3月26日、ドイツで史上最大の反原発デモが闘われた。首都ベルリンで12万人、北部のハンブルクで5万人、中部のケルンで4万人、南部のミュンヘンで5万人と、4都市合わせて25万人以上の人々が決起した。また地元で集会を開催したところもあり、それらを合わせると実に50万人以上が行動に参加したと言われている。原発問題をめぐる集会・デモでこれほど多くの人々が一度に決起したのは、ドイツでは初めてのことだ。メインスローガンはどこでも、「フクシマは警告する:すべての原発を停止せよ!」と「全原発の即時停止!」だ。参加者は、繰り返し「停止!」「停止!」のシュプレヒコールをあげ、その圧倒的などよめきは町中をこだました。


色とりどりの旗や横断幕が掲げられたが、その中には「フクシマはどこでも起きる」「スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマ――もう十分だ!」「17の時限爆弾を止めよう〔ドイツの原発は17基〕」「恐怖を勇気に変えて闘おう」などがあり、日本語で「原子力? おことわり」といったものもあった。
ベルリンのある青年活動家によれば、「こういう集会を成功させるためには何か月も必要なのに、今回は2週間そこそこしかなかった。でも、これだけ参加者が多いということは、今こそ声をあげようという、闘う気運がみんなの中でものすごく高まっているからだ」と語っている。

ドイツでは、東日本大震災翌日の12日に早くもシュトゥットガルトで6万人の反原発「人間の鎖」行動が行われたのをはじめとして、3月14日までに、ベルリン、ケルン、デュッセルドルフなど450以上の都市・地域で総計11万人の人々が集会やデモに参加した。その一連のうねりを引き継ぎ、さらにそれを大きく超える闘いが爆発したのだ。そして次は、4月25日にチェルノブイリ25周年行動として再び大規模な闘いに決起しようとしている。
この中で行われた翌3月27日のラインラント・プファルツ州とバーデン・ヴュルテンベルク州の州議会選挙では、既成大政党の保守党(CDU=キリスト教民主同盟)、社会民主党(SPD)、自由民主党(FDP)が大敗し、とくにこれまで保守が60年近くにわたって一貫して政権を握っていた牙城のバーデン・ヴュルテンベルク州で野に下ることとなった。マスコミが「ドイツの政治的大地震」と呼ぶほどの大きな事態だ。
動労千葉・
全学連と連帯して闘うドイツKRD(レーテデモクラシーのための委員会)も、地元の集

会に参加して、
動労千葉の緊急声明を読み上げ、日本語の団結ハチマキとこの日のためにつくった赤い救援バッヂを売って、2万円以上のカンパを獲得したと連絡してきている。
いまや世界は、日本の3・31東電抗議闘争を固唾(かたず)を飲んで注目している。世界の労働者階級人民と固く連帯し、猛然と怒りを爆発させよう。「被災地支援」と「全原発の即時停止」を掲げて、日本帝国主義の根底的総破産と統治能力の喪失をプロレタリア日本革命に急速に転化しよう。(Gt)
3・26行動の動画は↓
http://www.ausgestrahlt.de/mitmachen/26maerz/film.html
3月26日、政府の発表した緊縮政策・財政削減に反対して、50万人を超える労働者がロンドンを埋め尽くす大デモに立ち上がった。かつてサッチャーを葬った人頭税反対闘争以来最大のデモだと言われている。このデモはTUC(イギリス労働組合)が呼びかけ、そこに主催者の予想をはるかに超えるあらゆる労働組合、年金生活者、学生、中産階級まで幅広い層が支持し、参加した。もちろんデモの先頭に労働組合が立ち、UNISONの代表団だけでも通り過ぎるのに1時間かかり、どの組合もかつてない高揚と怒りをもって参加した。

