆の勢いも違う」
以上に踏まえて、根本氏は次のように最終考察し「結果は、同一人の筆跡と到底考えられない…。指摘した筆跡特徴の大部分が相違しており、(類似の部分も)偽造を想定すれば当然の類似であると考えられる箇所であった。一方、不一致の箇所は、すべて同一人の個人内変動による違いではなく別人の筆跡個性によるものと判断された」と結論した。また「不一致での運筆の矛盾」も指摘し、実筆より年齢が遅い「同意書」の筆跡が「力強く滑らかに運筆されていたのはきわめて不自然である」と指摘し、明らかな矛盾を暴露した。また「同意書」「確約書」の筆跡個性の混乱(同一人が自然に書いたものと思えない違い)を分析し「これは長年、数多く書いている本人が書いたものとは考えられない。別人が他人の名前を偽造した結果としか考えられないものであった」と断定した。これは決定的だ。このように「同意書」「確認書」が市東東市さんの署名でないばかりでなく、市東さんの署名に似せて作成された偽造私文書であることが突き出されたのである。
市東裁判は、いよいよNAAの権力犯罪を暴く一大攻勢に突入した。2月20日行訴・農地法裁判、4月9日耕作権裁判の大傍聴闘争へ。