9月29日、千葉地裁で鈴木さん一坪共有地裁判の口頭弁論が開かれ、三里塚反対同盟、顧問弁護団、支援の労働者・学生が一体で闘いぬいた。裁判長は現闘本部裁判一審で反動判決を出した民事5部・仲戸川隆人だ。
7月28日、仲戸川は不当にもこの裁判での訴訟継承問題で、鈴木加代子さんが権利を受け継ぐことについて突然却下の決定を出した。この裁判は鈴木幸司さん、いとさん夫妻が共有する駒井野の一坪共有地をめぐって始まったが、幸司さんの逝去にともない、その持ち分は「三里塚地区周辺に土地をもつ会」に帰属し、長男の謙太郎さんとその妻加代子さんが継承することが理事会において決定された。
ところが仲戸川裁判長は、それを認めると一坪共有地が組合の所有であることを承認したことになり、千葉県による買収の違法性が明らかになるため、単なる民法上の所有として、いとさんおよび4人の子の一般的相続の決定を出し、加代子さんの裁判継承を却下したのである。
開廷早々、弁護団は次々と立って仲戸川を徹底追及し、決定の撤回を求めた。傍聴席からも怒りの声がたたきつけられた。仲戸川裁判長は、「被告(鈴木さん側)は決定を不服として抗告しているから抗告審の判断にゆだねる」と繰り返して逃げを計った。これに対して弁護団は「却下の趣旨が意味不明」として説明を求める一方、抗告の決定が出るまでは審理を停止するよう求めた。
追いつめられた仲戸川は、「幸司さんの継承問題といとさんの権利関係を分離して裁判を進めることもできる」と唐突にとんでもないことを言い出した。分離していとさんの方だけどんどん進めて、早く反動判決を出すということだ。弁護団は心底怒って裁判長を弾劾し、「絶対に認められない。裁判を受ける権利の侵害だ。抗告審の結果が出るまで一切の手続きを停止せよ」と強く迫った。傍聴席からも強い抗議の声が続出した。裁判長はうろたえながらなお、「進行協議を持ちたい。期日だけは決めておきたい」などと繰り返したが、弁護団は断固これを拒否し「停止」の立場を譲らなかった。市東孝雄さんは傍聴席から「裁判長が考え方を変えろ!」と一喝した。
仲戸川は法廷の怒りに圧倒されて、二度の合議の末に「停止」を受け入れ「期日は追って指定」と言って閉廷した。鈴木さんと弁護団、傍聴人が一体となっての勝利だ。
裁判所1階のロビーで総括が行われた。葉山岳夫弁護士はじめ弁護団一人ひとりの怒りあふれる法廷解説に続き、鈴木さん親子が発言した。鈴木いとさんは穏やかな口調で「一坪共有地は私ら個人のものではなく反対同盟のものですから、体の続く限り闘います」と決意を表した。続いて謙太郎さんは、「弁護団とともに分離策動を粉砕した。10・9全国集会を今日の勢いで成功させよう」と語った。最後に萩原進事務局次長が、「今日のような闘いが、現地での実力闘争につながる。10・9は現在の階級情勢のもとで決定的に重要だ。大結集を実現し、その力でまた裁判所を包囲しよう」と力強く訴えた。(TN)
歴史的な9・11反原発デモの夕方、高崎総合福祉センターにおいて、「群馬・市東さんの農地を守る会」の呼びかけによる「福島原発事故・TPP・農地取り上げ いま、農民は訴える9・11群馬討論会」が開催された。
司会が昼間に高崎市内で取り組まれた反原発デモの大成功を報告し、開会を宣言。続いて、主催者を代表して高階ミチさんが開会のあいさつを行った。パネラーとして、3人の農民が登壇。最初に、秋田・大潟村の坂本進一郎さんから「亡穀は亡国なり」の講演が行われた。
坂本さんは戦後農政全体を強く批判し、「いかに農政再生は可能か」と、市東さんの闘いにふれ熱烈に訴えた。次に、反原発の取り組みを粘り強く訴えてきた地元・群馬のベテランの農民が登壇し、この間の取り組みを報告しながら、農民の決起を訴えた。最後に
三里塚反対同盟の市東孝雄さんが、三里塚45年の闘いを紹介し、市東さんにかけられた農地取り上げの闘いに勝利することこそ、福島原発事故・TPP攻撃に怒って決起を始めた日本農民の未来を切り開くものであることを確信も深く訴えた。