19日に米とリビア攻撃を強行したイギリスの保守・自民連立政権は、23日に発表した税制政策で、経済成長見通しを下方修正し、法人税を2%削減しながら、公務員の30万人削減や年金削減するなどの激しい財政削減政策を発表した。英国郵便はロンドンの二つの工場を閉鎖し、1000人の労働者を職場から追い出そうとしている。そして向こう5年間で64ある事業所の半分を閉鎖すると宣言している。世界大恐慌を戦争と大首切りでのりきろうとするブルジョア救済の本性をむき出しにしたのだ。
これに対してイギリス労働者階級が、年末の学生の授業料値上げ反対の大闘争や、エジプト革命の息吹を受け継いで、怒りの大行動に決起したことは決定的である。このデモに先立って、大学や専門学校の講師12万人が22日、全国で一斉ストに決起し、47の大学でピケットが張られ、そこに学生も合流した。彼らは「この闘いはわれわれが闘いを組織していること、決して泣き寝入りしないことを示した。このピケットは長い闘いの始まりにすぎない」と語っている。
しかし労働組合の右派指導部は、この怒りを5月5日に行われる選挙で労働党の議席を拡大することに流し込もうとしている。左派は体制内指導部の裏切りを弾劾して革命やゼネストを呼びかけ、多くの労働者が共感を寄せているという。
イギリスにおいてもかつてない労働運動の地殻変動が始まっている。今や最大の焦点になっているのは、日本の労働者階級がこの大震災情勢にどうするかである。これは日本の労働者階級の未来だけでなく、世界の労働者の未来を切り開く闘いだ。悲しみを怒りに変え、被災した仲間の救援と、すべての原発を停止させる闘いを大爆発させよう!(SG)
報道動画のリンク↓
http://www.guardian.co.uk/world/video/2011/mar/27/tuc-protests-march-for-the-alternative-london
東日本大震災を契機にきわめて深刻な核災害を日々刻々拡大している福島原発大事故を受けて、いまドイツで空前の反原発運動が巻き起こっている。早くも大震災翌日の12日にシュトゥットガルトで6万人の反原発「人間の鎖」行動が行われたのをはじめとして、3月14日までに、ベルリン、ケルン、デュッセルドルフなど450以上の都市・地域で総計11万人の人々が集会やデモに参加した。ごく短期間に爆発的に高揚したこの闘いに恐れをなしたドイツ政府は、3月14日に「原発稼動延長の3カ月間中断」を、15日に「旧型原発7基の停止」を発表した。「闘えば勝てる」――ドイツ労働者人民の闘いは、このことをはっきりと示している。

デモに参加した人々は口々に発言している。「日本での大事故を思うと、言葉もないほどですが、ここで黙っていてはいけないと思い、参加しました」「日本のみなさんのことを思うと、深い悲しみにとらわれますが、今その悲しみの中からものすごい憤りがわいてきます。原発は非常に危険なもので『百害あって一利なし』と長年言ってきたのですから」「ドイツの政府や企業は、『ドイツの原発は安全でクリーンだ』とか「ドイツは日本のような地震国ではない』とか言うけれど、『チェルノブイリ事故だって別に地震のせいで起きたわけじゃない」
そして、「全原発を停止せよ、全世界でそして直ちに!」というスローガンが運動の中で急速に広く共通のものとなっている。
この闘いと並行して、ドイツの仲間からも、アメリカや韓国、ブラジルやフィリピンの仲間と同様に、日本の労働者への感動的な激励のメッセージが寄せられている。ドイツKRD(レーテデモクラシーのための委員会)の女性労働者・アンナさんは次のようなメールを送ってきた。
「親愛なる同志のみなさん!
私はまだみなさんの顔は知らないのですが、今みなさんのことをどれだけ深く思っているかをお伝えしたくて初めてメールしました。私たちはテレビやインターネットで日本の状況を追い、その災害の大きさにただただ涙が流れ、茫然として言葉もないありさまです。動労千葉の仲間や闘うみなさんはお元気なのでしょうか。私たちKRDはどんなに遠く離れていても、みなさんとともにあり、みなさんのことを考えています。もし何かできることがあるなら、遠慮なく言ってください。私たちは持てる力のすべてを使って、みなさんの支援のために動きます。
このことを是非みなさんにお伝えください。
心からのあいさつをこめて、アンナ」
そして、KRDから震災カンパ第1弾として6万円が寄せられてきた。
われわれ日本の労働者階級は、ドイツの、そして全世界の労働者階級と固く連帯し、日本帝国主義の総破産と統治能力の喪失、死の苦悶からする絶望的あがきと真っ向から対決し、これを必ず急速にプロレタリア日本革命に転化するだろう。(Gt)
写真①はシュトゥットガルトの6万人の「人間の鎖」行動(3月12日)
【動画】→ http://www.youtube.com/watch?v=yANpk5kZMz8
写真②はベルリンの首相官邸前での大集会(3月14日)
アメリカ中西部ウィスコンシン州で爆発した公務員労働者の闘いは、2週間以上経過した今も参加者をさらに増やし、全米各州に燎原の火のごとく拡大している。2月26日には、凍るような寒さと降りしきる雪の中、州都マディソンの議事堂前には10万人近い人びとが結集して抗議の大デモンストレーションが行われ、ベトナム戦争以来最大の規模のものとなった。この日はアメリカ全50州でもウィスコンシンの公務員労働者に連帯して抗議行動が行われ、ニューヨークやシカゴ、デンバー、ボストン、サンフランシスコなどの主要都市の政府オフィスビル前では数千人規模の集会が開かれた。

