韓進重工業のキムジンスクさんの闘いを支えた「希望のバス」運動は、その後も、各地の労働争議現場への連帯を組織する運動となって継続されている。1月13、14日の両日には、双竜(サンヨン)自動車平沢(ピョンタク)工場前に設置された「希望テント」村で、全国から結集した約3000人の労働者・市民による工場包囲闘争が闘われた。
2009年に大量整理解雇の撤回を求めて77日間の壮絶な籠城闘争が闘いぬかれたサンヨン自動車では、闘争終結に際して資本が労組と交わした約束が一方的に反古にされ、19人もの組合員の自殺が相次いできた。これに対して「これ以上死なせてはならない!」「絶望の工場を希望の工場に変えよう!」という闘いが、韓進の勝利を突破口に新たに開始されたのだ。

1月13日午後7時、金属労組の組合員をはじめ、全国各地から多くの労働者、学生、市民が平沢工場前に集まった。この日、希望テント村の一日村長は民主労総のキムヨンフン委員長が引き受けた。集会の後、金属労組のパクサンチョル委員長が「今から工場を包囲する」と宣言。爆竹3000本が参加者に配られ、工場の正門に向かって一斉に鳴らされ、正門前に横断幕が広げられた。そして昨年末に会社側によって他の場所に押し出されていたサンヨン解雇者の野宿座り込み場が、実力で元の位置に戻された。
この日最も注目を集めたのは、キムジンスクさんの登場と発言だ。三部に分けて行われた集会の最後に登壇した彼女は、「解雇は殺人だという思い、キムジンスクをまたクレーンで越冬させてはならないという思いで最後までやりぬいた仲間たちの手で、サンヨンの仲間を生き返らせよう。19番目の殺人をしたあいつらの、20番目の殺人は防ごう」と訴えた。翌14日も、朝から再び工場前で集会が行われ、正門から裏門へと工場を包囲するデモが闘われた。

サンヨン平沢工場前のこの希望テント村は昨年12月初めに設置され、参加者がどんどん拡がっている。そのほとんどが、韓進重工業の整理解雇撤回闘争に連帯した希望バスの参加者だ。テント村で毎晩祈祷会を行っているという韓国キリスト青年連合会のある学生はネット上で、「解雇を個人の責任とし、労働者の正当なストライキと闘争を暴力行為と罵倒する韓国社会では、整理解雇は社会的殺人だ」と断罪し、「希望テント村の村民になることは、誰かの死を黙認し、幇助して暮らす私たちの人間らしさを守る最低限の実践だ」と呼びかけている。そして、絶望の中から希望をつくりだす闘いが「いかに暖かく、胸ときめくことなのか」参加すれば分かると。この言葉は、「希望バス」「希望テント」運動が生み出しているパワーの最大の核心が、労働者階級の階級的団結とそこに育まれる人間的共同性の回復にこそあることを示している。
韓国労働者階級の闘いは今、民主労働党に代わる新政党=統合進歩党の発足と、これへの民主労総の対応を巡って大きな分岐点を迎えている。統合進歩党の本質が、労働者の非正規職化推進の元凶であったノムヒョン政権の中心勢力との野合であることに、現場労働者の激しい批判と怒りが噴き出している。そしてこの政党再編劇の対極で、「希望バス」を引き継ぐ現場の闘いが不屈に、新たな希望をもって闘われ始めているのである。韓国労働運動は2012年、苦闘の中から確実に新たな歩みを開始した。これに連帯し、日本の階級的労働運動のさらなる前進を闘いとろう。(千)
写真は上から、①工場包囲デモに立つ労働者(1月14日)、②工場前での集会(1月13日)、③集会で訴えるキムジンスクさん(13日)
1月14日、中国広東省深圳市にある日系サンヨー電機工場で、工場労働者約4000人が全員参加した大ストライキが爆発した。深圳サンヨー電機工場は、同じ日系企業である松下に買収されることとなり、前日13日に突然労働者に対して、従業員証が変わることが一方的に通告された。つまりサンヨーの表示が松下の表示になるということで、この時初めて労働者たちは工場が松下に買収されたことを知った。工場の買収には労働者のリストラや労働条件の改悪がつきものであるが、労働者には従業員証の変更が通知されただけで、この買収に伴う労働者への補償などについては一切話がなかった。過去の同じサンヨー系列の工場の移転や買収の時には、労働者の年功に応じた補償などがされていたのにである。