3人の提起に応えて会場から、伊勢崎と前橋の農業青年がそれぞれ、昼間の反原発デモに家族ぐるみ、地域の農業青年ぐるみで一緒に準備しながら参加した活き活きとした感想と、農業を続けていく決意を発言した。群馬合同労組の青年から闘いの決意が表明された。また、TPPと闘う地方議員も、群馬の農業の実情を紹介しながら、決意を明らかにした。さらに、「市東さんの農地取り上げに反対する会」の三角忠さんが、討論全体をまとめる内容で発言した。
最後に、青柳晃玄さんがパネラー3人と参加者へのお礼と、10・9三里塚現地集会―11・6大集会への参加を訴えて、討論会は大成功をかちとった。
70人の参加者から、熱心なアンケートがよせられた。「福島原発事故・TPP・農地取り上げと、3つのことが一体で政治が行われていることがよくわかった」「日本の農民は保守的で政府の言いなりだと思っていたが、がんばっている人がけっこういるのだと見直した」「市東さんの農地を守る会に入ります」「成田に行ってみたいと思った」などの感想がよせられ、その場での入会もかちとられた。(群馬)
9月6日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で「第3誘導路裁判」の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟が国と成田空港会社(NAA)に対し、危険で違法な暫定滑走路の第3誘導路について許可処分取り消し、工事中止などを求める裁判だ。
第3誘導路こそ、成田空港建設の暴力性と破産の象徴である。天神峰の市東孝雄さんという農家一軒を追い出すためだけに、莫大な費用を投じて大工事を進めて新たな誘導路を建設し、騒音と排気ガスを一層まきちらし、市東さんの家と畑を空港の中に囲い込むことを狙っている。

そしてNAAは、誘導路がへの字に曲がった暫定滑走路という致命的欠陥を抱えながら、「航空需要の拡大」を理由に増便を重ね、今や二つの滑走路での同時離発着という危険まで冒そうとしている。原発と同じで、大事故、大惨事は必然だ。しかも、彼らの計画によれば、この200億円もかけて造った第3誘導路は最後は無用の長物と化すのである。まさに国策の名による究極の浪費であり地上げヤクザまがいの暴挙だ! 農地を守って闘っている市東さんと反対同盟に100%の正義がある。
弁護団は成田空港のこうした矛盾、危険、破綻を暴き、NAAに対して環境、騒音、滑走路の使用実態などのデータを一切合切明らかにするよう迫った。また市東さんをはじめ地元農民について「原告適格がない」などと平然と決めつけたことを徹底的に批判し釈明を求めた。傍聴席の労働者・学生も、ともに全力で闘った。NAAの代理人弁護士は「検討し書面で……」などとか細くつぶやくばかりだ。次回弁論は11月29日。
場所を弁護士会館に移し、記者会見と報告会が開かれた。最初に萩原進事務局次長が「目の前で見ていると暫定滑走路の離発着は東京の山手線並みの頻度」と警鐘を鳴らした。さらに「3・11後に情勢は一変した。もう東電にまかせられない、電力供給は人民が自らの手でやるしかないとみな自覚し始めている。第3誘導路に湯水のように金をつかうNAAも東電と同じだ。三里塚ではどんなデタラメも押し通せるという敵の思い上がりを、大上段からたたっ斬ろう」と訴えた。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ顧問弁護団が、法廷の解説と空港粉砕への決意をそれぞれ表した。さらに質疑応答を通じて、航空需要低迷によって空港が危機のふちに追いやられていることが一層明らかになった。最後に司会の鈴木謙太郎さんが「10・9三里塚全国総決起集会への大結集を」と呼びかけ、この日の闘いを締めくくった。(TN)