「公務員労働者から集団交渉権を剥奪し、賃金と年金を大幅に削減する」という予算をウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカーが強行成立させようとしており、公務員の賃金大幅カットに加えて「組合つぶし」を狙ったむきだしの新自由主義攻撃である。このウォーカー知事を後押ししているのが大富豪で石油関連企業を所有しているチャールズ・コークとディビッド・コークの兄弟で、2010年の選挙戦で共和党に100万ドルを寄付し、ウォーカー個人にはわかっているだけでも10万ドル以上が渡っているという。選挙戦では共和党がウォーカーの対立候補をテレビCMで激しく攻撃したが、その中心的な資金源がコーク兄弟だったと言われている。
ランク&ファイルの労働者がこのような戦闘的な闘いを展開するなか、ウィスコンシン州教育組合協議会(WEAC)やウィスコンシン州公務員労組(WPEU)の執行部は民主党とともに、「政府との譲歩交渉と組合費徴収の権利」だけを条件にウォーカー知事の予算案を受け入れ、ウィスコンシン州の公務員労働者の闘いを収拾させようとしているのだ。
しかし、デモに参加している労働者は、強欲な資本家たちを利するための予算案は絶対に認めては

ならないとがんばっている。ベテラン教師のステーシィ・チアエは、「こうした経済政策は今に始まったことではなく、レーガンの時代からじわじわと浸透してきて、富はすべて一部の金持ちと資本家に集中していきました。やつらは私たちを絞れるだけ絞って、高笑いをしている。すべての製品を海外で生産させ利益をむさぼってきましたが、子どもたちを海外に送り込んで教育させるわけにはいかないから、最後に残った教師に対してこんな攻撃がかけられているのです」と語った。「この闘いは公共・民間を問わずすべての労働者の問題です」と、GMの工場閉鎖で解雇されたジェームス・キーチは自分の問題としてデモに参加したという。「いずれ法案は通ってしまうのでは?」という質問に、ブライアン・チアエは、「そう、成立するでしょう。その時こそ決定的な瞬間がやってきます。労働者がそれに黙って従うのか、それとも大ストライキが起こるのか。ウォーカーが眠れる巨人を起こしてくれることになればいいよね」と答えた。
数百人の教師や自治体労働者、学生たちはマディソン議事堂の廊下を占拠し、警察の弾圧・逮捕も恐れず寝袋を持ち込んで連日泊り込んでいる。仕事に出かけなければならない教師や公務員たちは、働きながら交代で泊り込み闘争に決起している。そして、世界中から連帯の差し入れが届いているという。先日は、宅配ピザ店からたくさんのピザが届けられた。エジプトの労働者から注文を受けて配達されたものであった。(KJ)
写真③はタハリール広場で掲げられたプラカード「エジプトはウィスコンシンを支持する。一つの世界、一つの痛み」。この写真がウィスコンシンの集会の多くのビラやポスターで使われた。