これに怒った労働者は、翌日14日10時よりストライキに決起した。作業場には労働者は一人もいず、全労働者約4000人が参加する大ストライキとなった。労働者は昼過ぎに街頭に飛び出し、大デモを行い、「権利を勝ち取るぞ! 腐敗打倒!」とシュプレヒコールがあげて訴えた。労働者の権利を守るとともに、中国スターリン主義の政治腐敗を徹底的に弾劾したのである。
労働者は大通りを封鎖した。武装警官が動員されて両者が激突、多数の負傷者がでて男性労働者3人と女性労働者一人が逮捕された。しかし労働者は一歩も引かずに闘った。午後2時をまわって、この労働者の激しい闘いに追いつめられた工場側が労働者に協議を約束。こうしてストライキは勝利のうちにいったん終結した。
世界恐慌の進展、とりわけ欧州危機の爆発は、中国経済を直撃している。とりわけ外資系企業は経営危機を深め、倒産や合併・買収、移転や撤退の動きが激しく進んでいる。こうした経済危機の中で、労働者の階級的な闘いが歴史的な高揚に入っている。1月11日には、中国最大の工場地帯である東莞で香港系のおもちゃ企業が突然倒産し、労働者1000人が「私たちの血と汗の賃金を支払え!」「年が終わろうとしている(中国は旧正月)、私たちは故郷に帰らなければならないのだ」などの横断幕を掲げて街頭デモを闘っている。
中国をはじめ、全世界の労働者が帝国主義とスターリン主義の危機の中で、まさに世界革命を求めて闘いに立ち上がりつつある。日本の労働者の闘いと組織建設の拡大、国際連帯闘争の発展をかちとろう!(G)
元旦に河南省安陽市で3万人のデモが闘われた中国では、年始の3連休が明けた仕事始めの1月4日も、全国各地で労働者のストライキが次々と爆発した。
江西省梧州では、午後、香港系企業である中拡永威実業有限会社の梧州おもちゃ工場で、賃金と残業代未払いに抗議して1000人の労働者がストライキに決起。労働者の街頭デモを阻止するために警官が動員されたが、労働者は経営側が話し合いに応じることを確認するまで6時間のストライキを闘った(写真)。江蘇省無錫市では、中国最大の全自動洗濯機の企業である江蘇無錫小天鵝会社の労働者が、賃下げと年末手当不払いに抗議して、1000人以上のストライキに決起した。

四川省成都市では、午前中、製鉄と鉄鋼加工会社である成都攀成鋼集団(青白江区)の数千人の労働者が、待遇の不公正と官僚の腐敗、交通事情のひどさに抗議し、デモに決起した。武装警官が動員されデモを弾圧。デモの一方で工場労働者は、見守る街頭の人々に今後のストライキ支援のためのカンパや物資提供を訴えて闘った(写真)。
昨年末、自治を求めた広東省の烏坎村での闘いも、火力発電所の新設に反対した汕頭市海門の闘いも、農民、労働者、住民側の勝利に終わった(烏坎村の事態は、殺された薜錦波さんの遺体を遺族に返すと言う約束を政府は履行せず、再び緊張が生まれてきている)。一方で日系シチズン争議も、2週間のストライキと武装警官による監獄工場化に屈せず不屈に闘いぬき、中国史上初の事実上の現場労働者の団体交渉による勝利をかちとっている。こうした昨年の闘いが切り開いた地平が、勝利の展望を労働者に与え、年明けからの連続的な闘いの爆発となっているのである。
そして何よりも、中国経済の雪崩打つ崩壊が進んでいる。欧州経済危機は中国経済を直撃し、一方でバブル経済崩壊にともなう金融危機が進行し、年末年始の過程で企業倒産が始まっている。外資系企業では、中国からの撤退や内陸部への移転を進める動きが進んでいる。それらはいずれも、労働者の首切り・リストラの攻撃に直結し、労働者は闘わなければ生きられないところに来ているのである。
しかし中国の労働者は、昨年の闘いで自分たちが社会の主人公であること、闘うことで勝てる展望をしっかりとつかんだ。天安門事件以来の弾圧体制は、まさに根底において打ち破られつつある。中国バブル経済の崩壊をきっかけにした世界大恐慌の本格的な爆発という情勢、そして中国と世界の労働者の歴史的な決起に応える闘いを2012年、実現しよう。(G)
2012年1月1日元旦の日に、中国河南省安陽市で3万人の暴動が発生した。安陽市の駅前に集まった労働者・住民たちは、中国の国歌である「義勇軍行進曲」を歌いながら人民公園までデモに出た。武装警官がこれを阻止しようとしたが、群集は「私たちを打つなら打て!」と叫び、徹底的に抗議した。
事件の根底にあるのは中国におけるバブル経済の崩壊であり、行政権力と資本の癒着が生み出した労働者・住民からの詐欺まがいの資金集め。安陽市政府は企業と癒着し、「この投資は安全だから」と住民に宣伝して、詐欺まがいの手法で住民から企業に投資をさせていた。ところが今、中国のバブル経済が崩壊に向かう中で、多くの企業が資金繰りに苦しくなり倒産の危機を迎え、この市民の投資が紙くずになろうとしている。
この投資に関わっている安陽市内の企業は40社以上にのぼり、返済が不能な債務の額は200億元(2600億円)から400億元(5200億円)に上るといわれている。そして安陽市の家庭の少なくとも5分の1が、政府の宣伝を信じて投資をしたというのである。
12月24日には、1・5億元(約20億円)の債務を抱えた社長が自殺している。年末を迎え、資金繰りをできず年を越せない倒産企業の実態が次々と明らかとなった。1月1日という日に暴動が起きたのは理由がある。
すでに事態は鎮静化に向かっていると安陽市は発表しているが、この事件は中国経済が急激に崩壊に向かっていることを示している。そして中国のバブル経済が、スターリン主義官僚と資本家の腐敗した関係のもとで、詐欺まがいの大衆収奪さえ行って成立していたことが明らかになり、それに対する怒りが今や、労働者や農民、住民たちの壮大な決起を生み出しているのである。それは必ずや日本をはじめ世界の労働者階級の闘いと結びつき、壮大な世界革命への道を切り開いていくに違いない。
こうした中国の大激動情勢と一体で、2012年を日本の労働者階級の歴史的な大決戦の年としよう!(G)